第759回「ブロムシュテット&ゲヴァントハウス管によるブラームス交響曲第2番、大学祝典序曲」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのはヘルベルト・ブロムシュテットとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によるブラームスの交響曲プロジェクト第二弾です。曲目としては交響曲第2番と大学祝典序曲の2曲となっています。2019年10月にライヴ録音されたもので、前回の交響曲第1番の演奏は凄まじかったのを今でも覚えています。ブロムシュテットとゲヴァントハウス管による信頼しあった仲だからこそ完成した美しさ溢れるブラームスをみていきましょう。


「ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団」


ブラームス作曲:
交響曲第2番

大学祝典序曲



 個人的な話をするとちょうど最近朝比奈隆のブラームス交響曲全集が3種類復刻されたのでそれらの購入とバレンボイム、ラトル、ベームによる交響曲全集を購入した。聴くタイミングはまだ決めていないが、どの全集も早く聴きたいくらい今ブラームスを楽しめている。以前はそこまで好きではなかったが、ようやくこの渋さを理解してきたというところだろうか。

 現役最高齢の指揮者であるブロムシュテットのブラームスはN響とも演奏をしており、そのひびきと音色にはいつも心癒されていた。ブラームス交響曲プロジェクト第一弾とされている交響曲第1番と悲劇的序曲が発売されたのは昨年10月30日。発売された時の人気ぶりは凄まじく、今回こうして第二弾である交響曲第2番と大学祝典序曲を聴くことができるのは心から嬉しい。

 第1楽章、リピートありの演奏となっている。リピートありの演奏は久しぶりに聴いた気がしたが、テンポがやや遅めの牧歌的でバランスが保たれた素晴らしい演奏である。ダイナミック・レンジも幅広く、SACDハイブリッド仕様ではなく通常CDということを思わず忘れてしまっていた。それくらいに驚く点が多い演奏となっている。

 第2楽章、緩徐楽章となるこの楽章では、より美しさが体現されており、木管楽器が心地よい音色を奏でている。ブラームスの緩徐楽章はよく木管楽器が活躍するのを覚えているが、ゲヴァントハウス管による木管楽器と弦楽器の調和的な響きと音色が最高に素晴らしい。

 第3楽章、短いながらに欲しいものを詰め込めるだけ詰め込んだかのような夢のような楽章である。先ほどの第2楽章同様に木管楽器が主体となりながら弦楽器との調和的な音色に加えてテンポが上がったことによる瞬発力が加わり次の楽章である第4楽章への準備が整えられている。多くの指揮者は歳をとるとテンポが遅くなる傾向にあるが、ブロムシュテットの指揮にはそのような感覚が全くない。さすがは現役最高齢指揮者である。

 第4楽章、美しくも力強さが感じられるフィナーレが始まる。ブロムシュテットとゲヴァントハウス管が一体化となりこの曲の終結へと進んでいく。ここまで溜め込んだエネルギーをこの楽章では発散させており最高のブラ2(交響曲第2番)が誕生した。ダイナミクスの幅はより一層広くなると同時に細かいテンポの変化も絶妙なものとなっている。

 大学祝典序曲、やや速めのテンポで始まる。悲劇的序曲とは対照的のこの曲。今回の演奏ではより曲が快活に進められていく。よくブラームスの序曲2種は光と闇という表現を多くされているが、ブロムシュテットとゲヴァントハウス管の演奏では短編(大学祝典序曲)と長編(悲劇的序曲)という言葉が合うかもしれないと私は考えた。大学祝典序曲が決して内容が薄いというわけではなく、明るい作品でなおかつテンポも速いので身体にスッと入ってくるということである。悲劇的序曲はテンポも重く、エネルギーも使う。曲的にはカッコいいが人気があるのは前者とである理由が今回の演奏でよくわかると思う。

 さて、ブラームス交響曲プロジェクト第二弾がこうして無事発売されたということは第三弾、第四弾と続いていくことがほぼ確定しているだろう。交響曲第3番に関しては大学時代に演奏しているのでそれなりに思い入れはある。今回のプロジェクト以外で購入した朝比奈隆やベーム、ラトルらの交響曲全集に関しても聴いてブラームスをより理解できたらなお嬉しい。