第1801回「リヒテル1979年来日ライヴⅠ、シューマン&ショパン」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日3月20日はスヴャトスラフ・リヒテルの誕生日です。今年で生誕109年となります。そんな今回ご紹介していくのは、リヒテル3度目の来日となった1979年の来日ライヴシリーズから第1弾としてSACDハイブリッド盤として復刻されたシューマンの「ノヴェレッテ集」、ショパンの「24の練習曲」です。長いこと復刻されていなかった稀少盤ということもあって注目度の高い復刻と言えるかもしれません。


「スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ)」

シューマン作曲:
ノヴェレッテ集 作品21
第2番 ニ長調

第4番 ニ長調

第8番 嬰ヘ短調


ショパン作曲:
24の前奏曲 作品28

第4番 ホ短調

第5番 ニ長調

第6番 ロ短調

第7番 イ長調

第8番 嬰ヘ短調

第9番 ホ長調

第10番 嬰ハ短調

第13番 嬰ヘ長調

第19番 変ホ長調

第11番 ロ長調

第2番 イ短調

第23番 ヘ長調

第21番 変ロ長調




 シューマンは東京厚生年金会館、ショパンは神奈川県民ホールにてそれぞれ演奏が行われた。当時年齢は64歳を迎える時期だったが、その世界観は衰えることなくより深みある演奏を1曲1曲聴くことができたのは間違いない。それらがSACDハイブリッド盤として復刻されるということもマニア心をくすぐる仕様である。


・シューマン:「ノヴェレッテ集」より

録音:1979年3月9日(ライヴ)

 第2番、第4番、第8番の計3曲が抜粋されて演奏される。東京厚生年金会館にてライヴ録音された演奏で、軽やかながら力強さを確かに感じ取ることのできる演奏を聴くことができるようになっており、芯のあるやや骨太にも聴こえる固いピアノは聴いていて非常に功を奏する形であることは間違いない。SACDハイブリッド盤となった効果によるものか音質も非常に良くなっており、残響こそ強すぎるわけではないがスマートで美しいリヒテルによるピアノを聴くことができる。


・ショパン:24の練習曲より

録音:1979年3月20日(ライヴ)

 「24の練習曲」より第4番、第5番、第6番、第7番、第8番、第9番、第10番、第13番、第19番、第11番、第2番、第23番、第21番の計13曲が抜粋され、リヒテルによって独自の選曲として演奏される。1曲あたりの演奏時間は短い小曲であったしてもリヒテルの手によって演奏されることにより、個性的かつ非常に美しい演奏を1曲ずつ楽しむことができるようになっている。より鮮明になり美しいタッチを持って演奏されているため1曲あたりの体感は想像している以上に長い印象を受ける。そのため気付いた時には13曲演奏が終わっていたということになる。普段聴く「24の練習曲」とは違うリヒテルによる独創的な世界観を楽しむには充分と言える。

 思えばリヒテルのピアノ演奏はピアノ協奏曲を多く聴いてきたこともあってピアノ曲の演奏はあまり聴いてこなかったようにも思える。そのため今回のシューマン、ショパンの演奏は非常に新鮮味を持って楽しむことができた。「リヒテル1979年来日ライヴ」シリーズは今後も少しずつ取り上げていきたい。

https://tower.jp/item/5784491/リヒテル1979年日本ライヴI-シューマン&ショパン