2023冬アニメ 終盤前の状況 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年冬アニメも終盤に差し掛かろうとしています。今期の視聴対象作品の34作品を、すでに視聴を切った作品も含めて現状のランク分けと順位を紹介していきます。個人的に面白いと思っている順位なので、あくまで個人の主観です。世間の人気度や作品のネームバリューなどは一切考慮していません。

話数をだいぶ重ねてきていますので、こういう終盤前ともなるともうあまり順位が大きく動くことはなくなってくるんですが、私の場合は1クールアニメとしての完成度を重視しているので、終わり方が大事です。終盤の展開が綺麗にまとまるかどうか、盛り上がるかどうかによって、ここから先、最終話までで実はかなり大きく順位が動くことも多いです。だから下記の順位は決して確定的なものではない。

また、終盤の動向の予想も含めて、各ランクごとに現時点の総評も添えておきます。

 

 

◆Cランク(苦痛だった作品)

 

34位 老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます

第3話で視聴打ち切り。

主人公が現代知識や科学で無双して異世界人を騙す詐欺師で完全なるクズ。ほぼ全編に不快感しか無くて視聴継続困難となった。

 

 

33位 人間不信の冒険者たちが世界を救うようです

第3話で視聴打ち切り。

なんか真面目に作ってるけど純粋に話が面白くない。もともと面白くなさそうと思って見始めたがホントに面白くなかった作品。

 

 

32位 齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定

第3話で視聴打ち切り。

最初はちょっと面白かったが飽きてきてもうダメだと思って切った。実質はBランク中位ほどだが15分枠なので1ランク下げた。

 

 

31位 氷属性男子とクールな同僚女子

第3話で視聴打ち切り。

冬月さんはすごく可愛いけど全体的にギャグが寒すぎて苦痛。ここまでギャグが寒いなら普通に退屈にラブコメやった方がマシ。

 

 

30位 便利屋斎藤さん、異世界に行く

第5話で視聴打ち切り。

序盤はブツ切りすぎて、まるでコント番組を観てるみたい。その後の新展開も大したこと無し。奇をてらっただけで面白くない。

 

 

29位 お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

第8話で視聴打ち切り。

ヒロインの真昼は可愛いのだが、主人公を筆頭にキャラの言動がキモすぎて無理だった。第7話後半パートだけはマトモだった。

 

 

Cランクの現時点の総評

現時点で上記6作品がCランクで、Bランク作品も現時点で既に全作品が視聴を打ち切っているので、おそらくこの6作品でCランクは確定だと思う。現在まだ視聴継続している作品の中でこのCランクまで落ちてくる可能性のある作品はあまり無いと思うが、終盤の展開がよほど酷かったりすれば可能性のある作品は無いことはない。

上記いずれの作品も視聴を打ち切った回までの内容に基づいた評価になっていますので厳密な評価とはいえないが、「草食ドラゴン」は実質Bランクであり、その上の「氷属性男子」「便利屋斎藤さん」「お隣の天使様」は私の嗜好に合わなかっただけであって嗜好の合う人にとってはそんな悪い作品ではないと思う。一方で下位の「ろうきん8」「人間不信の冒険者」は出来の良くない作品だと思う。

今期のCランク作品自体の評価はそんなに他のクールに比べて劣るということはないと思う。今期の問題点の本質は次のBランクの作品数の多さにあるのだと思われます。

 

 

 

◆Bランク(退屈だった作品)

 

28位 異世界のんびり農家

第6話で視聴打ち切り。

極端なご都合主義で非常に退屈な作品なのだが、ヒロインが大量に出てきてみんな楽しそうなのでバカアニメとしては観れた。

 

 

27位 アルスの巨獣

第4話で視聴打ち切り。

クオリティは高そうなのだが話がよく分からなくて全く面白くない。クオリティが高いぶん不快感を感じないで済んでるだけ。

 

 

26位 痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2

第4話で視聴打ち切り。

基本的に他人がゲームで遊んでるのを観てるだけだし、メイプルが最強になってしまっているので話が発展せず退屈で眠かった。

 

 

