第1178回「クレンペラーが残したマーラーの交響曲、最晩年の《復活》と1956年の第4番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日7月6日はオットー・クレンペラーの命日です。今年で没後49年となります。そんな本日はクレンペラーがニュー・フィルハーモニア管弦楽団とバイエルン放送交響楽団2つのオーケストラと残したマーラーの交響曲第2番「復活」と第4番の2曲をみていきます。何種類も録音が存在している「復活」は1971年ライヴ録音、第4番は1956年ライヴ録音です。今回は「ARKADIA」から発売された希少価値の高いCDでみていきたいと思います。


「オットー・クレンペラー指揮/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団」

マーラー作曲:
交響曲第2番 ハ短調「復活」


「オットー・クレンペラー指揮/バイエルン放送交響楽団」

交響曲第4番 ト長調



 クレンペラーが残したマーラーの交響曲は第2番、第4番、第7番、第9番、「大地の歌」となっている。その中でも第2番と第4番は複数のオーケストラと演奏が行われており、ライヴ録音やセッション録音が複数残されている。今回は1956年ライヴの第4番と1971年ライヴの第2番という貴重な記録を聴くことができるようになっており、マーラーファンのみならずクレンペラーファンの方々は目が離せないのではないか?と私は考えている。


 マーラー:交響曲第2番「復活」、1971年5月11日ライヴ録音

・・・クレンペラーはマーラーの交響曲第2番「復活」はフィルハーモニア管弦楽団やロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団などをはじめてとして複数録音を残している。今回の1971年ライヴ録音はその中でも最晩年のものであり、特に演奏時間長い録音となっている。この「ARKADIA」から発売された1971年ライヴは今日において非常に希少価値の高い盤で、滅多に市場に出回ることはない。私は偶然ディスクユニオンにて購入をすることができたのでこうして試聴することができている。演奏として全楽章これまでの録音と比べてもテンポは遅くなり、重みが増している。その分交響曲としての壮大な姿を見ることはできるものの、聴きやすさがあるかと問われればそうではないかもしれない。また、音質もライヴ録音というためそれほど良くはない印象を受ける。しかし、合唱や歌手陣の歌声は非常に良く録音されており神秘的な和音の重なりや伸びやかで透明度のある美しい歌声には聴いていて心が浄化されるような気持ちである。これは特に感動した。オーケストラ側はバランスが良く、テンポが遅い分若干不安定さはあるもののまとまり具合に関しては他の録音に引けを取らないと言えるだろう。強いて言えば第5楽章の終結部なんとも言えないくらいにシンバルがズレているので、そこが残念で仕方ない。


 マーラー:交響曲第4番、1956年11月19日ライヴ録音

・・・クレンペラーは第2番「復活」だけでなく第4番の録音も複数残している。こちらの1956年ライヴに関してはいくつかのレーベルから発売されているため、知っている方は多いと思う。やや低めの重心の演奏で、テンポの緩急も細かく変化させられているため聴きごたえのある素晴らしい演奏となっている印象だ。その分機動力や推進力はあまり感じられないかもしれない。第4楽章ではエリザベート・リンダーマイヤーも加わり、より美しく明るい音色や響きがこだましているため最後の最後までたっぷりと味わうことができるようになっている。


 クレンペラーが旧EMIに残したマーラーの交響曲はタワーレコード企画の「Definition SACD Series」から復刻したものを随分前に聴いたが、今ここで久しぶりに聴きたくなった。これはつい先日も言ったような気がする。ワルターもそうだが、マーラーと実際に生きた指揮者であり作曲家でもあったクレンペラーだからこそ表現することができるアプローチがこの録音には詰め込まれている。今回の演奏含めて「一度だけでなく、何度でも聴きたい」そんな演奏だった。