2023冬アニメ 2月6日視聴分 | アニメ視聴日記

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日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年冬アニメのうち、2月5日深夜に録画して2月6日に視聴した作品は以下の1タイトルでした。

 

 

不滅のあなたへ シーズン2

第15話を観ました。

今回はいよいよレンリル攻防戦が始まり、序盤戦から戦いが佳境に入っていくところまでが描かれました。全体的にはフシの特殊能力を使った独特の戦い方や、それをすり抜けてくるノッカーの執拗な攻撃に更に立ち向かっていく熾烈な戦闘が描写され、戦闘に次ぐ戦闘というエピソードでした。大事な仲間たちの死もあり、かなり悲劇的な場面も多かったが、この作品は基本的に悲劇なので、今回はまだ物語的には大きく盛り上がる場面ではなかったです。とりあえず、どんどん戦闘が激しくなっていくというのが描かれたのだといえます。重要キャラの死というのは普通は物語の大きな節目になるところですが、この作品は現状では「死者が生き返る」ということが前提で物語が進行しており、その事実に主人公のフシは未だ気付いていないという状況がドラマのキモになっており、重要キャラの死というのは、その事実をフシが知るという決定的な転機を描くための前フリという扱いになっている。そういうわけえで今回はあくまでフリ回だったのだが、戦闘描写が独特で面白くて見応えはありました。

まず前回のラストシーンがマーチが200年ぶりに生き返るという衝撃的場面で終わったのだが、その後のマーチの動向は今回はそれほど多くは描かれず、花畑で目を覚ましたマーチが呆然としているところを偶然通りかかった老人が見つけて、ちょうどノッカーとの戦闘が開始された時だったので一般人はそれぞれの家に避難しているようにという指示が出ており、子供が1人取り残されていることを心配した老人がとりあえず自分の家に連れていった後、マーチは何処かに出ていってしまったということが描写されただけでした。

マーチが喋る場面は描写されておらず、顔もロクに描かれませんでしたが、マーチを一時保護した老夫婦の言うには、マーチは「ふうちゃんは何処?」と言っていたらしい。そして「ふうちゃん」というのが「フシ」のことを指すということは老夫婦には伝わっていたようですが、どうやらレンリルの数十万人の人口のうち、フシが共に戦っているということを知っているのは直接戦闘に参加している兵士や市民兵や一部市民しか知らないようで、老夫婦は「フシ」と聞いてもベネット教が異端認定した伝説の不死身の悪魔というぐらいの知識しか持っておらず、マーチが何を言っているのか理解出来なかったようです。

しかし、このマーチの断片的な言葉から、生き返ったマーチが果たして幽霊だった200年間の記憶を持っているのか、それとも200年前に死んだ時以前の記憶しか持っていないのか、どちらなのかはハッキリとは分かりません。以前にフシが生き返らせたただ1つの先例であるアンナ姫の場合は死んだ後ちょっとの間幽霊だった間の記憶は生き返った後は残っていませんでした。だからマーチも200年間の幽霊時代の記憶は残っていないと見るべきなのかもしれません。生前のマーチはフシのことを「ふうちゃん」と呼んでおり、死の間際までフシの行方を気にしていましたから、生き返ったマーチがしきりに「ふうちゃんは何処?」と言っているというのは辻褄が合います。ただ、死後もずっとマーチにとってフシは「ふうちゃん」だったのであり、フシともずっと一緒にいたのであり、それが現在生き返った場所にフシがいなければ「ふうちゃんは何処?」と探し回っても全く不自然ではない。だから今回描写されたマーチの言動だけでマーチの幽霊時代の記憶の有無を断定することは出来ません。