25位 魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~Ⅱ

第5話で視聴打ち切り。

ツッコミ役不在で話の内容が全く分からないまま進んでいく。アノス節も飽きてきたしヒロインも目立たずどうにも退屈だった。

 

 

24位 Buddy Daddies

第4話で視聴打ち切り。

雑な設定の殺し屋が育児をするストーリーに興味を持てず視聴継続は無理と判断。ただ育児描写がリアルだった点は良かった。

 

 

23位 東京リベンジャーズ 聖夜決戦編

第30話で視聴打ち切り。

原作の酷い結末を知ったぶん全てがチープに見える。内容も1期の劣化版だし、どうせ中途半端に終わるのだし観ても仕方ない。

 

 

22位 ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン 第3クール

第30話で視聴打ち切り。

3クール目に入って刑務所が舞台ではなくなり普通のジョジョ作品になって退屈に感じ、最後まで観る気が無くなってしまった。

 

 

21位 ブルーロック

第18話で視聴打ち切り。

各話はそれなりに観れるが、結局サッカーやってるだけで2クール目は飽きてきた。どうせ話の途中で終わるし観るのを止めた。

 

 

20位 犬になったら好きな人に拾われた。

第8話で視聴打ち切り。

前半はブッ飛んで面白かったのだが、ネタがマンネリ化して話も進まないし飽きてきた。15分アニメなのでこれぐらいで切る。

 

 

19位 ノケモノたちの夜

第8話で視聴打ち切り。

序盤3話は素晴らしかったがその後急に勢いが落ちていった。話はさほど酷くないがキャラに魅力が無く続きに興味が湧かない。

 

 

18位 シュガーアップル・フェアリーテイル

第8話で視聴打ち切り。

それなりにまとまった内容で悪くはないのだがイマイチ盛り上がらず、これ以上最後まで続きを観ても仕方ないと思えてきた。

 

 

Bランクの現時点の総評

現時点で上11作品がBランクで、全て既に視聴を打ち切っているので基本的に今後も順位の変動は無いでしょう。ただ終盤に上位ランクから落ちてくる作品もあるかもしれないので、その場合は順位の変動があるでしょう。現在も視聴だけは続けている作品というのは無くて、11作品とも完全に視聴を打ち切っています。

現時点でBランクが11作品もあるというのは通常クールよりはかなり多めの数字であって、今期の「不作クール」という印象の主な要因はこのBランクのイマイチな作品が多いということにあると思う。ただBランクで真に出来があまり良くなくて退屈であったのは「異世界のんびり農家」「アルスの巨獣」「防振り2期」「魔王学院2期」「Buddy Daddies」の下位5作品の方であって、このうち「Buddy Daddies」に関しては個人的な嗜好に合わなかっただけであってクオリティ自体は低くないので、世間的には好きだという人も多いようです。

一方で上位5作品である「東京リベンジャーズ」「ストーンオーシャン」「ブルーロック」「ノケモノたちの夜」「シュガーアップルフェアリーテイル」は観ていられないほどに酷い内容というわけでもなかったが、どうにも続きを観たいという気が湧いてこなくなってしまったので視聴を打ち切ってBランクとした作品であって、そういう作品も含まれているので、今期のBランク自体のレベルはそんなに低いわけではない。だがこれだけBランクの数が多いこと自体は今期のレベルが低いことの表れといえる。

なお「犬になったら好きな人に拾われた」は15分アニメなので補正してこの順位にしているだけであり、実質はA-ランク上位ぐらいの内容です。ただ15分アニメの視聴ハードルは高いので実質A-ランクでも視聴は途中で打ち切ります。

 

 

 

◆A-ランク(普通に観れた作品)

 

17位 スパイ教室

第7話まで視聴済み。

序盤3話がクソアニメで一旦視聴を切ったが一応観続けていて、4話以降は案外バカアニメとして脳死状態で観れるとは思う。

 

 

16位 REVENGER

第8話まで視聴済み。

面白くなりそうでならない展開が続いていたが最新話で遂に面白くなった。そこまで粘れたのはキャラと世界観の良さのお陰。

 

 

15位 英雄王、武を極めるため転生す

第7話まで視聴済み。

ありきたりな中に独自性のある設定だが、話は散漫で伏線をバラ撒いて終わりそう。ただキャラは魅力があるので十分観れる。

 

