第1723回「フィストラーリ&コンセルトヘボウ管による《白鳥の湖》をエソテリック盤で聴く」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、アナトール・フィストラーリとアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団によるチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」ハイライトです。チャイコフスキー作品の代表作の一つであるこの曲における名盤として名高い演奏であるフィストラーリによる「白鳥の湖」。今回は2009年に「エソテリック」から復刻されたSACDハイブリッド盤をみていきます。


「アナトール・フィストラーリ指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団」

チャイコフスキー作曲:
バレエ音楽「白鳥の湖」作品20 ハイライト



 フィストラーリによる全曲盤の録音も存在しているが、それを抑えてこのハイライトが圧倒的な人気を誇る名盤として君臨している。当盤は2009年に発売されたエソテリック盤だが、2019年にタワーレコード企画の「ヴィンテージSACDコレクション」でもSACDハイブリッド盤が発売されている。タワーレコード盤に関しては比較的に手に入れやすいのだが、エソテリック盤に関しては稀少盤としての価値が確率されているため、現在では30000円近い値段で中古として販売されている(発売当初は3300円)。


・チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」ハイライト

録音:1961年2月22,23日

・・・フィストラーリは20世紀におけるバレエ指揮者の1人として多くのバレエ録音を残した。全曲版も存在しているが、今回のハイライトに関しては抜粋であるものの、各曲ごとに特徴をとらえた美しいサウンドは類を見ない素晴らしい名盤と言える。抜粋された曲は以下の通り。


序奏

・第1幕

第1曲:情景

第2曲:ワルツ

第8曲:杯の踊り

・第2幕

第10曲:情景

第11曲:情景

第13曲d:4羽の白鳥の踊り

第13曲e:パ・ダクシオン

・第3幕

第20曲:ハンガリー舞曲

第5曲b:パ・ド・ドゥ

第24曲:情景

・第4幕

第27曲:小さな白鳥たちの踊り

第29曲:終幕の情景


 ダイナミック・レンジの幅広さが増しているため、オーケストラ全体を細部まで細かく聴き込むことができるようになっているのもそうだが、この時代特有のコンセルトヘボウ管独特の音色や響きを余すことなく楽しむことができるため、これまでにないくらいにこの曲をたっぷりと堪能できる。他のオーケストラが奏でるサウンドとは明らかに違う世界観にある木管楽器や弦楽器の音色は、まさにこの曲を演奏するべくして奏でられているかのような演奏であると言えるだろう。また、演奏時間も46分ほどとなっているため、全曲盤と比較しても聴きやすい印象を受ける。


 エソテリックSACDハイブリッド盤は2009年に発売されたが、2023年にはアナログレコードが最新マスタリングにあたる「Esoteric Mastering」を施された状態で発売されている。この音質の違いに関しても気になるところ。エソテリック盤に関しては廃盤となってから価格が高騰している代物が大変多いため、再販してほしい名盤がいくつもあるのだが、今後その形で復刻されるかわからないため小さな期待だけしておきたい。しかし、実際購入してから聴いてみると、その価値を十二分に体感できるようになっているため、今のところ後悔は全くしていないということだけ。