まぁマーチについてはそれぐらいで、今回はそれ以外は延々とフシ率いるレンリル防衛軍とノッカーの戦いが描かれました。まず前回のラストシーンでいきなり飛んできてレンリルの城壁に直撃して大きな衝撃を与えたものは何だったのかというと、それは大きな鉄球でした。城壁は大きく破損しましたが、既に城壁はフシの一部として生成されたものなので、フシの能力で修復されてすぐに元通りになります。そしてレンリル全体を感覚野にしているフシは施設の破損状況や人的被害の状況も瞬時に把握できる。それによると、最初の攻撃で誰も死んではいないとのこと。ノッカーの放った鉄球は城壁に激突して大きく揺らしましたが、それによって死んだ者はいなかった。いや、それどころか1人増えているということにここでフシは気付く。それはマーチのことなのだが、フシはそれがマーチだというように個々の識別までは出来ないし、そもそも自分の抜け殻を使って死人を生き返らせることが出来るということをまだ知らないので、それがマーチだと想像もしない。それでフシがどうして1人増えたように感じるのだろうかと一瞬不思議に思いますが、ノッカーの次の攻撃がやってきて、それどころではなくなり、その増えた1人の話はフシはすっかり忘れてしまいます。だいたい、その後は1人増えたことなどどうでもよくなってしまうぐらい人がどんどん減っていく事態となってしまうのですから、そりゃフシとしてもそんなことは忘れるのが当然だといえます。

さて、このノッカーの第二次攻撃で、さっきノッカーがどうやって鉄球を飛ばしてきたのかハッキリと分かります。ノッカーは巨大な投石器で鉄球を飛ばしてきたのです。しかもそうした巨大投石器を大量に並べてどんどん鉄球を飛ばして城壁に当ててくる。しかし一体どうやって巨大投石器を調達してきたのかというと、ノッカーはそんなもの調達する必要は無いのです。以前にノッカーは木や岩のような自然物で自分の本体の周囲を覆って巨大なオニグマを作って動かしていましたが、それと同じ要領で、木材で自分の本体の周囲を覆って巨大投石器の形態にして、操作する兵士などおらずとも自分自身の意思で投石器を動かして鉄球を飛ばすことが出来るのです。しかもこの投石器はノッカーの意思で巨大なものを作ることが出来るので、これまでレンリルの人々が見たこともないほど巨大であり、そのぶん射程距離が長い。だから、城壁のかなり遠くから撃ってくる。一方、レンリルにある投石器はこれよりも小型なので城壁から撃ち返してもノッカー投石器には届かない。レンリルの投石器もフシはその形態を獲得しており、幾らでも生成は可能だが、フシは触ったものしか獲得できないので、どうしてもそれを超えた大きさの投石器は生成できない。結局、レンリル側の武器ではノッカーの投石器は攻撃できず、ノッカー側は敵の攻撃が届かない間合いから一方的に攻撃してくることが出来るわけです。

これがノッカー側が考えてきたレンリル攻略の必勝作戦だったようです。相手の反撃が届かない間合いから一方的に鉄球を命中させて城壁を崩し、更に街を破壊して敵の反撃能力を奪い、その後で一気に攻め込んでくるという作戦だったのでしょう。だが、さすがのノッカーもフシがレンリル全体と一体化しているとは予想していなかったようです。いくら鉄球を命中させてもフシがすぐに修復してしまうので城壁はビクともしません。こうなるとフシの疲労の蓄積で城壁の修復が出来なくなるまで鉄球を命中させ続けることになる。だが、フシはそんな根競べに付き合う気は無い。あらかじめ感覚野を城壁の外にまで拡大していたので、一気にノッカーの投石器のある場所まで感覚を広げて攻撃を仕掛け、投石器を全て破壊して、その本体となっていたノッカーを全部仕留める。また、当初から予想されていた水路からのノッカーの侵入も、取水口近くを警戒していたフシによって、取水口に迫っていた水中のノッカーを全滅させて阻止される。