 

14位 冰剣の魔術師が世界を統べる

第8話まで視聴済み。

全体的に雑な作りで話もありきたりでクソアニメなのだが、小ネタがかなり面白くてギャグアニメとしてはそこそこ楽しめてる。

 

 

13位 最強陰陽師の異世界転生記

第8話まで視聴済み。

ありきたりな異世界転生モノでアクションシーンも退屈だが、話のテンポは良くてヒロインも可愛くて意外に楽しく観れている。

 

 

12位 NieR:Automata Ver1.1a

第5話まで視聴済み。

序盤は意味不明だったが尻上がりに面白くなってきている。作画クオリティは高い。今後もうちょっと順位は上がっていきそう。

 

 

11位 転生王女と天才令嬢の魔法革命

第8話まで視聴済み。

キャラは非常に魅力的で心情描写も丁寧、作画も良いのだが話がなかなか進まなかった。あと随所になろう臭と百合がキツい。

 

 

現時点でA-ランクの作品が7作品あるというのは通常クールと比較して平均値ではあると思う。ただ、このA-ランクより上の作品数が現時点で17作品しか無いというのは最近では珍しい。2020年以前はそれぐらいが普通だったが、2021年以降は1クールのアニメの作品数が増えたこともあって、だいたいはどのクールもA-ランク以上は平均20作品ぐらいだった。その期間内で不作クールとして顕著な例だった2021年夏クールは最終ランキングではA-ランク以上が16作品であったが、終盤前の段階では19作品あったので、この終盤前の時点で17作品である今期は2021年度以降では最も顕著な不作クールといえます。

ただ、2021年夏クールのA-ランクから3作品が終盤に下位に落ちていったのとは違い、今期は現状A-ランクの7作品から下位に落ちる作品はあまり無いとは思います。まぁ「スパイ教室」はヤバいですけど、それ以外は落とすべき作品は既に落としてしまっていますし、現状A-ランクの下位の方の作品はそんなに面白いというわけではないが、この期に及んで視聴を切ってBランクに落とすような作品ではないと思います。まぁ可能性があるとすれば「REVENGER」と「英雄王」ぐらいでしょう。

この中で「スパイ教室」だけはお情けでA-ランクに引っかかっている作品なのでBランク以下に落ちる可能性は高い。一旦3話で切った作品だが確かにキャラには魅力はあるので現状はバカな萌えアニメとしてギリギリ頭空っぽで観れるレベルだとは思う。

「REVENGER」はずっとイマイチだったのが第8話でようやく面白くなってきたのでここから視聴を切るということはなく、おそらく低い順位でフィニッシュするだろうけど最後まで視聴はすると思う。あまりにつまらなくなればBランク落ちは有り得る。

「英雄王」はキャラと設定に魅力があるぶんマシだっただけで、話のイマイチ度合いでは「REVENGER」とそう大差は無い。おそらくイマイチなままでフィニッシュすると思われ、あまり順位は上がらないでしょうし、最悪はBランク落ちもあり得る。

「冰剣の魔術師」と「最強陰陽師」の2作品はあまり優れた作品というわけではなく退屈な部分もあるが、娯楽作品として安定して楽しめているので終盤も安心感はあり、Bランク落ちの可能性は低いと思う。「冰剣の魔術師」の場合は小ネタの面白さが安定しており、もともとストーリーに依存することのあまり無い作品なので今のノリで最後まで突っ走りそうですが、ストーリー面の面白さの上積みはあまり期待出来ないのでA+ランクに上がることはないでしょう。

「最強陰陽師」はテンプレ展開の細部の質を上げてくることで意外と楽しませてくれている作品であり、テンプレ展開ゆえの安定感でBランクに落ちる可能性は低いが、同時にテンプレ展開の限界で一定の退屈さもありA+ランクに上がることもなさそう。

一方、A-ランク上位の「NieR:Automata」「転生王女」の2作品はクオリティの高さは十分にA+ランク級であり、ストーリー面で今一つ物足りないところがあってA-ランクから抜け出せていない作品ですから、終盤にストーリーに勢いがつけばA+ランクに上がる可能性は高いといえます。

