2026年冬アニメのうち、3月12日深夜に録画して3月13日に視聴した作品は以下の2タイトルでした。
エリスの聖杯
第10話を観ました。
今回を含めて残り3話となりました。今回は冒頭は第1話でコンスタンスを陥れようとしてコンスタンスに憑依したスカーレットに返り討ちに遭い精神を病んで引きこもっていたパメラのもとに謎の老人が訪れてコンスタンスに復讐するよう唆す場面から始まりますが、この老人は声からすると、どうやらダェグ・ガルスの構成員であるルーファスの変装みたいです。もともとデボラの査問会にコンスタンス告発の手紙を送ったりしているところから、パメラはもうすっかりダェグ・ガルス側の都合の良い駒のように扱われているようです。
そして本編が始まると、前回のお話の続きから始まる。前回コンスタンスが手に入れた裏帳簿が証拠となってサイモン・ダルキアンは公文書偽造罪で逮捕され、妻のデボラも人身売買やジャッカルの楽園の密輸に関与していた疑いで修道院に送られたという。これでダルキアン家は力を失い、アデルバイド王国内でダルキアン家を後ろ盾としていたダェグ・ガルスには大打撃となったと思われる。なおコンスタンスに裏帳簿を渡してダェグ・ガルスの刺客たちと戦っていたキンバリー女史は怪我をしたものの無事だったようです。
これでダェグ・ガルスのアデルバイド内の勢力は減退したはずですが、まだダェグ・ガルスの手先は政府内にも多く存在しており、それに今はアデルバイドはファリスによる侵略戦争の危機の状態にあり、戦争によって現在の体制が打倒されてしまうと再びダェグ・ガルスの天下となってしまうでしょう。まずは戦争を止めねばならず、そのためにこそサイモン・ダルキアンを逮捕してファリスのユリシーズ王子の監禁場所を聞き出して王子を救出しなければならない。このままだと「ユリシーズ王子をアデルバイドに誘拐された」という口実でファリスが戦争を仕掛けてくるからです。
だがサイモンはユリシーズ王子の監禁場所を知らなかった。ならば自力でユリシーズ王子の監禁場所を突き止めるしかない。そこでスカーレットが「ダェグ・ガルスの関係者に港の持ち主はいないのか?」と質問してくる。ユリシーズ王子を誘拐した実行犯のサルバドルという男はケイトの目撃証言では褐色の肌のいかにも外国人という風体だったという。それなら街中で歩いていれば目立つので目撃証言が出てきそうなものだが、目撃証言は無い。それはつまり「基本的にはサルバドルは普通の街中ではなく外国人が多く出入りするような場所に居る」ということになる。それはつまり貿易港のような場所だ。サルバドルはユリシーズ王子を見張っていなければいけないので、そうなると王子も貿易港の付近、たとえば倉庫とか、そういう場所に監禁されているのではないか。そうした監禁場所として使える倉庫を貿易港に所有しているダェグ・ガルス関係者を洗えば、王子の監禁場所は絞り込めるのではないかとスカーレットは言うのです。
すると、例の仮面舞踏会で転倒して負傷したキアラ・グラフトンはダェグ・ガルスの仲間であったが、彼女の家は埠頭を所有しており、そこには倉庫のあるはずだとランドルフは言う。そこで調べに行くことになったが、コンスタンスも同行するという。ランドルフとしては危険な展開になる可能性もあるのであまり歓迎できないところだったが、いつも「1人で行動するな」と言っているのに勝手に1人で行動するコンスタンスを1人で残しておいた方がむしろ危なっかしいので自分を納得させる。
ただランドルフは馬車の中でコンスタンスに向かって、そうした「コンスタンスを監視する」という役目ももうすぐ終わりだという話をする。コンスタンスが危険なことをするのはスカーレットの「復讐」を手伝っているからです。スカーレットを刑死させた黒幕は父であるカスティエル公爵であったことは判明したが、公爵にそうした苦渋の決断をさせたのはファリス王国の「エリスの聖杯」という侵略戦争の陰謀であった。だからスカーレットの「復讐」はまだ終わっていない。ファリスの「エリスの聖杯」計画を暴き、ぶっ潰すことでようやくスカーレットの無念は晴れるといえます。そして、それはユリシーズ王子を救出して「エリスの聖杯」計画を頓挫させ、それを企んだ人間を明らかとすることで達成される。
