第1786回「ジョルダン&パリ国立オペラ座管によるストラヴィンスキー、ラヴェル、ドビュッシー」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、フィリップ・ジョルダン&パリ国立オペラ座管弦楽団によるドビュッシー、ストラヴィンスキー、ラヴェル作品です。このコンビによる演奏としては以前ラヴェルの「ダフニスとクロエ」やワーグナーの「ニーベルングの指環」を取り上げていますが、今回はドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」、ラヴェルの「ボレロ」をそれぞれみていきます。


「フィリップ・ジョルダン指揮/パリ国立オペラ座管弦楽団」

ドビュッシー作曲:
牧神の午後への前奏曲

ストラヴィンスキー作曲:
バレエ音楽「春の祭典」

ラヴェル作曲:
ボレロ



 ジョルダンによる演奏は今日までにベートーヴェンやブラームスの交響曲全集をはじめとして「ダフニスとクロエ」、「ニーベルングの指環」などを聴いてきたが、今回ついにドビュッシー、ストラヴィンスキー、ラヴェルなどの名曲が収録された音源を聴く。通常CD盤での発売ではあるがApple Music ClassicalではDolby Atomsからなる高音質フォーマットで聴くことができるようになっているので、期待値としてはかなり高い演奏となっている。


・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

録音:2012年5月

・・・フルートの美しい音色と響きから曲は始まり、木管楽器と弦楽器が自由自在にテンポの緩急からなる美しく幻想的な世界観を作り出している。ダイナミック・レンジの幅広さが増していることによる細部まで細かく聴き込むことができる繊細な描写は両者による演奏だからこそ聴くことができると思えるような素晴らしい演奏と言えるだろう。木管楽器それぞれの音色も生き生きとしていて、弦楽器の奏でる音も伸びやかで透き通っているため非常に聴きやすい「牧神」となっている。


・ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

録音:2012年5月

・・・今回のメインと言っても良い演奏で、オーケストラ全体が奏でるサウンドは非常にまとまりある演奏となっているため分厚い音圧を体感できる演奏となっている。一歩一歩踏みしめて演奏が行われているためテンポの緩急に関しては「生贄の踊り」以外であれば感じることができ、生贄の踊りに関してはややテンポも遅めに作り込まれているため他の同曲録音からすると類を見ない演奏となっているのも間違いない。しかし、じっくりと演奏を聴き込むことができるようになっているため十二分に楽しむことができるのは大きい。ジョルダンによる独特なアプローチからなるダイナミクス変化は聴いていて驚かされる点が多いとも言えるだろう。


・ラヴェル:ボレロ

録音:2012年5月

・・・高いバランスと安定感からなる演奏を聴くことができるジョルダン&パリ国立オペラ座管による「ボレロ」。徐々に楽器の数が増えていき最終的にオーケストラ全体で素晴らしい音響を奏でる演奏となっているが、聴きどころは終盤ではなくむしろ曲が始まってから個々の楽器によるソロが重要にも思える。というのもDolby Atmosからなる空間オーディオで聴くことができるようになっているため、ダイナミック・レンジの幅広さが生かされた素晴らしい演奏を聴くことができる。高いアンサンブル力や細部にわたって聴き込むことのできる研ぎ澄まされた感覚が素晴らしい。


 ちょうどApple Music Classcalのニューリリースにジョルダン&ウィーン国立歌劇場管による演奏でのワーグナー舞台神聖祝典劇「パルジファル」があった。輸入盤のCDはすでに発売されているが3月末には国内盤も発売されるようなので近いうちにこの「パルジファル」も聴きたいと思う。