「NieR:Automata」は放送延期のせいでまだ第5話までしか終わっておらず、ここからまだまだ面白くなる伸びしろは大きいが、未知数の部分も大きく、終盤が4月以降に割り込む可能性も高く、その時点でA-ランクなら視聴を切るかもしれない。この作品の場合はそもそも1クール作品かどうかもまだ不明で、もし1クール作品なら中途半端に終わるのは必至といえます。

「転生王女」はおそらく終盤は盛り上がってくると思うのでA+ランクに上がる可能性はだいぶ高いのだが、ここまでも結構盛り上がる回もあったにもかかわらずイマイチな部分もあってなかなか調子が出なかったので、そのまま終わってしまうのかもしれない。この作品は1クールでは物語が本題に入って盛り上がる前に終わってしまいそうな予感もしており、その場合はA+ランクはキツいかもしれない。

 

 

 

◆A+ランク(満足できた作品)

 

10位 イジらないで、長瀞さん 2nd Attack

第8話まで視聴済み。

ギャグアニメとして平均的な面白さは常にキープしておりラブコメ展開で時々盛り上がっている。終盤のスパートに期待したい。

 

 

9位 ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん

第8話まで視聴済み。

設定が斬新で物語もしっかりしていてキャラも魅力があって面白いが期待していたよりは話が盛り上がってくるのが遅い印象。

 

 

8位 トモちゃんは女の子!

第8話まで視聴済み。

ギャグアニメとしてはかなり優秀。ラブコメとしては独特な路線だが割と真面目で現状は停滞気味。サブキャラの魅力が光る。

 

 

7位 ツルネ ーつながりの一射ー

第8話まで視聴済み。

映像のクオリティが非常に高く、完成度の高いエピソードも多いのだが、まだ本題の話が盛り上がってきていないという印象。

 

 

6位 ヴィンランド・サガ SEASON2

第8話まで視聴済み。

全体的にクオリティが非常に高い作品で見応えは十分だが、連続2クール作品の前半部分なのでまだ話が大きく動いていない。

 

 

5位 虚構推理 Season2

第13話から第20話が評価対象。

脚本のレベルが非常に高くてミステリーの醍醐味が十分Sランク級の作品だが中盤がやや地味だったので一旦A+ランクにした。

 

 

現状A+ランクが6作品というのは最近の通常クールに比べてやや少なめの部類という印象だが、Sランクも含めたA+ランク以上の作品の数が10作品というのはかなり少なめといえます。A-ランクから上がってくる可能性のある作品が「NieR:Automata」と「転生王女」の2作品ぐらいであり、これを合わせてもマックスで12作品であり、それも実際はちょっと心許ない状況であるが、仮に12作品に達してクールを終えたとしても、A+ランク以上が11作品であった2021年夏クール以来の充実感の不足したクールとなることは避けられない状況といえます。

正直言って不作クールといえますが、それは量的な問題であって、質が落ちているわけではない。A+ランクの6作品はいずれもA+ランクに相応しいレベルの高い作品揃いで、いずれも終盤は盛り上がってきそうな作品ばかりなのでA-ランク以下に落ちていきそうな作品は無いでしょう。だから、さすがにこれ以上A+ランク以上の作品が減るということはないが、A+ランクからSランクに上がりそうな作品はあるので、A+ランク自体の作品数は6作品から更に減る可能性はある。また、もともと地力があって更に終盤が盛り上がってきそうな作品が揃っているので、終盤でA+ランク内での順位も大きく動きそうです。

まず「イジらないで長瀞さん」はA+ランクの作品内で現状は最もムラが激しい作品であるのでA+ランク内で最下位となっているが、毎回決めるところはしっかり決める地力のある作品なのでA-ランク以下に落ちる可能性は無いでしょう。1期に比べてギャグ作品としてはややパワーダウンして日常アニメっぽくなっているが、ラブコメ展開はむしろ1期に比べて盛り上がってきているので、1期同様に終盤でラブコメ展開のギアを上げてフィニッシュするのであれば、1期の終盤よりも盛り上がるかもしれないでしょう。

