第1571回「マリス・ヤンソンス&バイエルン放送響によるブルックナー交響曲第3番《ワーグナー》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、マリス・ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団によるブルックナーの交響曲第3番「ワーグナー」です。ヤンソンスとバイエルン放送響は交響曲全集とまではいかなかったが交響曲選集という形にはなるくらいにブルックナーの交響曲を複数演奏しています。今回の「ワーグナー」は元々選集の一部として発売されていたもので、後に単発で発売しています。来る2024年はブルックナーのアニバーサリー・イヤーということで、多くの指揮者たちによるチクルスが発売されています。そうした中でヤンソンスによるブルックナーを聴くというのも中々面白いでしょう。


「マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団」

ブルックナー作曲:
交響曲第3番 ニ短調 WAB103(1889年第3稿)



 ブルックナーの交響曲にはそれぞれに数多くの版が存在している。今回取り上げる交響曲第3番「ワーグナー」で演奏に使用されているのは1889年第3稿である。この第3稿は現在特に演奏されるケースの多い版で、交響曲第8番第1稿と同時期に完成している。この第3稿での初演は成功している。


・ブルックナー:交響曲第3番「ワーグナー」

録音:2005年1月20,21日(ライヴ)


 第1楽章・・・勢いの良さとやや固めのサウンドが作り上げる推進力のある演奏で始まる。その際の金管楽器が非常にパワフルであり、爆発力を壮大に味わえるようになっているのは大分聴きごたえがある。ダイナミック・レンジの幅広さも増しているため、細部まで細かく聴き込むことができる上に細かく変化するダイナミクスが明確なためより効果的に演奏を楽しめるようになっているのは間違いない。テンポの緩急も備わっているため、伸びやかに演奏される場面もありその際の弦楽器や木管楽器による美しい音色と響きをたっぷりと演奏している姿は聴いていて惚れ惚れするものがある。


 第2楽章・・・壮大なスケールを弦楽器による土台とまとまりあるサウンドによって作り上げており、聴いているだけで非常に大きな感動を味わえるようになっている今回の第2楽章。ダイナミクス変化の差が大きく付けられており、たっぷりと伸びやかな演奏が展開されていることによって通常CD盤ながら想像以上にこの演奏を楽しめるように仕上げられている。ダイナミック・レンジの幅広さも増しているため、爆発的なエネルギーはもちろん第1楽章でも聴くことができた金管楽器の圧倒的な音圧も味わえるので楽しめるのは間違いない。


 第3楽章・・・再び推進力溢れる演奏を聴くことができるスケルツォ楽章となる。俊敏であり研ぎ澄まされた音色をしている弦楽器をはじめとして、軽快な木管楽器、強烈なインパクトを残す圧倒的な音圧からなる金管楽器などオーケストラ全体を見てもそれぞれの楽器の個性が失われていないというのが注目できる点となっている。構成もシンプルな上にテンポの緩急も備わっているので聴きやすさは増している。ティンパニの打撃も聴き手に大きな衝撃を与えるようなインパクトがあるのは間違いない。


 第4楽章・・・冒頭のファンファーレは非常に活気ある形で構成されており、その後は緩やかで伸びやかな音色と響きを演奏から聴くことができるようになっている。ダイナミック・レンジの幅広さもあるため、オーケストラ全体の姿を明確に聴き分けることができるようになっており、細部まで細かく聴き込むことができるのはもちろんながら、木管楽器と弦楽器による明瞭で透き通るように美しい音色を聴いているだけでうっとりとしてしまう。緩急による音楽の流れが特に明確な演奏となっているため、テンポチェンジも非常にうまく演奏されているのは大分大きい。


 ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団によるブルックナーの交響曲は比較的に素晴らしい名演であると聴いている感覚としてはそう思あるようになっている。それはライヴ録音ということもあるのだろうが、まだ聴いていない他の交響曲に関しても今後少しずつ聴いていきたいところである。


https://tower.jp/item/5179638/ブルックナー:-交響曲第3番