第1821回「ありがとうタクトオーパス!バーンスタインのベートーヴェン交響曲第5番で締めくくる」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日4月9日でスマートフォン向けアプリ「takt op. 運命は紅き旋律の街を」がついにサービス終了となります。2023年6月28日にリリースされ、1周年記念を迎えることなくサービス終了となりました。クラシック音楽における有名作曲家たちの名曲たちの楽譜の力を宿したムジカートを指揮者(コンダクター)となって闘うというコンセプトはクラシック音楽好きにも好まれた上、「タクトオーパス」からクラシック音楽を聴くきっかけを作ってくれたゲームでした。そんな今回は惜しまれつつサービス終了を迎える「タクトオーパス」の主要ムジカートの代表格である「運命」にちなんでベートーヴェンの交響曲第5番をレナード・バーンスタインがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニックと録音をした演奏をみていきたいと思います。


ベートーヴェン作曲:
交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」



 「takt op.(タクトオーパス)」のメインキャラクター(ムジカート)はなんと言っても「運命」となるのだろう。ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」の力を宿したムジカートである。2019年に放送されたアニメ「takt op.Destiny」でも「運命」は登場しているが、アニメ版とアプリ版の「運命」はそれぞれ別々のムジカートである。アニメ版では若山詩音さんが担当し、アプリ版では本渡楓さんが担当した。若山詩音さんは「リコリス・リコイル」井ノ上たきな役や「SSSS.DYNAZENON」南夢芽役を演じており、本渡楓さんは「ゾンビランドサガ」源さくら役や「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」花園羽香里役を演じている。



↓ムジカート「運命」アニメ版




↓ムジカート「運命」アプリ版



 今回バーンスタインによるベートーヴェンの交響曲第5番を取り上げるに至ったのはアニメ「takt op.Destiny」にて登場するコンダクターもといマエストロレナード・フライハート(愛称はレニー)の元ネタがバーンスタインであることから取り上げた。バーンスタインも愛称がレニーだった。加えてバーンスタインがベルリンの壁崩壊時に演奏した交響曲第9番「合唱付き」の第4楽章「歓喜の歌」の歌詞である「フロイデ」を「フライハート」に差し替えたことも名前に当てはめていることが名前の由来と考えて良いだろう。

「レナード・バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」
録音:1977年9月8,9日


 1970年代末に録音されたベートーヴェン交響曲全集に収録されている交響曲第5番。今日までにタワーレコードからSACDハイブリッド盤が発売されたり、UHQCDなど様々なフォーマットで聴くことができるようになっている名盤中の名盤である。今日におけるピリオド楽器や室内楽編成による演奏と比べるとアプローチは全く違うものとなるが、ニューヨーク・フィルハーモニック時代におけるエネルギッシュで若々しいアプローチからなる演奏を行なっていた時からすると落ち着きと気品さからなる美しさがプラスされた安定感のあるベートーヴェン演奏を聴くことができるようになった。テンポの緩急に関しては明確になりつつ、ダイナミクス変化もわかりやすい状態で演奏が行われている。細部まで細かくこだわり抜かれた演奏であることもあって、アプローチに関しても細かい変化を楽しむができるようになっており、ウィーン・フィルとの息ピッタリ感を最初から最後まで余すことなく味わうことができるようになっている。

https://tower.jp/item/4972000/バーンスタイン・コンダクツ・ベートーヴェン<完全生産限定盤>




「レナード・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック」

録音:1961年9月25日



 リマスターされた音源で聴くことができるバーンスタイン&NYP(ニューヨーク・フィルハーモニック)によるベートーヴェンの交響曲第5番。当盤を収録した「バーンスタイン・コンダクツ・ベートーヴェン」では交響曲全集、序曲などが発売当時の最新リマスター音源によってさらなる音質向上を受けた状態で演奏を楽しむことができるようになっている。曲が始まった当初こそノイズはあるが、演奏が進んでいくとそれも感じられなくなり増強された響きによって奥行きが形作られたため、空間的にも立体的な感覚が増した印象を強く受ける。ダイナミック・レンジの幅広さによってダイナミクス変化がわかりやすくなっているというのもそうだが、空間が大分広いため、ダイレクトに音が伝わってくるという感覚もなく、パワフルでエネルギッシュだった若き日のバーンスタインとニューヨーク・フィルハーモニックによるベートーヴェンをより聴きやすい仕様になっているのは間違いない。


https://tower.jp/item/5027400/ベートーヴェン:交響曲全集<タワーレコード限定>


 ベートーヴェンの交響曲第5番を「運命」と呼ぶのは日本くらいのことで私自身交響曲第5番のことは「運命」とは呼ばない。ただ、「タクトオーパス」を思い出す意味として「運命」という名前を呼ぶのもどこか悪くはない感覚にある。本日「タクトオーパス」はサービス終了を迎えるが、後日イベントが実施されるようにまた別の形でムジカートたちの姿を見たいというコンダクターの意見は非常に多い。漫画でははじまりのムジカートである「歓喜」の活躍を描いた漫画もあることだし、当分は「タクトオーパスロス」に悩まされるかもしれない。