「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテ」は面白い設定を最初にぶち込んできてドラマチックな展開を予感させながら、その後はここまでは予想以上に丁寧に伏線を張ってストーリーを積み重ねてきている印象。それがちょっと丁寧すぎて大きな盛り上がりが不足して地味な印象になっているのだが、軽いノリに見えて意外に脚本の質は高く、毎回見せ場がある。終盤は間違いなく盛り上がってくるだろうが、あまり例の無い特殊な設定の作品だけに、それが成功するかどうかは未知数の部分が大きい。上手くいけばかなり順位が上がるかもしれない。最後しっかり物語が完結するのも強みといえる。

「トモちゃんは女の子」は現状ギャグアニメとしてかなり安定した面白さだが、加速度的に面白さが増していくというほど超一流のギャグ作品というわけではない。ギャグ面に関してはこれから終盤はマンネリ化が進んでいく局面だろう。ゆえに、ここから順位を上げていくにはラブコメ展開で魅せていく必要があると思うが、あまり類を見ないタイプのラブコメだけに今後の展開がイマイチ読めない。現状の流れをみていると、あまり大きく盛り上がるのではなくイイ話で小さくまとまりそうな気もする。ただ、それでもこの作品もしっかり物語を完結はさせてくると思うので綺麗な終わり方には期待したい。

「ツルネ」は作画や演出のクオリティは今期トップクラスの作品で、鑑賞時の満足度は非常に高いが、ストーリー面ではここまでは地味な印象です。各エピソードは綺麗にまとまっているのだが、この第2期の物語としてはまだ大きな動きが出てきていない印象。物語の基本形が第1期で完成されているので、第2期の新展開が動き出さないうちは日常回が繰り返されている形になってしまっている。終盤は物語が動き出すとは思うが少し始動が遅い気がする。ストーリー自体に深みはあるがそのぶん難解な面もあり、最後までクオリティ頼りならば下位作品の終盤の盛り上がりの追撃をかわせないかもしれないですね。

「ヴィンサンド・サガ」は全体的にクオリティは非常に高い作品で、深いテーマを扱っている割にストーリーも分かりやすくて、ギャグもしっかり笑えるしアクションも見応えがあり、登場人物の心理描写も深みがあって惹き込まれる。重厚な大河ドラマという印象だが1クールのアニメ作品として評価するのがちょっと難しい。設定を一新して始まった第2期の物語が非常にゆったりとしたペースでようやく動き出したばかりで、連続2クール作品のまだ折り返し前だがかなりのスローペース。各話の完成度は高くてA+ランク上位は揺るぎない作品だが現状ではSランクとするのはちょっと難しい。終盤の展開次第というところでしょう。

「虚構推理」はかなり変則的なミステリーで好みの分かれる作品だが私はこういうダークで後味の悪い作品が大好物。キャラの魅力に頼らずストーリーで勝負する姿勢も好き。脚本のキレが素晴らしくて人間ドラマの深みもある。Sランク評価に値する作品だと思っているが、中盤の展開がやや地味であったことと、どうしても作品の性格上、定期的に説明回を挟むこともあり、現状でSランクとするのは評価が甘いと判断して一旦A+ランクに落とした。終盤の長編エピソードの出来が良ければ当然Sランクに上がり、長編エピソードがイマイチならばA+ランクのままで終わるというのが最も公平で良いと判断し、終盤に期待しています。

 

 

 

◆Sランク(大満足した作品)

 

4位 TRIGUN STAMPEDE

第8話まで視聴済み。

圧倒的なCG作画クオリティとアクションが強み。最新話では謎解きが進んで話に深みも増してきて終盤の盛上がりにも期待大。

 

 

3位 メガトン級ムサシ(第2期)

第14話から第26話が評価対象。

前半の溜めた展開からの後半のクライマックス感溢れる爆発力が凄い。やや大雑把ではあるがケレン味と勢いで押し切っている。

 

 

2位 不滅のあなたへ シーズン2

第11話から第18話が評価対象。

深みのあるエピソードを重ねた前半から後半は壮大なスペクタクル活劇となり強烈な鬱スリラー展開を経てクライマックス直前。

 

 

1位 もういっぽん!

