第1831回「パーヴォ・ヤルヴィ&フランクフルト放送響によるマーラー交響曲第2番《復活》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、パーヴォ・ヤルヴィ&フランクフルト放送交響楽団によるマーラーの交響曲第2番「復活」です。パーヴォとフランクフルト放送響は映像にてマーラーの交響曲全集を完成させています。世界各国のオーケストラと名演を残してきたパーヴォによるマーラーはまさに至高の演奏であると言って差支えないでしょう。


「パーヴォ・ヤルヴィ指揮/フランクフルト放送交響楽団」

マーラー作曲:
交響曲第2番 ハ短調「復活」



 パーヴォによるマーラーは日本で言えばNHK交響楽団と何種類かの交響曲を演奏しているが、フランクフルト放送響との交響曲全集は特に有名にも思える。なお、当盤で演奏されている「復活」に関しては映像化された2010年ライヴとはまた別録音となっている。


・マーラー:交響曲第2番「復活」

録音:2009年5月6日

 第1楽章からやや重めのテンポからなる重心の低さが目立つ演奏となっており、それがあるからこそ金管楽器や弦楽器による演奏から特に重みと分厚いサウンドを確かに感じ取ることができるようになっている。HQCDで聴いていることも影響しているのかやや音が固めであるというのは少々気になるところだが、インパクトとしては十二分に楽しめる演奏であるとも言える。ダイナミック・レンジの幅広さが大きいため、ダイナミクス変化はクレッシェンドした大きな効果を発揮していることに違いはないだろう。


 牧歌的ではあるがやや筋肉質にも聴こえなくはない第2楽章。弦楽器による強靭的なサウンドが特に印象深く、それと同時に演奏される金管楽器による演奏が圧倒的な音圧を作り出している。それはテンポの緩急が明確に分けられているということに繋がるわけだが、未だかつてここまでの勢いの良い演奏はあまり聴いたことがないようにも思える。また、「急→緩」に変化した際は伸びやかで濃厚な音色を奏でる牧歌的な演奏を体感することができる。


 スケルツォ楽章である第3楽章。テンポの緩急からなる細かいダイナミクス変化と圧倒的な混沌とした世界観は、聴き手に対して大きな衝撃を与えてくれる。強固で破壊的な金管楽器の圧倒的な音圧と、柔軟性のある弦楽器、キャラクターが明確化された木管楽器、そしてインパクトのある打撃を体感できるティンパニを筆頭とした打楽器など個性が爆発しているのを楽しめる。

 第3楽章と第5楽章の間に演奏される美しい世界観を作り上げた第4楽章。楽器の数が限られているということもそうだが、冷静かつ濃厚な音色と充実した響きが功を奏する感覚をたっぷりと味わえるようになっているのは間違いない。美しい調和的なサウンドがあるからこそ第3楽章での荒々しいテンポの緩急からなる破壊的なサウンドの後に癒しが必要であり、第5楽章での感動的なクライマックスの前に豊かな歌声を聴くことが神秘的で美しさを余すことなく楽しむことができる。

 合唱が入る前のオーケストラのみで演奏される前半よりも、後半になってからの圧倒的な音響が非常に素晴らしい世界観を作り出している。演奏を聴くだけで金管楽器によるその圧倒的なまでの音圧もそうだが、自分自身がその空間にいるのではないか?と錯覚してしまうほどのエネルギーからなるダイナミック・レンジの幅広さは、合唱やオーケストラなどを細部まで細かく聴き込むことができるようになっている。テンポの緩急が明確に変化する中で演奏される躍動的な第5楽章をぜひ堪能していただきたい。

 久しぶりにマーラーを聴きたくなったこともあって当盤を聴いたが、最初から最後まで非常に楽しめる演奏だったことは間違いない。何回か個人的な決定盤にもなりかけた演奏ということもあって、以前より当盤の凄みを知っていたことだがこのタイミングで改めて聴くことができてよかったと個人的には感じている。今後も聴き続けていきたい名盤である。

https://tower.jp/item/2708570/マーラー:交響曲-第2番-ハ短調-「復活」