第1730回「バーンスタイン&コンセルトヘボウ管によるマーラー交響曲第9番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、レナード・バーンスタインとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団によるマーラーの交響曲第9番です。こちらは2018年、2023年それぞれで発売されたUHQCD仕様の高音質盤となっています。往年の時代におけるマーラーの交響曲といえば、バーンスタインというイメージが大きいかもしれません。非常に聴きごたえのある仕上がりとなっていますので、今回はバーンスタインによるマーラーをみていきます。



「レナード・バーンスタイン指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」


マーラー作曲:

交響曲第9番 ニ長調





 バーンスタインによる2回目のマーラーの交響曲全集の一部であるコンセルトヘボウ管との交響曲第9番。1回目の全集であるニューヨーク・フィルハーモニックはSACDシングルレイヤーやSACDハイブリッド盤が存在しているが、「ドイツ・グラモフォン」に残された2回目の全集はUHQCDが高音質盤とされている。ベルリン・フィルとの交響曲第9番はエソテリック盤が存在しているため、今後に期待したいところである。しかし、音質以上にこの曲の凄みを体感するには十二分であることは間違いない。

・マーラー:交響曲第9番
録音:1985年5月、6月

 第1楽章・・・重心の低さを生かした分厚く重厚的な音色を楽しむことができる非常に素晴らしい演奏となっており、深みのあるサウンドはもちろん皮肉さも各楽器からは聴こえなくはない印象である。決してこれは悪い意味ではなく、難解な曲であるこの交響曲第9番がより理解しやすい感覚を覚えるような仕上がりとしているバーンスタインとコンセルトヘボウ管のこだわりを十二分に感じ取ることができるというもの。UHQCD仕様となっているため、音色はやや固めの仕上がりとなっているがダイナミック・レンジの幅広さが多少増していることもあって細部まで細かく聴き込むことができるようになっている。そのため、アンサンブルも楽しむことができるのは素晴らしいポイントと言える。

 第2楽章・・・常に混沌と隣り合わせではあるが、牧歌的な美しさが根本として存在している自然的な第2楽章を聴くことができる。弦楽器と木管楽器を筆頭として暖かみのある音色と響きを聴くことができるようになっているのは聴いていて非常に心地良い感覚を味わえる。テンポの緩急からなるダイナミクス変化も多少あるため、「緩→急」へと変化した際の弦楽器の引き締まった感覚や金管楽器のキレ味あるサウンドは聴いてきて非常に素晴らしい展開となっている。

 第3楽章・・・活発さと俊敏な金管楽器を筆頭として、統一感のあるキレ味を聴くことができる弦楽器の奏でる演奏がオーケストラ全体として一貫性のあるサウンドを作り上げていることにより、爆発的なエネルギーを発散している。テンポの緩急を他のどの楽章よりも感じ取ることのできる楽章となっているため、「急→緩」や「緩→急」を交互に味わうことができるバーンスタインならではの熱量の多さを余すことなく楽しめる演奏である。

 第4楽章・・・圧倒的かつ壮大なスケールによって奏でられる弦楽器群の分厚い音色は、非常に美しい世界観を作り上げている。感動的なスケールはテンポの重さを感じさせながら最初から最後までたっぷりと演奏しており、曲が終わるまで細かいダイナミクスやアプローチによって演奏を楽しむことができるようになっている。静寂まで美しさの伝わってくる素晴らしい名盤と言える。

 バーンスタインのマーラーは久しぶりに聴いたが、やはり聴いていて懐かしさと同時に興奮を感じることのできる名盤であるということを思い出させてくれる。今回は2回目の交響曲全集における演奏だったが、いずれまた1回目の交響曲全集の録音も取り上げたいと思っている。