私は金属や鉱物の類が好きです。

 

貴金属たる金銀プラチナ等も当然好きです。

 

刀やナイフが好きなのも「武器が好き」というだけではなくて「金属が好き」という面もあるのだと思います。

 

私は資産の9割以上を金価格ETFにつっこんでいます。

 

「金が好きだから」なのですが、安全面を考えると現物を自宅に保管するわけにもいかないのでETFにしました。

 

自営業が上手くいっている時には何も考えず生活費と当面の運転資金以外の資金は全額ETFを買っていました。稼ぎが多かったのでかなりドンブリ勘定でした。

 

コロナ前の話ですが、ずっと「日本は借金まみれなのでいずれハイパーインフレになる」「1ドル150円になる」と言って煽るような書籍が結構たくさんありました。アベノミクスで大量に円を発行していたからでしょう。

 

まさか本当に1ドル150円になるとは思っていませんでしたし、そんなに本気にもしていなかったのですがインフレ対策は必要かと思いました。それで有り金全部で金ETFを買っていたのです。日本はデフレでも世界はインフレなのだからインフレ分くらいは値上がりするだろうと思って。普通なら株を買うのだと思います。S&P500やオルカンのETFを。

 

 

 

↑でも、私は20代の時に株式相場にのめり込み色々と調べ漁り、その時に株式自体を信用できなくなってしまったので金にすることにしました。

 

当時は稼ぎが多かったので「相場で儲けよう」という気持ちはあまりなく、「インフレ対策になれば良い」という程度の考えでした。結果的にコロナ前の3倍近くになっていますが、これは予想外のことで幸運以外のなにものでもありません。今は稼ぎが少ないので全力で金価格上昇を祈っています。

 

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株式投資をしている人からすると「金は利益を生まない」という事で結構バカにする意見を昔はよく見かけました。有名な投資家ウォーレン・バフェットがそう言って金を嫌っているからかもしれません。

 

反対に「金好き」は陰謀論くさい話が好きな人が多くて、それはそれでどうかと思います。本気でドルが基軸通貨じゃなくなるとか日本経済や世界経済が崩壊するとか思っているのでしょう。こちらの人は金は現物で持っていなければダメだと言います。

 

コロナ禍の2020年の経験でいうと、むしろ現物はダメだと思いました。当時はまだ資金に余裕があって手元に現金があったので金の現物(100g)を一つ買っておこうと思いお店に買いに行きました。でも店が閉まっていたり予約制になってしまっていて買えなかったのです。予約も数日先まで取れないと言われました。もちろん買うだけではなく売る事もできません。金の現物を持っていてもコロナ有事の際には役に立たなかったわけです。反面、株式の売買はネットで普通にできましたのでETFの方が有事に強いのかもしれないと思いました。

 

もちろん、どちらが良いかは時と場合によるとは思うのですが。

 

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「金の信者」は結構狂信的な所があります。私もかつてそうだったのでよくわかります。でも、信者が信じるほどには金の未来は明るくもありません。もちろんドルが凋落して金本位制が復活したりもしません。

 

金を国家規模の通貨・資産と考えた時に一番問題になるのが市場の小ささです。

 

市場規模
米株 :51兆2762億ドル

米国債:27兆ドル

金  :0.4t兆ドル

 

流動性の面から金を主要通貨にする事はできません。金が基軸通貨だった時代とは経済規模が大きく異なるのです。資金量の調整が出来ないから、もう金本位制は無理なのです。もう無理だから1970年に金本位制をやめたわけです。

 

しかし、金が国際的には通貨として扱われている事は重要なポイントです。

 

↑各国中央銀行の保有外貨の比率

 

金は今でも通貨だけど、銀やプラチナは通貨ではないのです。各国の中央銀行は金を「外貨」として保有しています。しかし銀やプラチナは保有していません。通貨ではないからです。

 

ウクライナ戦争以降の流れとして、制裁としてドル決済からロシアを締め出した結果、ドルの信用がゆらぎ各国中央銀行がドルを売って金買いに動いています。おそらくこの流れは当面続くと思います。ただしドルの基軸通貨としての地位を奪うほどのものではありません。市場規模と流動性の問題から。

 

直近の動きとしてはトランプ当選によって金価格が急落しています。トランプの政策がどれも米国債の金利上昇をまねくものだからです。米国債の金利が上昇すると「金利がつかない金」は値下がりします。

 

個人的には泣きそうです。ハリスに勝って欲しかった・・・

 

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銀やプラチナが通貨ではないといっても、個人レベルでは値上がりすれば何でも良いという面もあります。

 

銀とプラチナは投資対象としてどうでしょうか。以下は個人的な考え。

 

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プラチナは投資・資産として最も購入してはいけない金属だと思います。

 

プラチナは金の1/20ほどしか採掘されず希少です。また宝飾品として日本人は世界的に見てもプラチナが好きな民族だといわれます。アクセサリーとして「金は派手で嫌い」という人は多いのではないでしょうか。価格を見るとすっかり値上がりしてしまった金と比べると割安に見えます。

 

しかし、もちろん価格が上がらないのにはそれなりの理由があるわけです。

 

 

 