この馬車の向かう先にユリシーズ王子が居ればそこで達成される。もし今回達成出来なかったとしても近いうちに達成されるはずだ。いや達成されなければ戦争が始まってしまうのだから、絶対に達成させねばならない。だから「もうすぐスカーレットの復讐は終わる」という心づもりでランドルフもコンスタンスも動いている。だが、そうなるともうコンスタンスはスカーレットのために危険な行動をする必要も無くなり、元の平穏な生活に戻ることになる。そうなればランドルフはコンスタンスを監視する必要が無くなり、見せかけの婚約者を続ける必要も無くなる。
だから「婚約関係を解消する手続きの準備をする」とランドルフは言う。もちろんコンスタンスに非が無い形で解消して、コンスタンスの経歴に傷がつくことの無いようにするとのこと。ランドルフとしては「コンスタンスを監視する」という目的以外に「結婚をしたくないから見せかけの婚約者が欲しかった」という理由もあったのだが、もともとこの婚約は孤立無援だったコンスタンスに手を貸してやるという条件で結んだ契約であったので、ランドルフがコンスタンスの「弱みに付け込んだ」という形になっている。スカーレットの復讐が終わる以上、コンスタンスにとってはその「弱み」が無くなるわけだから、ランドルフがコンスタンスの弱味に付け込んで「形だけの婚約者」を演じさせていたという状態も自然解消されるのが当然の流れであった。
確かに始まりはそういう形であった。しかし現在はコンスタンスはランドルフを慕っており、もう彼女自身の心情としては「形だけの婚約者」のつもりではなくなっていた。だから婚約解消というのは寂しい。もちろんランドルフが自分のような冴えない家柄も低い女を本気で好きになるはずはないとは思っているが、それでもランドルフが「結婚したくない」という事情を抱えているのなら、自分ならばそんなランドルフの傍に居ることは出来るのではないかと自負してはいた。
ランドルフが結婚をしたくない理由は、王家の闇の処刑執行人のような役割を果たす家柄ゆえに「普通に女性と結婚して幸せにすることが出来ない」というコンプレックスがあるからだった。コンスタンスはそのことを先日知ったのだが、その際に「自分ならばそんなランドルフを受け入れることが出来る」という気持ちは伝えたつもりだった。それに対してランドルフも素直に応じてくれていたので、コンスタンスは「本当の婚約者ではなくて形だけでも2人の婚約関係は続けていけるのではないか」と淡い期待を抱いていた。
だがランドルフは朴念仁なので、そうしたコンスタンスの想いを「友情」と解釈していた。血で染まった家系の男のことを本気で好きになる女性など居るはずがないと思っていたので、あくまでコンスタンスが友人として自分の傍に居て支えてくれようとしており、そのために自分の幸せを犠牲にして「形だけの婚約者」を演じ続けようとしてくれているのだと解釈しており、それはコンスタンスの未来のために良くないと思っていた。本当はランドルフもコンスタンスと離れたくはなかったのだが、自分の事情にこれ以上若いコンスタンスを付き合わせるべきではないと我慢した。
コンスタンスはランドルフが自分の気持ちを受け入れて婚約関係を続けてくれるのかと期待していたのでショックを受け、このままランドルフが孤独に生き続けるつもりなのかと心配になり「閣下はどうするんです?」「結婚はしないの?」と問う。それを聞いてランドルフはコンスタンスとならば今の関係を続けていけるのではないかと思いつつ、それは口にすべきではないと思い、感情を押し殺すように「しない」「相手を幸せに出来る自信がない」と腕組みしてコンスタンスから目を逸らしたまま答える。それでコンスタンスも「自分ではランドルフの力にはなれなかったのだ」と落胆して黙り込んでしまう。そうした2人の遣り取りを見てスカーレットは「バカな男ね」とランドルフに呆れる。どうしてコンスタンスの恋心に気付いてやれないのか。しかしコンスタンスにそうした指摘を伝えて言わせるわけにもいかないのでスカーレットとしても打つ手なしであった。
