第1157回「バーンスタイン&ウィーンフィルによるマーラー交響曲第6番のUHQCD」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃先日のクラシック音楽館では今年4月15日に東京芸術劇場にて行われた第1954回定期演奏会で演奏されたエッシェンバッハ&NHK交響楽団によるマーラー交響曲第5番が放送されていました。これを聴いて私の中で「またマーラーの交響曲を聴きたい!」という欲が増したので、本日ご紹介していくのはレナード・バーンスタインがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と録音したマーラー交響曲第6番「悲劇的」とトーマス・ハンプソンを迎えてのマーラーによる歌曲「亡き子をしのぶ歌」の2曲をみていきます。


「レナード・バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」

マーラー作曲:
交響曲第6番 イ短調「悲劇的」


「トーマス・ハンプソン(バリトン)、レナード・バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」

マーラー作曲:
亡き子をしのぶ歌



 バーンスタイン生誕100年、ドイツ・グラモフォン創立120周年の企画として2018年に発売されたUHQCD仕様のバーンスタインによるマーラーが復刻された。ここでの録音はいわゆる2回目にあたるマーラー交響曲全集のもので、現時点ではSACD含めてSACDハイブリッド盤も発売されていない状態からこのUHQCD盤が高音質盤となっている。


 マーラー:交響曲第6番「悲劇的」、1988年9月録音

・・・マーラーの交響曲第6番「悲劇的」における決定盤として名盤リスト等で長年この録音を見なかったことはないと言ってもいいくらいに有名な録音である。第1楽章冒頭から近年ではあまりみられなくなったぐんぐん迫り込んでくるかのような熱量のあるエネルギーを感じることができる。しかし、常にそういった演奏というわけでもなく、「急→緩」や「緩→急」といったようなテンポチェンジやダイナミクス変化が自在に行われているということもあって聴いていて飽きることはまずない。テンポに関しては第4楽章になるとやや重めになるものの、それが功を奏しているのか金管楽器をはじめとするウィーン・フィルのサウンドにより重量感と圧倒的な音圧が生み出されている。それに加えてハンマーが振り下ろされる。このインパクトのある「悲劇的」はバーンスタインにしか表現ができないといっても差し支えないだろう。


 マーラー:亡き子をしのぶ歌、1988年10月録音

・・・先ほどの交響曲第6番「悲劇的」に関連している曲の一つでもあるこの曲。交響曲の他にマーラーが多く残した歌曲の一つである。メゾ・ソプラノもしくはバリトン歌手によって歌われ、伴奏をオーケストラが担当している。UHQCD仕様によるダイナミック・レンジの幅広さは素晴らしく、やや強めではあるものの音の広がりや歌手とオーケストラのバランスも非常に良い。交響曲を聴いているかのようなテンポの緩急や豪快ながら繊細にも描かれている演奏は聴いていてハラハラさせられるかもしれないが、最初から最後まで楽しむことができる曲集となっている。


 バーンスタインによるマーラーの交響曲と歌曲は久しぶりに聴いたかもしれないが、十二分に楽しむことができたのは間違いないだろう。現時点では当盤を含めるUHQCD盤は廃盤に近い形となっているため少々手に入れづらい。そのうちSACDハイブリッド盤が出てくれれば良いのだが、それはいつのことになるのかさっぱりわからないのでUHQCD盤でも見つけたならぜひ一度はご試聴していただければと思う。2750円という価格ながらそれ以上の価値を持っているので、コストパフォーマンス的にも非常に良い名盤と言えるだろう。


https://tower.jp/item/4728932/マーラー:交響曲第6番≪悲劇的≫-亡き子をしのぶ歌<初回限定盤>