かつてプラチナ需要の大半はディーゼル車の排ガス対策の触媒としてでした。現在でも需要の最多を占めます。今後の流れを考えるとディーゼル車の生産数が増えるとは考えにくいうえに、既存のディーゼル車を廃車にすればプラチナが採れるのです。価格が上がるはずもありません。プラチナは市場規模が小さいので何かで新たな需要が生まれれば暴騰する可能性もあるかもしれませんが、あまり期待できないでしょう。プラチナを使用しないといけないような技術が今後生まれたとしても、他の金属で代用する技術もすぐに考案されるはずだからです。プラチナは希少すぎて工業的には使いにくいはずですから。

 

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銀はプラチナと比べれば将来性のある金属かもしれません。ここ数年、銀価格は金価格とともに上昇を続けています。

 

 

銀価格は5年前の2.7倍になっています。

 

 

↑銀需要の約半数は工業用途。景気が良いと需要が増えます。工業用途の中で最多の需要は太陽光発電パネル。

 

ただし、銀は市場規模が小さいために乱高下しやすいという面もあります。かつてハント兄弟という人が世界の銀の半分を買い占めるという買占め騒動もありました。

 

市場規模

金:4000億ドル

銀:81.3億ドル

プラチナ:81.8億ドル

 

 

資産や投資として銀を買うのであればETF一択となります。銀の現物は売買手数料がとても高くなるためです。

 

ざっくりした計算ですが、1kgのインゴットを18万円で購入して同時に売却すると15万4千円になります。15%近く安くなります。

 

1オンス銀貨は手軽に購入できて便利なのですが、こちらは半額くらいでしか買い取ってもらえないようです。金貨であれば買値の9割以上の金額で買い取ってもらえるのですが。銀貨は資産や投資ではなくてあくまでもコレクターズアイテムなのです。

 

ちなみに、銀貨を売るならメルカリなどのフリマサイトで自分で売る方が良いです。9割以上の価格で売れる事も稀ではありません。ただしメルカリに手数料が10%とられます。

 

では買う時にもメルカリで買えば安く済むのか?

 

銀貨はメルカリでたくさん売られています。

 

でも、こちらは個人的にはあまりお勧めできません。

 

 

 

↑1オンスの銀インゴットをメルカリで購入した事があるのですが、鉄の臭いがするので磁石につけてみたらくっつきました。偽物だったのです。

 

 

 

↑懲りずにアメリカのイーグル1オンス銀貨を1枚購入した事もあります。こちらは本物だとは思うのですが、真贋はわかりません。全体的に若干黄色く見えます。少し古いものなので多少変色しているのかもしれません。

 

 

 

↑こちらはちゃんとしたコイン店の通販で買ったカナダのメイプルリーフ1オンス銀貨。発行年に購入した新品なのでとても綺麗です。上掲のイーグル銀貨と比べると結構色合いが異なります。

 

ちなみに、銀は硫化して変色しますのでコインケースから出して素手で触らないようにした方が良いでしょう。メルカリなどで売る時には綺麗な方が売りやすいとも思います。

 

まあ、銀貨は売る予定で購入しない方が良いです。あくまでもコレクション用だと思いましょう。

 

もし世界経済が崩壊して北斗の拳のような世界になると思うような頭がいかれている人は1オンス銀貨をたくさん保有しておくと良いかもしれません。金貨や金のインゴットでは価値が高過ぎて普段の買いものには使用できません。

 

昔の海賊みたいに少額の支払いの時には銀貨を半分とか1/4にカットして支払えば良いでしょう。本日の相場で銀価格1g約180円・1オンス銀貨は6200円前後↓

 

 

私が買った時は3000円くらいだったので随分高く感じます。

 

カナダ・アメリカ・オーストリア・イギリスなどが1オンス銀貨を発行しています。これらの中だとオーストラリアのカンガルー銀貨が若干安いです。100円ほど。

 

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市場規模
米株 :51兆2762億ドル

米国債:27兆ドル

金  :0.4t兆ドル

銀  :0.008兆ドル

プラチナ:0.008兆ドル

 

 

ここまで書いておいて何なのですが、普通に考えれば銀やプラチナを投資や資産として買うのは市場が小さすぎて勧められません。貴金属なら金にしておけ、、、としか言えなくなります。

 

そして、資産は金よりも米株と米国債を中心にしろという当たり前の事しか言えなくなってしまいます。

 

でも、一般論が正しいとは限りません。個人投資家が「正しい投資」をして損をするのはよくある事です。むしろ相場の世界では多数派と同じ事をするのが正解ではない事の方が多いのです。世界中の庶民がS&P500とオルカンのETFを購入している現状では、私には怖くてそれらは買えません。

 

 

 

↑上述したように私は株式そのものが信用できません。そして、売るのには向いていないけどお金があれば1オンス銀貨をもっと買いたいです。乱世になれば銀貨を食料と交換し、それらを強奪されないよう刀を腰に差して周囲を威嚇しつつ強盗は本気でぶった斬るのであります!

 

というわけで、平時の備えには金ETF・有事の備えには日本刀と銀貨が良いでしょう!

 

古い刀で強盗を斬るのは古美術品の破損になりますし、そもそも経年劣化で使い物にならないかもしれません。注文打ちで新作の刀を作りましょう!

 

有事を想定するなら金や銀よりまず武器です!

 

 

 

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