そうしてグラフトン家の所有する埠頭の倉庫に到着するが、鍵が閉まっていて中には入れない。中から物音もしない。そこでスカーレットが浮かび上がって窓から中の様子を窺うと、中には何者かが居た形跡があったが、もぬけの殻となっていた。そこに突然にランドルフとコンスタンンスが襲撃を受けた。手榴弾が投げ込まれ、複数の人間からの銃撃も受けた。慌てて物陰に隠れてランドルフは反撃するが、どうやらランドルフ達が接近してくるのに勘づいて待ち伏せしていたようだ。
つまりダェグ・ガルスがこの倉庫を見張っていたのであり、やはりこの倉庫にユリシーズ王子が監禁されていたみたいです。中に人が居た形跡があったのも王子を監禁していた形跡なのでしょう。おそらくランドルフ達がやって来るのに気付いて、サルバドルは慌てて王子を袋にでも詰めて別の出口から逃げて行ったと思われ、配下の連中が待ち伏せしてランドルフ達を攻撃してきたようです。
完全に囲まれてしまっていたので、ランドルフはコンスタンスを逃がすために自分が囮になると言い出す。そうして自分が敵の注意を引き付けている間に逃げるようにとコンスタンスに言い、スカーレットにもコンスタンスを頼むと言い残し、ランドルフは隠れていた場所から飛び出して1人で駆けまわって敵と銃撃戦を繰り広げる。コンスタンスは慌ててランドルフを追いかけようとしますがスカーレットに止められる。
一方追い詰められたランドルフはいよいよ最期かと覚悟を決めるが、そんな状況でも頭に浮かぶのは「グレイル嬢は無事に逃げ延びただろうか?」とコンスタンスを心配する考えばかりだった。自分の命が危ないというのにコンスタンスのことばかり考える自分に苦笑するランドルフであったが、いよいよ最後の突撃をかけようという時、敵に対してスカーレットの雷撃が炸裂して戦力が大きく減り、その隙を突いてランドルフは窮地を脱して反撃に転じて勝利することが出来た。
実はスカーレットはランドルフが危ない状況でコンスタンスがあまりに狼狽して動けなくなっていたので、いっそランドルフを加勢した方がマシだと思って参戦していたのです。コンスタンスは自分が動けないせいでスカーレットに無理をさせてしまったのではないかと更に狼狽して最初の隠れていた場所に1人で突っ立っていましたが、そこにスカーレットが戻ってきて、次いでランドルフも戻ってきて「逃げろと言ったはずだが」と説教しようとするが、コンスタンスはランドルフに縋りついて「このバカ閣下!」と怒鳴り「あんな状況で閣下を置いて逃げられるわけないじゃないですか!」と詰る。
しかしコンスタンスが泣いているのでランドルフがどうして泣いているのか尋ねるとコンスタンスは「怖かったから」だと答える。「怖かったのなら逃げれば良かったじゃないか」と指摘するランドルフに対してコンスタンスは「あなたが死んじゃうと思ったから怖かったんです!そんなことも分からないのか!この大馬鹿野郎!」と、とことん鈍いランドルフへのいら立ちを爆発させる。それでランドルフもようやくコンスタンスが自分を愛してくれているのだと気付き、これまで自分の無神経な発言でコンスタンスを何度も傷つけてきたのだと悟り反省する。
その上でランドルフも自分の気持ちに正直になる覚悟を決め、コンスタンスの涙を拭く手に触れ、「俺も怖かったんだ」「君を失うかと思って」と正直に打ち明け、自分が無茶な行動をとってコンスタンスを怖がらせてしまったのは確かに無神経な行動ではあったが、それは大切なコンスタンスを失うのが恐ろしくて、それならいっそ自分が死んだ方がマシだと思ってしまったからなのだと説明する。そして、結局2人とも相手を大切に想うあまりに失うのが怖くなって自らを危険に晒してしまったという点では同じだったのだという意味で「同じだな、コニー」と、初めてコンスタンスを「グレイル嬢」ではなく親愛を込めて「コニー」と呼んだのでした。
その上でランドルフはコンスタンスの手をとって「許されるなら、君と共に人生を歩んでいきたいんだ」と言う。コンスタンスに自分と共に人生を歩ませるということは不幸にするということであり、ランドルフはそんなことは許されないと思っている。しかし、それに対してコンスタンスは「私が許します」と応じる。自分が不幸になることをコンスタンス自身が許すというのだから、他の誰がそれを許さないと言ったとしても何の意味もない。だからランドルフは何も気にすることなく自分と共に人生を歩んでくれていいのだとコンスタンスは言うのです。そして、それでもランドルフを非難する人間がいたとしたら「ひっぱたいてやります」とコンスタンスが笑うと、ランドルフは「君はすごいことを言う」と驚きつつ「是非そうしてくれ」と応じて、こうして2人の恋は成就したのでした。