第7話まで視聴済み。

王道展開の青春柔道部活動モノだが全てのキャラの群像劇が重層的に繋がる脚本の緻密さは抜群。毎回感動できる充実度は一番。

 

 

現時点でSランク作品が4作品というのは2021年度以降においては破格の少なさです。ただ、A+ランク上位の「虚構推理」はほぼSランク作品と言っていいでしょうし「ヴィンランドサガ」「ツルネ」はSランクに近い作品であり、「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテ」あたりはワンチャンSランクに滑り込む可能性はあると思う。

豊作クールと名高い前クールも終盤前の時点でSランクは8作品で、そのうち「ムサシ」は今期に移動しているから除外して7作品で、A+ランクにはSランクに準じる作品は無くて、結局「後宮の烏」が落ちて代わりにA+ランク下位から「夫婦以上恋人未満」が終盤の追い上げでSランクに滑り込んだので、案外今期も「虚構推理」「ヴィンランドサガ」「ツルネ」「ツンリゼ」がSランクに上がってくれば前クールとそう大差無いようにも見える。

世間的な見方としての「前クールは豊作クール」というのはどうせ「チェンソーマン」「SPY×FAMILY」「ブルーロック」あたりをトップクラスに加えての認識であり、そういう単に有名作品の有無で比較して今期を腐すような見方は不愉快なので私は反対であり、あくまで内容で比較したい。確かに今期は人気作品に乏しい不人気クールだが、不人気クールだから作品のレベルも低いとは限らない。ちゃんとトップクラスの作品は他のクールのトップクラスに遜色無いほど素晴らしい作品が揃っています。そういう観点で見れば、今期のSランクだって前クールのSランクとそう大差は無い。と、そう言いたかったんですけど、さすがにそこまで言うのは無理があるのは認めざるを得ません。

前クールと大差無いと言えるには「虚構推理」「ヴィンランドサガ」「ツルネ」「ツンリゼ」あたりが全部Sランクに上がってくるのが大前提ですが、さすがにそこまで上手くいくとは思えません。可能性の高いのは「虚構推理」ぐらいのものであり、残りはあくまで希望的観測です。それに、仮にそうなったとしてもA+ランク以上の作品数や、A-ランク以上の作品数の少なさは歴然としており、やはり今期は不作クールであり、Sランク作品も少なめであることは認めざるを得ないでしょう。

ただ、それでもトップクラスの作品の質については決して他のクールに劣るものではないのは事実であり、不人気クールだからトップクラスの作品の質も低いというのは歪んだ見方と断言してもいい。特に現状Sランクの4作品はかなり厳しめの基準で選んだ作品なので、どの作品もここまでの内容のレベルが高くて、正直言ってなかなか甲乙つけ難く、現時点のSランク内4作品につけた順位はあまり確信の持てるものではない。また、4作品ともに終盤もかなり盛り上がりそうなので、今後の動向の予想は非常に困難で、最終的にどう転ぶか全く予想がつかない。ただ間違いなくこの4作品のどれがが1位になるでしょう。

まず「TRIGUN STAMPEDE」は過去の名作のリメイク作品なので旧作を知っている層からは嫌われているみたいだが、私は旧作も原作も知らないので普通に楽しませてもらっている。序盤は世界観や設定が謎だらけでよく分からず、ただ作画やアクションの素晴らしさ、そして主人公ヴァッシュのキャラの魅力に惹きつけられて観ていた作品でした。ただ序盤から一貫して各エピソードの構成が巧みで完成度が高かった。中盤で魅力的なサブキャラのウルフウッドの加入もあり、そうして話が進むにつれて世界観も徐々に明らかになっていき、最新話では遂にヴァッシュの過去話で壮大な世界観が明確となり、そこから終盤の最終決戦へ突き進んでいくことが予想できるようになった。Sランク4作品の中では最も序盤が不透明感があったので一応4位ということにしているが現状は全く差は無い。終盤はかなり盛り上がりそうなので逆転して1位を獲っても全くおかしくはない。