こうしてノッカーの作戦は失敗に終わったかのように見える。だがそれは第一陣の攻撃が失敗しただけであり、ノッカーはまだまだ大量に攻めてきており、巨大投石器だってまた新たにたくさん作ってくる。一方でフシは予想以上に緒戦から疲労していた。それは予定外に城壁のはるか外にまで感覚を広げて投石器のノッカーを攻撃する羽目になったからでした。もともとレンリル全体と一体化するだけでもフシにはギリギリの状態だったので、そこから更に広げる羽目になったのは予想外に疲労の原因となってしまったのでした。ただ、そうしなければロングレンジからの巨大投石器の攻撃を受け続けることになり、それはそれでフシの体力を削ってくるわけだから、大局的に見ればノッカーの作戦が奏功したということになる。

そして更にフシにとって予想外の事態が生じる。取水口の外の水中の魚が全滅していることから、どうやらノッカーが自らの身体に毒物を含ませて、川の上流から毒を流してレンリルの水路の水を毒で汚染したことが判明したのです。慌てて水道の使用を禁止しますが、一足遅く毒で60人ほどが死んでしまい、遂に死者を出してしまったことにフシも衝撃を受ける。しかし問題の本質は毒による死者の数ではなく、もっと大きく深刻な問題でした。何故なら、これでレンリル内の水道は使えなくなってしまったからです。井戸水があるので当面はなんとかなるが、ノッカーとの戦いが長期化すると住民は干上がることになってしまう。ノッカーはすぐにレンリルが陥落しない場合も考慮して、レンリルが籠城作戦を出来なくなる手も打ってきていたのです。なんとも狡猾といえます。

こうなると川の中で毒を撒き散らすノッカーを全部退治して、その上で川の水を汚染されたものから使用可能な綺麗な水に作り替えなければならない。もちろんそんなことが出来るのはフシだけなので、その作業が終わるまではフシは川の方に集中する必要がある。これまでのように城壁の外のノッカーを攻撃しながらというのは無理がある。何故なら、川の上流まで、更にその川に水が流れ込む山野までも作り替えねばならず、それだけでかなりの広範囲になるからです。城壁の外はあらかじめ感覚野を拡大していたからすぐにノッカーを攻撃出来たが、この川の方まで感覚野を広げるなんてことは当初全く想定していなかったので、感覚野を拡大する作業から地道にやらねばならない。こんな戦闘が始まった急場でそんな悠長なことをやるのはどう考えても非効率的であり、既に緒戦で疲れていたフシの負担も更に大きなものになるのだが、それをやらなければレンリルの住民は干上がってしまうのだからやるしかない。

もちろんフシも川の水の作り替えをしながらレンリル全体の感覚野とも自分の感覚を繋げた状態を維持して状況は把握していくが、緒戦のように城壁の外のノッカーを直接攻撃することはもう出来ない。そうなるとノッカー側の巨大投石器からの一方的攻撃を城壁に受け続けることになってしまう。それはマズいので、こうなったらいっそレンリル側の兵器でも届く距離にまでノッカーを引き付けて戦おうということにした。そうすれば城壁側ではフシが戦えなくても兵士たちがノッカーと戦うことが出来る。どうやってノッカーを引き付けるかというと、レンリル側の兵器の射程距離範囲内の最も外側に新たな城壁を生成し、その外側からのノッカーの撃を無効化したのです。そうすればノッカーはその新城壁の内側に巨大投石器を出現させて撃ってくるようになる。そして、そうなればレンリル側の投石器や大砲でもノッカーを攻撃可能となり、対等な撃ち合いが可能となる。

こうして城壁を挟んでノッカー主力軍とレンリル防衛軍の激闘が繰り広げられることとなり、その一方で城壁の外の川の方ではフシと川の中のノッカーとの静かな戦いが繰り広げられると同時に、フシは川や山野に感覚野を拡大していくという局面となる。フシは川の中に立って微動だにせず、周囲をカムたち市民兵が囲んで、フシからレンリルに伸びる感覚野のロープを守る。こうして静かな時間が過ぎていき、市民兵たちはあまりの張り合いの無さに拍子抜けするが、実際はフシは各所でノッカーと暗闘を繰り広げて仕留めていき、それと並行して感覚野の拡大を最大速度で進めていくことは、フシにとって多大な負担となっていた。