一方、修道院を脱走したデボラがアビゲイルへの意趣返しに姪のルチアを誘拐するという事件を起こすが、サルバドルがデボラを修道院に戻してしまう。それも散々に痛めつけてロクに喋れない状態にして。どうやらユリシーズ王子を隠すために憲兵局の注意をデボラに向けさせておく方がサルバドルには好都合みたいであり、デボラの個人的な復讐など余計なことみたいです。そういうわけでサルバドルはルチアを一旦は解放したのですが、ルチアがユリシーズ王子の存在に気付いたためにサルバドルはルチアを返すわけにはいかなくなったようで、ユリシーズと共に連れ去ってしまったみたいです。サルバドルは「子供を殺さない主義」と言っているので、おそらくルチアを殺してはいないと思います。
また、グラフトン領の埠頭の倉庫を検分してみたところ、ユリシーズに提供されていたと思われる食事も残されていたことから、ユリシーズ王子が殺されてはおらず生存していることも明らかとなった。そのことについてファリス反戦派のサン達が不審に思う。ユリシーズは「アデルバイドに誘拐された」という戦争の口実にさえなればいいはずだから、生死はどっちでもいいはず。ただサン達がファリスにおける黒幕だと睨んでいる第4王子のテオフィリスが主犯だとすればユリシーズは殺されるはずだとサン達は睨んでいた。何故なら王族内での血の濃さではテオフィリスとユリシーズが共に抜きん出ており、テオフィリスから見てユリシーズは邪魔者のはずだからです。だから戦争の口実にするついでに命も奪うはず。だがユリシーズが殺されていないということは、黒幕はテオフィリスではないことになる。そうなると王位継承権を放棄していない第2王子のロドリックが怪しいということにサン達は気付いた。
一方、ランドルフとコンスタンスを襲ったダェグ・ガルスの下っ端たちの使った爆薬がメルヴィナ共和国から不正に輸入されたものだったことが判明した。この件についてアデルバイドのエルンスト王がメルヴィナを非難し、この件を不問とする代わりに貿易協定を結ぶよう要求することになった。これはつまり、もうメルヴィナはファリスに武器弾薬の提供が出来なくなり、代わりにアデルバイドには武器弾薬を融通するようになるということです。これによってファリスはアデルバイドとの戦争で不利な立場となる。要するにエルンスト王は埠頭での事件を利用してメルヴィナを揺さぶりファリスを牽制して開戦を断念させようとしているのです。既にファリスはかなりの武器弾薬を備蓄しているので短期決戦は十分に出来るでしょうけど、もし戦争が長引けばファリスが不利になる可能性が生じたわけで、これはファリス内の反戦派を勢いづかせる効果はありそうです。
つまりエルンスト王はアデルバイド内のダェグ・ガルスの手によってメルヴィナ産の爆薬が不正輸入されているという情報を既に掴んでおり、それが使用されるのを待ち構えていたのです。リリィの手紙にも記されていたようにセシリア王太子妃がメルヴィナの爆薬の不正輸入の手引きをしていたのであり、どうやらエンリケ王太子がセシリアがダェグ・ガルスの一員だと分かった上でわざと王太子妃にして傍に置いて監視して、そうした不正を全て把握していたようです。把握しても罰することは出来なかったし、あえて罰することもせず、泳がせてこうしてメルヴィナへ圧力をかける口実を作ってくれるのをじっと待っていたみたいです。これはセシリアの失態であり、この結果「エリスの聖杯」作戦は失敗の可能性が上がってしまった。ただ、それでもセシリアやルーファスらはエンリケに毒を盛って動けなくしておいて「エリスの聖杯」を強行するつもりみたいです。
