第1228回「ヤンソンス&バイエルン放送響による《アルプス交響曲》、《死と変容》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのはマリス・ヤンソンスが手兵であるバイエルン放送交響楽団と録音したリヒャルト・シュトラウス作品の「アルプス交響曲」と交響詩「死と変容」をみていきます。CDでいえば4枚ほどヤンソンスはバイエルン放送響とリヒャルト・シュトラウス作品を録音しています。通常CD盤ながらまろやかで濃厚かつ豊かなサウンドによる2曲をみていきましょう。


「マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団」

リヒャルト作曲:
アルプス交響曲 作品64

交響詩「死と変容」作品24



 ヤンソンスとバイエルン放送響は大変多くの録音を自社レーベルから発売した。その全ては「マリス・ヤンソンス・エディション」で大量にCD化された。ベートーヴェンやマーラーをはじめとする中にリヒャルト・シュトラウス作品の録音も含まれており、どの曲も非常に素晴らしい演奏となっている。今回はその中から2016年12月1日に発売した「アルプス交響曲」と「死と変容」を取り上げる。


 リヒャルト・シュトラウス:アルプス交響曲、2016年10月13〜15日ライヴ録音

・・・私個人的な話だが、リヒャルト・シュトラウス作品の中で一番好きな曲である。これまで決定盤として名高いカラヤン&ベルリン・フィルの録音などさまざまなCDを聴いてきたが、今回のヤンソンス&バイエルン放送響の録音は一番音質が良い演奏と言えるだろう。テンポは遅く、音色はまろやかかつ濃厚で、強く鋭すぎないアプローチになっている。金管楽器の高音域は非常に良く飛び、トロンボーンやチューバの中低音は分厚い音圧で圧倒する。木管楽器は自然体で美しい音色を奏で、弦楽器は柔軟性と分厚く壮大なスケールを展開している。それらが同時に演奏されてもくもることなく、心地よい演奏となる。そしてテンポは最初遅いのだが、徐々に上がっていくためそれに合わせてダイナミクス変化も明確かつ壮大になっていく。何より頂点に達した際の開放感は感動するくらいのもので鳥肌も立つし、涙も出てくるような感覚に陥る。ダイナミック・レンジの幅広さも割とあるので通常CD盤といえど音質の良さは非常に素晴らしいと言えるだろう。


 交響詩「死と変容」、2014年2月24〜28日ライヴ録音

・・・若きリヒャルト・シュトラウスが作曲した初期の交響詩である。テンポの緩急がめまぐるしく変わり、その変化はどこか奇妙にも感じる場面もあれば爽快感を感じるような面もある。金管楽器のキレ味あるサウンドが今回冴え渡っており、弦楽器群による豊かでまとまりのある壮大なスケールも非常に聴きやすい。ダイナミック・レンジの幅広さも備わっているが、多少オーケストラ全体の圧がもう少しあれば尚良かった印象を受ける。しかし、オーケストラ全体のバランスや統一感が失われていないという点を考えるとヤンソンスによるアプローチは非常に素晴らしいものであると感じることができる。


 ヤンソンスとバイエルン放送響によるリヒャルト・シュトラウスは非常に素晴らしい演奏ばかりで、往年の時代における名盤たちと肩を並べるくらいの存在感ある代物と私は考える。それぞれ1枚ずつでしか手に入れることはできないかもしれないが、1枚ずつ聴いてみるとその素晴らしい世界観を知ることができるようになっているのでぜひ一度は聴いていただきたいCDである。またこのコンビによるリヒャルト・シュトラウス作品のCDは取り上げたいと思う。


https://tower.jp/item/4398483/R-シュトラウス:-アルプス交響曲、死と変容