第1797回「ノリントン生誕90年、シュトゥットガルト放送響とのベートーヴェン《第九》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日3月16日はロジャー・ノリントンの誕生日です。今年で90歳になります。おめでとうございます🎉そんな本日ご紹介していくのは、ノリントンがシュトゥットガルト放送交響楽団と録音したベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」です。ノリントンにとって2度目のベートーヴェン交響曲全集として収録された演奏の一部で、古楽器による演奏ではありませんがノリントンの意向をオーケストラが明確に演奏しているというのも面白いところと言えるだろう。


「ロジャー・ノリントン指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団」

ベートーヴェン作曲:
交響曲第9番 ニ短調作品125「合唱付き」



 ノリントンはシュトゥットガルト放送交響楽団よりも前にロンドン・クラシカル・プレイヤーズともベートーヴェン交響曲全集を完成させている。もちろんそれ以外にも幅広い作曲家の作品を録音しており、ブラームスやブルックナー、シューマンやマーラーの交響曲が存在している。今回はノリントンにとって2度目となったベートーヴェン交響曲全集に収録されている「第九」を取り上げていく。他の交響曲についてはまた後日取り上げたいと思う。


・ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」

録音:2002年9月8日(ライヴ)

・・・第1楽章冒頭より速めのテンポからなる勢いの良さを聴き取ることができるようになっており、オーケストラ全体のサウンドもやや攻撃的な仕上がりとなっているように聴こえなくはない。何より金管楽器がパワフルな演奏であるとも言える。古楽奏法を現代のオーケストラで実現したアプローチであるため、古楽器による演奏ではないが全楽章通して非常にスリリングに思える「第九」となっている。第3楽章のテンポも従来よりも速く演奏されているため、その分スッキリとした後味を感じることができる。テンポの緩急に優れた演奏という面も強く、第2楽章のスケルツォではそれを余すことなく味わえるのが非常に良い。第4楽章に入るとより一層テンポは繰り返し変化する。しかし、全てが現代におけるベートーヴェン演奏と同じというわけではなく往年の時代における解釈と一致するアプローチも見え隠れしている。合唱が加わってからのオーケストラとの一体感はやや引き締まったシャープ寄りのスケールを聴くことができるだろう。


 ノリントンによるベートーヴェンは今回初めて聴いたが、刺激的で面白い演奏だったという体感である。今後2種類のベートーヴェン交響曲全集は積極的に聴きたいと思う。また、マーラーの交響曲録音に関しても複数録音が残されているので、これに関しても後日取り上げたいところである。

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