そのために「邪魔者は片付けておく」という意味でセシリア達が仕掛けてきたのが、コンスタンスをユリシーズ王子誘拐犯として逮捕するという工作であった。これが冒頭の場面でダェグ・ガルスがパメラを唆してやらせたことであり、どうやら冒頭の場面は時系列的には埠頭の事件の後だったようですね。つまりダェグ・ガルスは埠頭の銃撃戦に居合わせたコンスタンスとランドルフをユリシーズ王子の誘拐犯だと冤罪で陥れようとしたわけです。埠頭の倉庫にユリシーズが監禁されていたのは間違いなく、それならその場に居合わせた2人が怪しいというわけです。
これに根拠を与えたのがパメラでした。パメラは「グラフトン領の埠頭でコンスタンスを見かけた」と憲兵局で証言したのです。しかもその前にコンスタンスと会い「グラフトン領の埠頭で貴方を見かけたような気がする」と言ったところ否定されたのだとも証言した。これは確かに事実であり、コンスタンスは音信不通だったパメラがいきなり現れてそんなことを言ってきたので、つい反射的に「人違いじゃないかしら」とはぐらかしていたのです。パメラはコンスタンスがはぐらかすというのは計算のうちで、それを利用して「コンスタンスが嘘をついて隠そうとした」と証言して、ますます怪しいという印象操作を行ったのです。
実際はコンスタンスが埠頭に居たのは憲兵局では周知のことだったので「コンスタンスは怪しい」という印象になってしまった。ただコンスタンスもランドルフも「ユリシーズ王子を探していたら襲撃された」と証言はしており、パメラが嘘を言っている可能性も十分ある状況なのだが、パメラの取り調べをしたのがダェグ・ガルスに内通しいている憲兵のゲオルグであったので、パメラの発言は全て真実とされ、一方的にコンスタンスが怪しいと見なされてコンスタンスはゲオルグによって逮捕されてしまった。
ただダェグ・ガルスはコンスタンスを「邪魔者」と見なしているわけではない。あくまで動きを封じたいのはランドルフの方です。このままランドルフを自由にさせておくとユリシーズ王子を見つけ出してしまうかもしれない。それを避けるために婚約者のコンスタンスを誘拐犯に仕立てあげてランドルフのことも共犯の容疑者として取り調べて、自由に動けないようにしようとしているのだ。コンスタンスが犯行を否認することは予想していたので「それなら共犯の可能性があるランドルフを調べなければならない」というように話を持っていこうというのがダェグ・ガルスの目論見でした。
だがコンスタンスはそうしたダェグ・ガルスの思惑を理解し、なんと「自分がユリシーズ王子を誘拐しました」とあっさり認めてしまい、ランドルフは無関係であり「ダェグ・ガルスという犯罪組織を後ろ盾にして誘拐した」ととんでもないことを暴露してしまった。これで「ユリシーズ王子の誘拐はダェグ・ガルスの仕業」という真実がバレてしまったことになる。こうなるとゲオルグはこれ以上コンスタンスを取り調べることが出来なくなった。下手に喋らせると何を言い出すか分かったものじゃないからです。しかもコンスタンスは犯行は完全に認めており、ランドルフは誘拐事件に無関係だと言い、ランドルフとの婚約も破棄してしまった。こうなるとランドルフを拘束して調べる口実も無くなってしまう。
こうしてダェグ・ガルスの目論見は失敗に終わってしまい、コンスタンスの供述を信用するならば「未だ行方不明のユリシーズ王子はダェグ・ガルスによって何処かに監禁されている」ということになるが、そんな「真実」は不都合すぎるので黙殺され、犯行はコンスタンスの単独犯であり、犯人は逮捕されたが被害者のユリシーズ王子は行方不明という奇妙な状況で幕引きということになってしまう。そうして強引に話を纏めてしまい、その間に開戦してしまおうということになる。
つまりダェグ・ガルスの企みを阻止するためにコンスタンスは犯罪者となり、ランドルフはせっかく初めて心から一緒になりたいと思えた婚約者を失ったということになる。そしてユリシーズ王子の誘拐がアデルバイド人によって行われたということで、未だファリスがアデルバイドに戦争を仕掛ける口実は生きており、それを阻止するためにはコンスタンスの犠牲で自由を得たランドルフがユリシーズ王子を開戦までに見つけ出すしかない。
