みなさんこんにちは😃本日3月28日はモデスト・ムソルグスキーの誕生日です。今年で生誕185年となります。そんな本日ご紹介していくのは、ムソルグスキーの代表作である組曲「展覧会の絵」のストコフスキー編です。盛んに演奏されるラヴェル編とは違うオーケストレーションとなっていて私個人としては非常に新鮮味を持って楽しむことができた演奏となっています。演奏は山田和樹&日本フィルハーモニー交響楽団で、カップリングにはドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」が収録されています。
「山田和樹指揮/日本フィルハーモニー交響楽団」
ムソルグスキー作曲:
組曲「展覧会の絵」(ストコフスキー編)
ドビュッシー作曲:
牧神の午後への前奏曲
ラヴェル作曲:
ラ・ヴァルス
山田和樹さんが日本フィル正指揮者就任披露演奏会時に演奏したムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」(ストコフスキー編)。この時他には野平一郎の「グリーティング・プレリュード」とピアニストパスカル・ロジェを迎えたガーシュインのピアノ協奏曲、ヴァレーズの「チューニング・アップ」が演奏されている。今回収録されたのは「展覧会の絵」のみで、ドビュッシーとラヴェルは就任する1年前に演奏された録音を収録している。
・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(ストコフスキー編)
録音:2012年11月9,10日(ライヴ)
冒頭の「プロムナード」におけるトランペットのソロはなく、弦楽器によって旋律が奏でられていたり聴くだけでオーケストレーションの違いに気づくことができるストコフスキー編による「展覧会の絵」。曲によってはラヴェル編と同様の部分があるものの、やはり細かい部分においてはオーケストレーションが大分違う。普段ラヴェル編で聴き慣れている方にとっては非常に刺激的であり独創的な「展覧会の絵」であるというようにも聴こえるかもしれない。ライヴ録音ということもあってダイナミック・レンジの幅広さを感じることのできる臨場感は申し分ない演奏となっている。特に「緩→急」へと曲間で変化した際のダイナミクス変化は強烈なサウンドとなっている。
・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
録音:2011年12月9,10日(ライヴ)
優雅に、非常にバランス良く作り込まれた美しい世界観となっておりフルートの美しい音色は芯のある音によって演奏され、オーケストラ全体としてもシンプルながらに細部まで細かく描かれたアプローチやダイナミクス変化を楽しむことができるようになっているため後味もスッキリとしてきて聴きやすい仕上がりとなっている。
・ラヴェル:ラ・ヴァルス
録音:2011年12月9,10日(ライヴ)
演奏が始まった瞬間こそ安定感のある演奏を聴くことができるようになっているが、曲が進んでいくとダイナミクス変化もより豪快になっていき爆発的でオーケストラ全体のサウンドが大分鳴らさられている。ダイナミック・レンジの幅広さが増しているのとライヴだからこそここまでの熱量を持って演奏することができるというものであることは間違いなく、この時点で両者の相性の良さを体感できるだろう。
昨日ムソルグスキーの交響詩「はげ山の一夜」を2種類取り上げているが、今回は普段よく聴くラヴェル編での「展覧会の絵」ではなくストコフスキー編による「展覧会の絵」をメインとして取り上げた。「展覧会の絵」に関しては他にも数多くの編曲版が存在しているので、どのように違うか気になるところではある。少しずつ聴くと同時にムソルグスキー作品ではまだ聴いたことがない曲が多数存在しているのでそれらも聴いていきたい。