第1195回「ラトル&ロンドン響によるストラヴィンスキー三大バレエ音楽がSACDハイブリッド化」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは4月14日に発売されたばかりのサー・サイモン・ラトルとロンドン交響楽団によるイーゴリ・ストラヴィンスキーの代表的な作品であるバレエ音楽「火の鳥」、「ペトルーシュカ」、「春の祭典」をみていきます。発売されることを知った時点で楽しみにしていた代物となっています。今回は「LSO Live」から発売されたSACDハイブリッド仕様の高音質フォーマットでラトルによるストラヴィンスキーを楽しみたいと思います。


「サー・サイモン・ラトル指揮/ロンドン交響楽団」

ストラヴィンスキー作曲:
バレエ音楽「火の鳥」

バレエ音楽「ペトルーシュカ」

バレエ音楽「春の祭典」



 ラトルは以前にもストラヴィンスキー作品の録音を複数残している。現代音楽作品を数多く演奏、録音してきたラトルによる徹底された演奏はストラヴィンスキー作品に限らず素晴らしいものが多い。今回の三大バレエでいえば「春の祭典」は複数のオーケストラと録音を多数残しているまさにラトルの十八番的な曲と言ってもいい。それを今回SACDハイブリッド仕様の高音質フォーマットで聴くことができるのだからこれ以上に嬉しいものはない。


 ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」、2017年9月21,24日ライヴ録音

・・・ラトルは「火の鳥」を過去にバーミンガム市響、ベルリン・フィルそれぞれに録音を残している。私個人としての見解だが、「火の鳥」に関しては長い間中々決定盤と言ってもいい名盤と巡り合わなかったが、今回のラトルとロンドン響の演奏はそれに該当する凄みを持っていると言えるだろう。序盤から中盤にかけて弦楽器を中心として美しい音色を奏でつつ軽快な木管楽器が演奏している。「カスチェイ一党の凶悪な踊り」に入ると金管楽器の存在感ある音圧と、エネルギッシュでダイナミックな演奏が展開される。つまりはテンポの緩急が明確に付けられていることに繋がる。激しい場面以外は基本的にゆったりと遅めでたっぷりと歌い上げている印象で、それ以外の場面では理性を失うことなく厳格な安定感のあるテンポで演奏されている。SACDハイブリッド仕様ということもあって非常に美しさが重視された名演と言えるだろう。


 バレエ音楽「ペトルーシュカ」、2017年9月21,24日ライヴ録音

・・・ラトルは過去に「ペトルーシュカ」をバーミンガム市響、ベルリン・フィルそれぞれと演奏、録音を残している。冒頭から速いテンポで演奏されるエネルギッシュな演奏が始まる。それもあってロンドン響による色鮮やかでキラキラとした音色、響きが展開されているためスピーディかつ軽やかな「ペトルーシュカ」となっている。近年でいえばロトとレ・シエクルによるピリオド楽器での演奏が話題となったが、個人的には今回のラトルとロンドン響によるライヴが好みである。ダイナミック・レンジの幅広さも充分にとられており、細かいテンポチェンジやオーケストラ全体のダイナミクス、音形の変化などが明確化されているためSACDハイブリッド盤でより解放的な感覚を味わうことが可能となっている。


 バレエ音楽「春の祭典」、2017年9月21,24日ライヴ録音

・・・ラトルはこれまでイングリッシュ・ナショナル・ユース管、バーミンガム市響、ベルリン・フィルといったオーケストラと「春の祭典」を演奏、録音してきた。もちろんロンドン響とも演奏を行なっている。早い段階から現代音楽を指揮してきたラトルによる「春の祭典」は非常に素晴らしい演奏となっており、演奏には乱れることない抜群の安定感とインパクトを持ってして楽しむことができるようになっている。今回の2017年ライヴはSACDハイブリッド仕様ということもあって非常に音質が良く、細部まで聴き込むことができるのはもちろんのこと、「緩→急」に変化した際のダイナミクスの衝撃には思わずしびれてしまうこと間違いなしの「春の祭典」と言えるだろう。また、ダイナミック・レンジの幅広さもあるものの、まだまだ余裕がある形のため聴く際はいつもより一段階ボリュームを上げるとちょうどいいかもしれない。


 「旧EMI」に多く残されたラトルによるストラヴィンスキー作品は今でも手に入れることができるようになっている。私自身ラトルのストラヴィンスキーはまだまだ聴けていない録音が多いので、後日購入しては少しずつ聴ければと思う。今回のストラヴィンスキー三大バレエは間違いなく名盤であることは間違いない。また、今後もラトルとロンドン響のコンビによるCDが発売されることを願いたい。


https://tower.jp/item/5337601/ストラヴィンスキー:-火の鳥、ペトルーシュカ、春の祭典