そんな状況下でランドルフは牢屋にやって来てコンスタンスに婚約破棄について抗議する。コンスタンスの考えは理解できる。こうして自分が自由に動けるようになることが開戦を阻止してアデルバイドを救うために必要なことだと分かっている。だがそれでもこれまで人生において自分が結婚してもいいと思えた初めての相手であるコンスタンスから婚約を破棄されたということが、たとえコンスタンスの本心を分かった上であっても、ランドルフの心を大きく傷つけていたのだ。
そんなランドルフに向かってコンスタンスは、もしも全てが終わって皆で笑い合える時が来たらランドルフのもとに押しかけて、その手を掴みに行きたいと思っていることを伝える。するとランドルフは「それは難しいだろうな」と応える。それは「笑い合える日が来る」のが難しいという意味ではなく、「押しかけること」が難しいという意味です。何故ならコンスタンスがランドルフのもとに押しかけるよりも前に、全てが終わったら真っ先にランドルフの方がコンスタンスのもとに押しかけてプロポーズをするからなのだという。そうして2人は鉄格子越しに約束のキスをして別れますが、婚約破棄して他人同士の関係なので唇でのキスではなくランドルフがコンスタンスのおでこにキスをしただけに止めました。
しかし、エルンスト王がメルヴィナに行き不在の上にエンリケ王太子が毒を盛られて寝込んでしまっている状況で代理の王として玉座に座る第二王子のジョアンに対してルーファスがジョアンの娘を人質にとって「ファルスによる開戦を止めるためにはユリシーズ王子誘拐犯のコンスタンスの公開処刑という見せしめが必要」と迫る。これは一体どういう意図なのか。ダェグ・ガルスはコンスタンスを処刑すること自体はどうでもいいはず。あるいはコンスタンスの命を盾にランドルフに何か取引を持ち掛けるつもりなのかもしれません。そういうところで今回のお話は終わり、次回に続きます。
勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録
第10話を観ました。
今回を含めて残り3話となりました。今回は前回のお話の続きで、ヨーフ市でザイロ達は待機を命じられる。フェアリーと手を組んだ共生派の狙いがテオリッタと判明し、危険なので街に出ることは出来ずテオリッタはつまらなさそうです。一方でキヴィアは前回セドリックが言い残した「マハイゼル・ジエルコフ」という共生派の名前に心当たりがあるようで悩んでいる様子。そんな中、ライノーという懲罰房に入った勇者を出獄してくるが、どうも薄ら笑いを浮かべて綺麗ごとばかり言う胡散臭い男で、自ら志願して勇者となった変わり者みたいです。
そこに敵襲があり、フェアリーが港の塔を占拠しているというが、それは囮だとザイロとライノーは判断します。しかし民間の街区の防衛は勇者部隊に押し付けられて聖騎士団は貴族の街区を守るために城壁の奥に残ることになり、勇者部隊は圧倒的に人手が足りない状態となる。それに対してライノーは城壁を砲撃で破壊して貴族の街区にもフェアリーを侵入させれば全軍一丸で戦えるなどとムチャクチャな提案をする。「苦しみや痛みは皆で共有して絆を結んでいくからこそ人間は素晴らしい」とか綺麗ごとを言ってますが完全にサイコパスです。
ザイロはその案は「民間人を危険に晒す」という理由で却下しますが、港に停泊している貴族の財産を積んだ船を砲撃するようライノーに命じます。それなら城壁内の民間人の被害を出すことなく、貴族の財産を守るために聖騎士団も城壁外に出撃して来ざるを得なくなるからです。その一方でベネティムは船が襲われたのを口実にジェイスのドラゴンの使用許可を願い出るが、マーレン大司祭の名を出したところキヴィアの怒りを買い、慌てて地下通路の閉鎖の話に切り替えて誤魔化しますが、どうもキヴィアは叔父のマーレンだ疑われていると誤解して感情的になったようです。どうもキヴィアは叔父のマーレンを共生派だと疑っているのかもしれません。
戦場ではフェアリーが聖印を扱って攻撃してくるという予想外の事態も生じる。どうやら共生派の連中が使い方を教えたようです。これをライノーが撃破しますが、その際に民家も吹っ飛ばしてしまう。また地下通路の防衛線にはブージャムが現れて騎士たちを虐殺して侵入してくる。そんな中、キヴィアは叔父マーレンの言葉を聞き何か深刻な顔になる。そういうところで今回のお話は終わり、次回に続きます。
















