金融経済ニュースがバリバリ読める大人を目指して、
今日は、TOBについて書いてみたいと思います。
この背景を知っていると、
金融や経済のニュースが、
「ま、そりゃそうでしょうねー」
ということが増えている気がするのです。
たとえば、6月26日(火曜)の
日経新聞の夕刊一面のトップ見出し。
(いつも日経新聞の例で、他紙愛読者の方
すみません)
「企業の資金調達、新株離れ鮮明!
エクイティファイナンス上半期7割減」
とありました。
そもそも企業が上場するメリットとしては
新株発行を伴う資金調達(エクイティファイナンス)
ができるというのがあげられます。
これを平たく言ってしまうと、
「事業のための必要なお金を投資家から集める」
のが株券の発行であり、
お金を出すことが、株式投資です。
ですが、上記のニュースがいわんとしているのは、
上場している企業は、あまり新しく株券を発行する
方法をとっていないんです。
いったい、なんでよ??? それが上場企業のメリットじゃない?
って思いません?
(↑また、自分で突っ込んでみました)
でもこれが、TOBの増加や、
5月に三角合併が解禁されたことに要因しているのです。
今更ですが・・・TOBって、なに?というと、
「株式の公開買い付け」のことです。
○会社が、×会社を買収したいと思った場合。
○会社が×会社の株を買って、
買収をする方法がTOBです。
たとえば、×会社の株価が今700円でも、
その30%を上乗せして、
「×会社の株を1000円で買います!」
というように価格を示して、
×会社の株主から株の買い取りをすることです。
そのとき700円だったなら、確実に利益が出ますから、
特に×会社に義理がない、普通の株主なら、
売りたい!と思うのが当然の心理でしょう。
ただし今まで日本で行われていたTOBは
「友好的TOB」と言われるほどで、
対象となる×会社の賛同を得て行われて、
「お宅の会社の株、買いますよ。
買収した後も、ちゃんと面倒みますから」
という話し合いの後に行われていました。
しかも、価格も安めで抑えられていました。
しかし、「敵対的なTOB」は、
いわば、買収したい○社が、仕掛けるもの。
だから、×会社と取引をしている会社などが、
○社には売るのを遠慮して、
失敗するケースも多いんですよね。
さて、これまで見てきたように、
物価上昇のリスクがある中(先日アップした記事を見てね♪)、
企業が生き残りをかけて
企業が買収・合併をする方法として、
TOBがさかんになってきたというのがお分かりだと思います。
しかし、
「うちは、オリジナル路線を貫きたいから
TOBをされないように気をつけなくちゃ…」
と、思っている会社があるのです。
そのため、迂闊に新しく株券を発行すると、
いろんな株主が増えたり、
買収しようと、買い占められたら危険だな
と考える経営者も出てきて、
新株発行には慎重な傾向にあるといえるのでしょう。
そうやって考えると、
上記のニュースも、当然ですよね。
続きはまた週末に!