平均額が気になる方へ。 | めざせ!FP3級!~女性FPのお金の花道~

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人は一体いくら金融資産を持っているのか?

自分の年代、収入ではどれぐらい金融資産を持つべきなのか、

気になっている方も多いと思います。

人より少ないと落ち込んでいる方、または、とにかく人並みかそれ以上じゃないと気が済まない方へ。

 

今日はそんな時、気が楽になる方法や考え方(笑)をご紹介したいと思います。

 

①   森を見る

 

平均値と中央値は違う鉛筆

 

「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」を例にお話したいと思います。

金融資産の保有額、全国平均はすばり、1,563万円です。

これだけ聞くと、焦ってしまう方も多いですよね。

しかし、中央値は450万円。3倍以上の差があります。

中央値とは、データを小さい順に並べ、ちょうど真ん中にあるデータのこと。一部の大きすぎる数値に左右されません。(「平均収入」についても、一部の高収入の人が平均を押し上げているのは有名な話ですよね。)

そしてこの調査の年代別・収入別(一部抜粋)では、以下のようになります。

 

金融資産保有額↓

 

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」より

 

例えば40代、収入300万未満の方の平均は293万、しかし中央値は0円。これは、金融資産非保有の方が50.4%いるからです(金融資産を保有している人のみの平均値、中央値は当然のことながら上がります)。

ここで金融資産非保有の方、つまり半数の人は全くお金を持っていないのか?と思う方もいるかもしれません。

 

では、そもそも金融資産とは何を指すか。この調査では、『定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または 将来に備えて蓄えている部分とする。ただし、商・工業や農・林・漁業等の事業のために保有している 金融資産や、土地・住宅・貴金属等の実物資産、現金、預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えてい る部分は除く』と定義されています。つまり、日常的で流動的なお金は金融資産として答えていないということですね。調査や統計は、単語の定義が、普段の自分のイメージと異なることはよくあります。

 

このように、平均値なのか、中央値なのか、その調査の前提は?はたまた母数は?(十分なサンプル数があるか?)どこが行っている調査なのか?など、調査そのものについて、自分で調べてみるのはいかがでしょうか。

 

数字は一人歩きする走る人ものです。「平均」と言われて鵜呑みにせずに、その全体像を見ると、新たな発見があるかもしれません。

 

 

 

②   平均にとらわれない価値観を持つ

 

「平均」は一般的なデータとしては、大いに参考になります。

「平均額」を真摯に受け止めて、反省して節約したり、もっと稼ごう!と奮い立つのはもちろん良いと思います。

 

しかし、ことお金に関しては、「平均」は気にしませんグッと自分自身の価値観を持つもありだと思います。

上記の例でも、年代と収入だけで分類できないもの、住んでいる場所や家族構成、その他細かい条件(これまでの環境)も違いますし、ライフプラン(これからのこと)も人それぞれです。何にいくらかけるかの価値観も違うはずです。

 

経済的な豊かさ=心の豊かさではない

 

まさに同じ「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」調査では、気にすべきはお金ばかりではない!?ということもわかります。

 

例えば、心の豊かさを実感する条件を問う設問。

 

 

心の豊かさを実感していない世帯が思う、豊かさを実感できるであろう条件はこちら。

 

 

 

そして、実際に心の豊かさを実感している世帯の回答はこちら。

 

 ※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」より

 

前者は、「経済的な豊かさ」を条件に回答した人が53.1%に対し、後者は46.2%。

実際は、経済的な豊かさのみならず、健康や家族とのきずな、趣味の充実、時間的な余裕、なども多く回答されていることがわかります。

 

 

同じ調査でもいろんなことが想像できますねニコニコ

 

 

つい「平均」に捉われてしまう方へ。

 

 

ライフプランに平均はありません。

これからも計画的に、自分らしく、楽しく使えますように!¥

 


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