第1898回「プレヴィン&ウィーン・フィルによる《家庭交響曲》、《家庭交響曲余録》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、アンドレ・プレヴィン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるリヒャルト・シュトラウスの「家庭交響曲」とピアノにゲイリー・グラフマンを迎えて演奏している「家庭交響曲余録」です。プレヴィンによるリヒャルト・シュトラウス作品の録音はいくつか残されていて、どの録音に関しても非常に高い人気を誇る名盤となっています。上記2曲を取り上げ、後日また他の作品を取り上げていきたいと思っています。


「アンドレ・プレヴィン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」

リヒャルト・シュトラウス作曲:
家庭交響曲 作品53


「ゲイリー・グラフマン(ピアノ)、アンドレ・プレヴィン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」

家庭交響曲余録 作品73



 プレヴィンはリヒャルト・シュトラウス作品を比較的多く録音している。今回の「家庭交響曲」以外にも「アルプス交響曲」や「英雄の生涯」、「ドン・ファン」、「ツァラトゥストラ」などが該当するだろうか。レーベルが統一されていないものの、どの演奏に関しても非常に素晴らしい演奏であることは間違いない。


・リヒャルト・シュトラウス:家庭交響曲

録音:1995年11月

 ウィーン・フィルによる「家庭交響曲」の演奏ということもあるためか、第1部冒頭よりエネルギッシュさもありつつたっぷりと音が奏でられている濃厚さも同時に体感できるようになっている。同時に「緩→急」へと音楽が変化した際のテンポの緩急における快活さも素晴らしく、それ以外のたっぷりと演奏している箇所に関しては伸びやかながら濃厚に演奏が行われているのが中々に聴きどころであると言える。また、特にトランペットを筆頭とする金管楽器群においては高い技術を要求するこの曲だが、意外とスムーズに演奏が行われていたようにも感じられなくはない。ウィーン・フィルによるバランスの整われた演奏が功を奏する形となっていたのは間違いないだろう。


・家庭交響曲余録

録音:1995年11月

 リヒャルト・シュトラウスが作曲した左手のためのピアノ協奏曲。腸チフスにより重体となった息子フランツの体験がモチーフとなっており、「家庭交響曲」における「こどもの主題」が引用されている。決して重々しい内容というわけではないが、煌びやかで底抜けに明るさの目立つ作品というわけではない。今回はゲーリー・グラフマンがピアノ演奏を行なっており、曲全体として、やや固めな印象も受けなくはない。しかし、グラフマン、プレヴィン率いるウィーン・フィルに関しても演奏には迷いがなく、明確なアプローチからなるどこか希望に満ちた演奏を聴くことができるようになっている。「家庭交響曲」とセットで収録されているというのもよりこの曲を楽しむことができるというもの。


 個人的にプレヴィンの録音はまだまだ未開拓な演奏が多く、今後少しずつ聴いていきたいと考えている指揮者の1人でもある。そういう意味ではここ最近波がきているリヒャルト・シュトラウス作品の録音を聴いていくのもありかもしれない。後日取り上げる際は他の作品も取り上げたいと思う。

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