第1754回「ユロフスキによるチャイコフスキー《白鳥の湖》原典版」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヴラディーミル・ユロフスキとロシア国立アカデミー管弦楽団によるチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」です。「ペンタトーン」から発売された当盤は、SACDハイブリッド仕様の高音質盤となっています。ロシアのオーケストラによる全曲盤という点も注目的となっていますが、何よりも1877年初演当時に使用された原典版の楽譜を使用して演奏が行われているというのもさらにポイントと言えるでしょう。


「ヴラディーミル・ユロフスキ指揮/ロシア国立アカデミー管弦楽団」

チャイコフスキー作曲:
バレエ音楽「白鳥の湖」作品20(1877年原典版)



 ユロフスキによるマーラーの交響曲録音はいくつか過去に聴いたことがあるが、他にもストラヴィンスキーやラフマニノフ、リヒャルト・シュトラウスなど幅広いらパートリーを指揮している。その中でもやはりチャイコフスキーには大きなこだわりがあるのか、今回取り上げる「白鳥の湖」が1877年原典版だったように幻想序曲「ロメオとジュリエット」も1869年初稿版を録音している。そのCDは以前より探しているのだが、中々見つからない代物である。


・チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」(1877年原典版)

録音:2017年2月、2018年2月
・・・「白鳥の湖」全曲を聴いたのはいつぶりだろうか。恐らくプレヴィンによる名盤を聴いた時以来になると思われる。今回の演奏では初演時に使用された原典版の楽譜を使用して演奏が行われている。細かい違いに関してはスコアを見てみないとわからない部分が多いが、ロシアのオーケストラによる演奏ということもあって多少の冷たさからなる冷酷さのような感覚を味わえるようになっている。とはいえ、非常に充実した世界観となっているのには変わらない。SACDハイブリッド盤となっているのも非常に素晴らしい点で、高音質盤である特徴を存分に生かしたダイナミック・レンジの幅広さはオーケストラ全体の音色や響きを透き通るような美しい演奏から楽しむことができる。演奏からは透き通るような美しい音色によってしつこさのない明瞭な「白鳥の湖」を楽しめるようになっている。

 ユロフスキによる「白鳥の湖」は、まさに新時代における名盤だったと言っても過言ではない。今日において様々な曲の初稿や普段演奏される版とは違う楽譜が使用されている演奏が大分増えてきたが、その中でも当盤は非常に重要な存在であると思う。ユロフスキは他にもチャイコフスキーのバレエ音楽は録音を行なっているので、それらも購入して視聴したいところ。