第1785回「ラトル&バイエルン放送響によるマーラー交響曲第6番《悲劇的》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、サイモン・ラトル&バイエルン放送交響楽団によるマーラーの交響曲第6番「悲劇的」です。ヤンソンスの後を継いでバイエルン放送響の首席指揮者となったラトルによるマーラーの「悲劇的」、ベルリン・フィルとの初共演となった1987年とバーミンガム市響での1989年、首席指揮者として最後とのなった2018年演奏を含めると自身にとって4種類目の演奏となります。3月7,8日にCDが発売されますがApple Music ClassicalではすでにニューリリースとしてDolby Atmos/ハイレゾロスレスで聴くことができるのでCDはの後に購入するとしてまずは先行リリースされたマーラーをみていきたいと思います。


「サイモン・ラトル指揮/バイエルン放送交響楽団」

マーラー作曲:
交響曲第6番 イ短調「悲劇的」



 ラトルによるマーラーの交響曲録音は何種類もあり、非常に人気となっている演奏が多数存在する。そこに今回バイエルン放送響とのマーラー交響曲第6番「悲劇的」が加わる形となる。マーラーファンとして希望することはやはりヤンソンスが成せることのできなかったバイエルン放送響でのマーラー交響曲全集だろうか。ひとまずワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」も「神々のたそがれ」を残すところまでに来ているのでこれからの両者がどのような歩みとなるのかじっくりみていきたい。


・マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

録音:2023年9月28,29日(ライヴ)

 第1楽章・・・冒頭からやや速めの勢いの良いテンポから始まる。絶妙な溜めや盛り上がりが交差するテンポの緩急が非常に素晴らしく、ライヴの臨場感も重なって美しい輪郭をオーケストラ全体から聴き取ることができるようになっている。ヴァイオリンの存在感も凄まじく、ソロでの聴き手を酔わせるかのような息を呑む感覚には思わずしびれた。ダイナミック・レンジの幅広さが増していることもあって金管楽器の音色は豊かになりキツすぎることなく聴こえやすいというのも良い。全体のバランスとしても良く整われている印象だ。

 第2楽章・・・ラトルは1987年のベルリン・フィルとの共演時より第2楽章にはアンダンテ楽章を置き、第3楽章にはスケルツォ楽章を置いて演奏を行なっている。弦楽器群による美しく壮大なるスケール、木管楽器による繊細かつ鮮明な透明度の高いくもりのない演奏が印象深い。ダイナミック・レンジの幅広さによって弱奏から強奏へと変化した際の音の広がりが非常に素晴らしい仕上がりとなっているため、言葉を失ってしまうかのような心持ちであるとも言えるかもしれない。

 第3楽章・・・テンポの緩急を明確に感じ取ることのできる勢いの良さからなる推進力のある演奏を聴くことができるスケルツォ楽章。各楽器が奏でる演奏はハッキリとしていて明確な印象が強いため、鋭い弦楽器やメリハリをきかせる金管楽器などの存在は非常に大きなものとなっている。ダイナミクス変化も細かく行われているため聴き込むことができる。

 第4楽章・・・大迫力という言葉がふさわしいくらいのダイナミック・レンジの幅広さが生かされた爆発的なスケールは非常に功を奏する形となっており、2発放たれるハンマーもずっしりとした深みのある打撃となっている。ベルリン・フィルの弦楽器群にも引けを取らないような分厚いスケールからなるしっかりとした土台、金管楽器の咆哮が印象的になっている。

 ラトル&バイエルン放送響によるマーラーは以前交響曲第9番が発売されているため、2曲目の録音となる。今後もぜひ増えてほしい。今回はApple Music Classicalでのニューリリースとしていち早く聴くことができて個人的に満足している。CDが発売されるのが待ち遠しくなったのは間違いない。

https://classical.music.apple.com/jp/album/1729156907?l=ja-JP