第758回「ケンペ没後45年、SKBとの《ラインの黄金》とスウィトナーによる《影のない女》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日5月12日はルドルフ・ケンペの命日です。今年で没後45年となります。そんな本日は昨年生誕110年記念企画としてタワーレコードで発売された「Berlin Classics SACDハイブリッド化プロジェクト」の中からシュターツカペレ・ベルリンと録音したワーグナーの楽劇「ラインの黄金」(ハイライト)と、カップリングのスウィトナーとシュターツカペレ・ベルリンによるリヒャルト・シュトラウスの「影のない女」交響的幻想曲の2曲を取り上げていきます。


「ルドルフ・ケンペ指揮/シュターツカペレ・ベルリン」


ワーグナー作曲:
楽劇「ラインの黄金」


「オトマール・スウィトナー指揮/シュターツカペレ・ベルリン」


リヒャルト・シュトラウス作曲:
「影のない女」交響的幻想曲



 ケンペといえば、ミュンヘン・フィルと録音したベートーヴェン、ブラームス交響曲全集は特に有名だが、もう一人頻繁に録音をした作曲家作品が存在する。それはワーグナーのオペラ作品である。特に楽劇「ニーベルングの指環」はバイロイト祝祭管と共に繰り返し演奏及び録音を残している。手に入れづらいことが難点だが演奏は高く評価されている。

 そして今回、そんな「ニーベルングの指環」から「ラインの黄金」(ハイライト)が収録されている。1959年録音のもので、翌年の1960年から4年連続でケンペは「ニーベルングの指環」をバイロイトで指揮している。今回の演奏はライヴのバイロイトとは違い、セッション録音という非常に貴重な演奏となっている。

 「ラインの黄金」(ハイライト)、今回の演奏はステレオ音源になっており、聴いている感じとしてもまるで生演奏、なおかつオペラを全編聴いているかのようなクオリティだ。元々2時間30分ほどのオペラだが、今回の演奏では冒頭部分と終盤のみを演奏しているため比較的短い時間で聴きやすいと考えられる。歌手陣の存在に引けず劣らずオーケストラの存在感もしっかりと残しており、どうせならばこのまま本編を聴いてしまいたいとすら考えてしまう。アナログ・マスターテープからのマスタリングによってよりダイナミック・レンジの幅広さや生々しい感覚など全てがより良い形で復刻されている。

 「影のない女」交響的幻想曲、こちらはスウィトナー指揮の同オーケストラによる演奏で、1970年録音のもの。先ほどのケンペによる「ラインの黄金」から11年は経っているものの、その重厚感と音の広がりは健在となっている。スウィトナーが得意としたドイツ音楽の響きが上手くこの曲にも取り入れられており、より深みのある重厚的で美しくも儚い演奏となっている。

 ケンペの「ニーベルングの指環」はまだ聴けておらず、今回のハイライトという形ではあるが「ラインの黄金」を聴いたのが初めてとなった。印象に関しては悪くなかったので、後日ケンペによる「ニーベルングの指環」を探して聴いてみたいと思う。同時にまだ聴いていない「ニーベルングの指環」が何種類かあるのでそろそろ1種類は1年ぶりに聴こうと思った演奏だった。