第840回「不動の名盤、マルケヴィチによるビゼーの《カルメン》と《アルルの女》組曲」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



 みなさんこんにちは😃早いもので8月になりましたね。連日暑い日にちは続きますが、そんな夏にぴったりの名盤を一つ本日はみていきたいと思います。その名盤とは、イーゴリ・マルケヴィチとコンセール・ラムルー管弦楽団によるビゼーの「カルメン」第1組曲、第2組曲と「アルルの女」第1組曲、第2組曲、スペイン放送交響楽団によるラヴェルの「ボレロ」です。中々手に入れることができないと同時に高音質盤であるという点が大きく評価されています。


「イーゴリ・マルケヴィチ指揮/コンセール・ラムルー管弦楽団」

ビゼー作曲:
「カルメン」第1組曲

「カルメン」第2組曲

「アルルの女」第1組曲

「アルルの女」第2組曲


「イーゴリ・マルケヴィチ指揮/スペイン放送交響楽団」

ラヴェル作曲:
ボレロ



 発売当初は2000円で、廃盤となった今では2500円ほどとなり少々値段が上がっているものの多くのマニアに支持されているマルケヴィチの「カルメン」と「アルルの女」。上記2曲は1959年に録音されたもので、「ボレロ」は1966年に録音されている。

 「カルメン」第1組曲&第2組曲、熱量は多めであるものの、テンポ設定は至って冷静で快速に進むわけではない。しかしダイナミック・レンジの幅広さはSACDハイブリッド並みの威力で、これで通常CD盤とは正直思えないくらいに音質が良い。左右に分かれたサウンド作りも非常に良いし、それなりの年代録音であるのに対してノイズも少ない。各楽器による魅惑の音色や伸びやかな旋律など聴きどころ満載である。

 「アルルの女」第1組曲&第2組曲、今回のCDにおけるメインだと私は考えている。「カルメン」も組曲だったが、一曲あたりは非常に短い。しかし「アルルの女」に関しては「カルメン」よりも長い曲がいくつか目立つようになる。また劇的に表現されているのも「アルルの女」の方が多く、細かいテンポチェンジやダイナミクス、音色など細部までこだわられているのがよくわかる。パワフルな金管、打楽器とキャッチーな木管、全体を上手くまとめあげる弦楽器とそれぞれの個性的な面が目立っている。

 ラヴェル「ボレロ」、様々な楽器が同じ旋律を繰り返し続けていく中で個性的な音色と音形が展開され聴くものを飽きさせることがないのがこの曲の魅力であると考える。オーケストレーションの勉強でもよく分析されることは多いが、スペイン放送響の演奏はダイナミクス変化もわかりやすく描かれている。木管楽器のピッチが若干安定していないようにも感じられるが、音質が良いということも重なり全体のバランスも非常に良いものとなっている。

 マルケヴィチの名盤はマニアの中では知る人ぞ知る名盤が多く存在している。私はまだマルケヴィチの演奏をそれほど多く聴けていないので今後少しでも多く聴いていきたいところだ。次はストラヴィンスキーやベートーヴェン、チャイコフスキーあたりを聴いてみたいと考えている。