団塊の世代が大量定年を迎え、
“企業が人材不足と退職金の支払いに追われる”2007年問題。
ちまたでは、“もうひとつの2007年問題”もささやかれています。
それは、厚生年金の「離婚時の分割」により、
2007年4月以降、一斉に離婚を申し出る妻たちがでてくるのでは
ないか・・・?というものです。
2007年4月以降の離婚者から、年金が分割できる・・・
というウワサをご存知の方は結構いらっしゃると思います。
しかし、その中身がこれまた複雑で中途半端な内容なので、
なかなかキチンと伝わっていないように思います。
年金分割制度は、2段階で変わります。
第1段階、2007年4月以降の離婚~
●妻がずっと第3号被保険者(専業主婦)だった場合、
婚姻期間中の夫の厚生年金の最大で半分まで。
●共働きだった場合、
夫と妻の厚生年金の多いほうから少ないほうに、
二人の取り分が同じになるまで。
この段階では、あくまで分割の割合は当事者間で話し合う。
結論がでなければ、裁判所へ持ち込む。
う~ん、これから、離婚しようっていう妻と夫で、
「年金半分わけてください!」
「はい、いいですよ。」
ってワケにもいかないと思いますけどねぇ、どうでしょう・・・?
第2段階、2008年4月以降~
●妻が第3号被保険者期間分については、
自動的に夫の厚生年金の半分が妻の取り分に。
当事者間の合意は必要なく、妻が請求するだけです。
しかし、重要なのは、
この自動的に半分に分割される分は、
2008年4月以降の婚姻期間部分だけなので、
定年退職される年齢の中高年夫婦はあまり関係ないですね。
年金分割についての改正論は、喧々諤々でした。
「保険料を負担してない専業主婦を優遇しすぎる・・・」
「専業主婦も家事、育児で夫の仕事に貢献しているんだから
半分の保険料を妻が納めたことにすべき・・・」
年金問題は国民のわが身にふりかかる問題だけに、
厚生労働省の当初の検討案も、
自民党内の慎重論もあってかすんなりとはいかず、
結局、またまた複雑でわかりにくい制度に落ち着きました。
改正のまた改正、つぎはぎだらけの年金制度は、
一般国民には難しすぎる!
あっちをたてればこっちがたたぬ・・・
各種利害が絡み合うのはわかるけれど、
もっとスッキリわかりやすくテコ入れできないものでしょうか
こんな消化不良状態のようなストレスが年金不信につながっている、
と私は思うのです・・・。