第646回「アバド&ウィーンフィルによるムソルグスキーの代表作《ホヴァンシチナ》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日1月20日は20世紀後半を代表する指揮者であるアバドの命日です。今年で没後7年となります。ベルリン・フィル、ウィーン・フィルをはじめ多くのオーケストラと残した名盤の数々は今でも多くの人々に愛されています。本日はアバドを代表もする録音の中からオペラ作品を一つ取り上げていきます。そのオペラとは、ムソルグスキーの未完に終わった歌劇「ホヴァンシチナ」です。おそらくコアなファンの方以外その名前を聞いたことがある人は少ないんじゃないかと思われますが、ロシア人作曲家作品を得意としたアバド渾身の「ホヴァンシチナ」が楽しめます。


「クラウディオ・アバド指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」


ムソルグスキー作曲:
歌劇「ホヴァンシチナ」



 序曲である「モスクワ川の夜明け」が度々演奏されることが多いこの曲、未完成ということもあり、様々な作曲家による補筆版が存在している。リムスキー=コルサコフ、ストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチ、ゲルギエフ版が主に知られている。今回、アバドが演奏の際に使用しているのはショスタコーヴィチ版だが、各幕によってリムスキー=コルサコフ版やストラヴィンスキー版を使用したりとそれぞれの良い部分を集めた演奏となっている。

 この曲を理解するには歴史に詳しくなければならない。私はまだ詳しくはないため、改めて勉強し直してから「ホヴァンシチナ」の世界観を聴きたいと思っている。曲の内容はそれだけ難解ということもあり、あまり知られていないのかもしれないが、演奏は中々面白いと思う。全5幕にわたる「ホヴァンシチナ」は、終始重く張り詰めた空気が変わらず演奏される。ウィーン・フィルがこんなどす黒いような音色を出せたのかと思わず驚いてしまう。歌手陣の歌声もこの曲にマッチした歌声で、約3時間あるこの作品にどんどん引き込まれていく。ムソルグスキーにおける最高傑作の作品としてよく名前がある「ホヴァンシチナ」、他の版も今後集めたくなるコレクター魂をくすぐるものとなったことは言うまでもない。次はゲルギエフ版を聴いてみたい。ひとまずそれまでに歴史の勉強をある程度しておきたいと思う。

 アバドによるオペラは格別であり、名盤は多い。今回以外にも「ファルスタッフ」や「セビリャの理髪師」、「カルメン」など多数ある。マーラーやベートーヴェンだけではないことを再認識させてくれた。個人的にベルリン・フィルとのラスト・コンサート時の演奏が印象的で、ベルリオーズの幻想交響曲がどこか一種の別れを暗示しているような気がした。また近いうちにラスト・コンサートは聴きたいと思っているが、一緒にベルリン・フィル、ウィーン・フィルとのドイツ・グラモフォン録音全集を聴きたいと思う。個人的にはぜひ同レーベルの他のオーケストラ録音集も出していただきたいところだ。