それと同時に城壁の動向を感覚野を通じて把握していたフシは、じりじりと押されたレンリル防衛軍が遂にノッカーに防衛網を突破されてノッカーの侵入を許しそうになったのを感じ取り、慌てて城壁に置いていたサンデルの身体に意識を移し、ノッカーを撃退するのだが、そこで遂に力尽きて倒れてしまう。すると、ノッカーの投石器から放たれた鉄球が城壁の上に着弾し、その鉄球の中からノッカーが大量に現れて兵士たちに寄生し、ボン達は城壁の上で意識を失ったフシを守りながらノッカーとの白兵戦を余儀なくされることとなった。

それからしばらくしてフシが目覚めると、戦いは一旦収まっていて城壁の上のノッカーは撃退されていたが、フシは感覚野で多くの兵士の数が減っていることに気付く。更に鏡に向かってカイとハイロとメサールの姿に自分が変身可能になっていることを確認し、3人が死んだことを知って愕然とします。そうしてボンはフシによる川の水の作り替えは一旦中止として、フシの疲労回復のために感覚野を一旦城壁内に狭めることを決定します。

結果論としては、最初からそういう方針を徹底していた方が良かったのかもしれない。もともとフシの現状の能力ではレンリルの城壁内をカバーするのが適正だったのであり、城壁内を鉄壁にしていた方がノッカーは攻めあぐねたはずです。フシは自分の能力の限界を超えて城壁外のノッカーを攻撃したり、川の上流や山野にまで感覚野を拡大しようとして疲労を蓄積させて倒れてしまい、その結果、一時的にレンリルの防衛網は麻痺してしまい、その結果カイ達はじめ多くの兵士は死んでしまう羽目となった。最初から城壁を防衛ラインに設定してフシも健在の万全の態勢でノッカーを迎え撃っていれば、もっと被害は少なかったかもしれない。もちろん巨大投石器や川の毒を放置して城壁の守りだけに専念していれば、兵士や住民に被害や苦しみを与えることにはなったであろう。それをどうしても避けたいという想いがフシにあったからこそ、フシは無理をした。しかし、その結果、フシは倒れてしまい、より多くの犠牲を出すという大失敗をしてしまった。

結局、ノッカーの戦争目的は出来るだけ多くの人間を殺して、死による救いをもたらすことであり、フシは死が救いだという考えには同意できないゆえに、ノッカーによって出来るだけ多くの人が殺されない形での勝利にこだわった。だから戦力を温存しての消耗戦という発想にならず、能力の限界を超えた無茶をして自らの首を絞める結果となった。

こうして、フシとボンは「城壁を巡る白兵戦」という原点に立ち返ることとなった。そしてボンは戦いはまだこれからだと言い、フシにカイとハイロとメサールのことを想い出させて、それによってフシにカイとハイロとメサールの抜け殻を作らせる。これはもともとボンがフシと打ち合わせていた通りに、フシの身体の新たなスペアとして3人の身体を用意しておこうという意味だとフシは捉えているが、ボンはフシが抜け殻を使って死人を生き返らせることが分かっていて、本当はそのための要員としてカイとハイロとメサールを連れてきていますから、いよいよそれを実行すべき時が来たと思っているのでしょう。しかしフシは激昂して城壁の上での兵士たちとノッカーの戦いに乱入していき、ノッカーを殲滅しようとする。ここで今回は終わりとなり、次回はいよいよカイとハイロとメサールが生き返ることが出来るか否かがハッキリすると思われます。また、行方不明となったマーチの動向も描かれるかもしれず、いよいよ佳境に入ってきたレンリル攻防戦の行方も気になります。今回はこれでもフリの回でしたが、次回はもっと盛り上がるはずですが、まだまだ辛い展開が続きそうですね。