経済面でのダイバーシティ | めざせ!FP3級!~女性FPのお金の花道~

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人生の3大出費の1つ、教育費。

日本は公的支出に占める教育支出の割合が国際的にみて低水準となっていて、初等教育・中等教育・高等教育の中でも、
とくに高等教育(大学進学など)への公的支出が少なくなっています。

その私費負担の割合は67%で、OECD平均31%の2倍以上。
つまり各国と比べ日本は、大学進学に必要な費用は「家計に頼らざるを得ない状況」となっており、どうしても収入による教育の機会の不平等が生まれやすくなっています。
(出典:経済協力開発機構(OECD)Education at a Glance 2022)


また、高卒と大卒の生涯年収も大きく異なります。
まずは初任給が違うことから始まり、60歳まで働き退職金も含めると、生涯7000万もの違いが出るという推計もあります。
(出典:労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2022』


結果的に日本では、家計収入が低い→大学進学などの高等教育が受けられない→高収入を目指しにくいという、負の連鎖が起きやすくなっている状況です。


一方海外では、ファーストジェネレーション(第一世代)という言葉があります。
両親ともに大学を卒業しておらず、自分の世代で初めて大学に進学する人を指します。

欧米の大学では、学生の多様化を推進するため、該当する学生には奨学金を出しています。そして大学の社会的責任として「ファーストジェネレーションの学生が全生徒の何%」というのを、自信を持って公表しています。
かの有名な米ハーバード大学も15%以上です。
(参考:ハーバード大学HP)


文化の違いもあり、日本で上記のような制度を推進しているのはまだ1校のみ。
しかし、様々な経済的支援が行えるよう、返済不要の給付型奨学金制度は導入されました。
収入制限はありますが、授業料及び入学金の減免や生活費の支援を行う制度「高等教育の修学支援新制度」(いわゆる大学無償化)も2020年から始まっています。

もちろん返済が苦しくなってしまうような無理な奨学金利用は禁物ですが、もしも経済的理由で進学をあきらめている学生がいれば、いろいろな制度を活用し、進路の選択肢が広がればと思います。


学生本人も、タイムイズマネーの考え方を学校

ただし忘れてはいけないのが、大学進学には金銭面だけでなく、4年間もの「時間という財産」も費やすということです。

さきほどご説明したとおり日本は教育費の家計負担が重い、

また、高卒と大卒の収入差はあるとはいえ、

学校基本調査(文科省)によると、今では2人に1人が大学に進学する時代。

 

先の読めない社会・経済においては、学歴の違いだけではなく何を学んだか、どう生かせるのかという観点も、今後は一層重要になるのではないでしょうか。

ダイバーシティ(多様性)が当たり前の社会になりました。
経済面での多様性の理解と受容ももっと広がり、親世代から子世代への、収入の負の連鎖を断ち切られることを願っています。

そして、親御様のとても大事なお金(奨学金の場合は国などの大事なお金)、自分のとても大事な時間という財産を費やすのだから、なんとなく大学に進学するほどの無駄遣いはありません。

本人も、お金・時間ともに、進学が許された環境という喜びを噛み締めて、思う存分学び楽しんで欲しいと思います。



最後に電球
最近ではリカレント教育(学びなおし)ということで、

社会人を経験してから、大学に入学し直す人も増えてきました。

何を学ぶも、やる気次第。
本気で学びたくなった時、本当に必要な時が、じつは効率的で費用対効果も高い?のかもしれません。
なにより、本気で学ぶ姿勢はとてもカッコよいキラキラとも思います。

 

 

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