「メガトン級ムサシ」はもともとは前クールの作品なのだが放送延期を繰り返して最終話が3月後半になってしまったので今期の作品として扱っている。そういうわけで現時点で残りは2話だけであり、大部分が放送済みの作品です。壮大なスケールのロボット戦争モノで、やや子供向けっぽい作風だが扱っているテーマはかなり重厚で感動的な人間ドラマが展開される。ロボットアクションもケレン味たっぷりで永井豪イズム溢れる躍動感あるもので見応えがある。全15話のうち序盤5話は溜め回だったがその後はずっとスパートをかけており、現時点で既に最大の盛り上がりの場面に突入しているが、残り2話は更にギアを上げてくると思われる。おそらく第3期に続くので完全なクライマックスではないが、かなりクライマックス感は出してくるだろう。「ムサシ」と「不滅」がやや早めに最終話になるので、まずいずれかが暫定1位となって残る2作品の最終話を待つ形になるでしょう。

「不滅のあなたへ」は前クールからの連続2クール作品の後半クール分の10話分であり、非常に深いテーマを描いた壮大な物語であり、物語としての全貌は未だ謎の部分は多いが、各エピソード内で描かれる緻密な人間ドラマを堪能するだけで高い満足感を得られる作品です。それゆえ、クール前半はレンリル攻防戦前の溜め回が続き、クール後半はレンリル攻防戦の壮大なスペクタクルが怒涛の勢いで展開されているが、どのエピソードも人間ドラマとしての完成度が非常に高くて、コンスタントに楽しめる内容となっている。また救いの無い鬱展開やホラー展開を楽しめるのもこの作品の他にはなかなか無い味わいでもある。また謎が多い作品なのでミステリーとしても完成度が高い。これでもまだクライマックス前であり、残る2話が最大の盛り上がりとなるはず。おそらく早めに終わる「不滅」と「ムサシ」がまず一騎打ちでどちらかが1位となって残り2作品の最終話を待つことになる。

そして現状で1位の「もういっぽん!」は、Sランクの残り3作品がいずれも壮大なスケールの大河ドラマ風である中で、最もスケールの小さい作品で、高校の柔道部を舞台としたごく普通の女子高生たちの青春部活モノです。Sランクの他3作品のような派手さやスケールの大きさも無く、キャラの美麗さや萌えなども大して無い作品であり、ただひたすら地味でありきたりな柔道部の部活動に打ち込む女子たちの姿を丁寧な脚本と演出で描いているだけの作品です。ただ、それが極めて緻密で重層的に各キャラの群像劇が1つに繋がって描かれており、その作劇の見事さが他の作品から頭1つ抜けており、その結果、毎回必ず深く感動できる作品となっている。現状でSランクで全話感動出来ているのはこの作品だけであり、それゆえ現状この作品が1位になっている。だが他の3作品はさすが大作なので終盤に近付くにつれて1話ごとの破壊力を上げてきており、このままいけば「もういっぽん」のスケールの小ささは不利となると思われる。終盤の焦点は他3作品の猛追から「もういっぽん」が逃げ切れるかどうかということになるが、そのためには現状の丁寧さを維持しつつ、ここからの金鷲旗編を更に盛り上げて最後に感動的に締めることが必要になるでしょう。

 

しかし、それにしても現状Sランク作品の4作品のうち、1つは過去作のリメイク、1つは実質は前クール作品、1つは前クールからの継続作品で、今期の純粋な新作といえるのは「もういっぽん!」だけという状況は確かに寂しいものはあります。今期の収穫は「もういっぽん!」だけみたいなものですからね。

例えば近年の不作クールとして名高い2021年夏クールでも目立った収穫は「かげきしょうじょ!!」だけみたいな状況でしたが、あの時以上の不毛な状況だといえます。「かげきしょうじょ!!」はかなりの名作だったんですけど、クール自体があまりに盛り下がってしまった結果、せっかくの名作でありながらあまり話題にもならなかったのは勿体なかった。名作が多すぎる豊作クールでも埋もれてしまう作品というのはありますけど、不作クールゆえに埋もれてしまう作品というのもあるんですよね。「もういっぽん!」も作風も含めて何となく「かげきしょうじょ!!」と似たものを感じます。