第634回「ケンペ&SKDによるR.シュトラウスの名作《ナクソス島のアリアドネ》がSACD化」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃12月25日に当ブログでも約1年前にご紹介したタワーレコードの「TOWER RECORDS DEFINITIONS SERIES」で復刻したルドルフ・ケンペとシュターツカペレ・ドレスデンによるリヒャルト・シュトラウス管弦楽作品全集が再び発売されました。この盤は大好評だったもので、発売されてからすぐに廃盤となりました。運良く私は購入できた次第です。この時の内容は後ほどURLを載せておきます。本日はこの名コンビが録音したもう1種類のリヒャルト・シュトラウスによる名作オペラ「ナクソス島のアリアドネ」を取り上げていきます。こちらも同日に同企画で復刻された名盤です。


「ルドルフ・ケンペ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン」


リヒャルト・シュトラウス作曲:
歌劇「ナクソス島のアリアドネ」



 12月25日に発売されたのは2種類ある。今回の「アリアドネ」とマルティノンのラヴェル管弦楽曲全集である。マルティノンによる演奏はドビュッシー管弦楽曲全集を持っているが、今回ラヴェルとリヒャルト・シュトラウスという同時期の時代に生きた2人の作曲家の作品がSACDでリイシューされたことは非常に嬉しい。特に「アリアドネ」はぜひ同じSKD(シュターツカペレ・ドレスデン)による管弦楽作品全集とセットで聴きたいところ。物足りなさなどおそらく感じないと思われる。

 シュトラウス作品のオペラとして「サロメ」や「エレクトラ」、「ばらの騎士」といった錚々たる名曲があるが、今回の作品は最も編成が小さい作品である。元々は劇付随音楽「町人貴族」の一部であった「アリアドネ」は「町人貴族」初演が不評に終わった後に「アリアドネ」はオペラ作品となり、「町人貴族」の劇中からは削除された。ちなみに1916年に初演されたこの曲は好評だった。編成としては2管編成だが、より小規模なオーケストラ編成となっている。演奏時間も約2時間とわりかし短く聴きやすい。

 当盤はケンペ&SKDとのリヒャルト・シュトラウス作品の第1弾として録音された。残念ながらこの後に他のオペラ作品は録音されなかったものの、後に名盤として語り継がれる管弦楽作品全集ではオペラから派生した管弦楽用の作品がいくつか見受けられる。今回の演奏は37人によるもので、演奏を実際に聴いてみると信じられない空間であると言える。スケールの大きさであったり、左右にふられた各楽器群などこの企画の強みがより押し出された復刻であると言えるだろう。「アリアドネ」は今回初めて聴いたが、この瑞々しく美しい世界観にはどんどん虜となっていった。編成が小規模なため、各楽器の音が細部までより聴きやすいし、歌手陣との掛け合いであったりその声には圧倒させられる。当盤の存在は以前より知っていたが、待望のリイシューになったことは間違いないだろう。

 今回のSACDは800セット限定発売とのこと。これもおそらくすぐに廃盤になることは間違いないだろう。それくらいにこの企画から出てくるSACDはハズレがない。SACD対応プレイヤーを持ち合わせていないことが非常に悔やまれるが、CD層でも十分に楽しめる。SACD対応プレイヤーについては後日オーディオ・ユニオン辺りで値段を含めて見に行ってみたいと思う。そして今回も例によって本国のオリジナル・アナログ・マスターテープからマスタリングされているだけあってこのサウンドは抜群に良い。なお今回の試聴はいつも使用しているモバイルプレイヤーで聴いている。(イヤホンは「final」の「F7200」を使用。)