第1848回「ラトル&ロンドン響によるブリテン作品、《レクイエム》と《管弦楽入門》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、サイモン・ラトル&ロンドン交響楽団によるブリテンの「シンフォニア・ダ・レクイエム」、「春の交響曲」、「青少年のための管弦楽入門」です。現在までに数多くの名演を残している両者によるブリテン作品の世界をみていきます。


「サイモン・ラトル指揮/ロンドン交響楽団」

ブリテン作曲:
シンフォニア・ダ・レクイエム 作品20

春の交響曲 作品44

青少年のための管弦楽入門 作品34



 ラトル&ロンドン響によるブリテン作品を聴くことができる当盤。「シンフォニア・ダ・レクイエム」と「春の交響曲」も収録されているが、やはり目を引くのは「青少年のための管弦楽入門」だろうか。今回はApple Music Classicalでの Dolby Atoms/ハイレゾロスレスによる高音質コーデックでの視聴となっている。


・ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム

録音:2019年5月7,8日(ライヴ)

 日本の皇紀2600年の式典のために作曲されたが、「レクイエム」という言葉によって演奏されることがなかったブリテンの名曲である。冒頭より強烈な和音が聴こえるようになっているが、それ以降は非常に美しい音色や響きによって構成される。今回SACDハイブリッド盤やDolby Atmos/ハイレゾロスレスでの視聴が可能となっているため、ダイナミック・レンジの幅広さが大きくある。加えてロンドン響が奏でる音色に関しても透明度の高い明瞭なサウンドとなっているため、細部まで細かく聴き込むことができる。これには思わず鳥肌が立ってしまったのもそうだし、各楽器群の特徴を余すことなく味わえる素晴らしい名演だったと言える。


・春の交響曲

録音:2018年9月16,18日(ライヴ)

 全12曲からなる交響曲ではあるが、全4部からなる構成に分けることが可能となっている交響曲である。ソプラノ、アルト、テノール独唱、混声合唱、少年合唱が加わる編成となっており、古典的な交響曲の楽章に準じているものの比較的に現代的な要素を多く含んだ世界観となっている。ダイナミック・レンジの幅広さが増しているかつ、音質が非常に良い状態となっていることによって透明感の高さが冴え渡る演奏となっている。細部まで細かく聴き込むことができるようになっているのも素晴らしく、合唱とオーケストラを聴き分けることもできる上にテンポの緩急からなるダイナミクス変化もわかりやすく正確である。SACDハイブリッド仕様の高音質盤だからこそ楽しめる名演とも言えるだろうか。


・青少年のための管弦楽入門

録音:2021年5月18日(ライヴ)

 ブリテンといえばこの曲と言っても過言ではないくらいに有名な「青少年のための管弦楽入門」。変奏曲とフーガによって構成される演奏で、今回の演奏にナレーションは付いていない。テンポの緩急からなる細かいダイナミクス変化は非常に抜群であり、各楽器の特徴を見失うことのないバランスの取れた演奏は非常に聴きごたえのある演奏となっており、メリハリからなる歯切れ良さが功を奏する形となっているのは間違いない。その名の通り親しみやすいメロディや展開がラトルとロンドン響の手によってキャッチーに、ユーモアたっぷりに演奏されているのがより面白さを引き立てている。


 ブリテン作品の録音を聴いたのは大分久しぶりに思える。しかし、想像以上に楽しむことができたのはいうまでもない。ラトルは毎回新しい刺激的な録音を多数演奏してくれるので、こういった選曲は非常にありがたいところがある。両者には今後どのような名演を残してくれるのか期待したいところだ。


https://classical.music.apple.com/jp/album/1730518502?l=ja-JP