第521回「没後15年、アルフレッド・リード自作自演による東京佼成ウインドとの作品集」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日9月17日は吹奏楽界において代表的な作曲家であるアルフレッド・リードの命日です。今年で15年目となりましたが、今でもなお根強い人気を誇る作品を多く残しています。そんな本日はリードが東京佼成ウインドオーケストラと自作自演を残した作品集を取り上げます。これを聴けばアルフレッド・リード作品を網羅したと言っても過言ではないでしょう。

 

 

「アルフレッド・リード指揮/東京佼成ウインドオーケストラ」

 

 

アルフレッド・リード作品集プラス

 

 

 

 初期から中期、後期という曲順で収録されている今回、目玉としては特別付録として入手困難である「アルメニアン・ダンス part1」のコンデンス・スコアが掲載されている。リードファンのみならず、吹奏楽ファンなら所持していて損のない曲集である。

 

 まず曲目を見ていこう。

 

[CD1]

1. ロシアのクリスマス音楽

2. バラード~アルトサックスのための

3. 音楽祭のプレリュード (フェスティヴァル・プレリュード)

4. シンフォニック・プレリュード

5. サスカッチアンの山

6. パッサカリア

7. ミュージック・メーカーズ

8. ジュビラント序曲

 

[CD2]

1. 「ハムレット」への音楽

2. アルメニアン・ダンス・パート1

3. アルメニアン・ダンス・パート2

4. パンチネロ

5. 第1組曲

 

[CD3]

1. オセロ

2. 第2交響曲

3. 第2組曲 (ラティーノ・メキシカーナ)

4. 魔法の島

5. 春の猟犬

6. ラッシュモア

 

[CD4]

1. 第3組曲 (バレエの情景)

2. ヴィヴァ・ムジカ!

3. 小組曲

4. エル・カミーノ・レアル

5. ゴールデン・ジュビリー

6. エルサレム賛美

7. サリューテイションズ

 

[CD5]

1. 第3交響曲

2. カーテン・アップ!

3. 春のよろこび

4. 第4組曲 (シティー・オブ・ミュージック)

5. 第4交響曲

6. エヴォリューションズ

7. J.S.バッハ/A.リード: 主よ、人の望みの喜びよ

 

 「アルメニアン・ダンス全曲」や「春の猟犬」、「エル・カミーノ・レアル」、「音楽祭のプレリュード」など有名作品の他にも多くの名曲を収録している。

 

 いくつか曲を取り上げよう。「アルメニアン・ダンス」、パート1はわりかし演奏される機会が多く何十年経ってもプロ、アマチュアなど多方面から人気を誇る名作中の名作だ。パート2は難易度も格段と上がり、今日においてはパート1、2バラバラに演奏されることが多い。これまでこの作品は多くの吹奏楽団、及び吹奏楽部の演奏を聴いてきたし、私自身2度演奏したが、一番理想的なサウンドとなっていると初めに断言しておく。リード自身が指揮を振っているため音色や曲に対する表現はわかりやすくなっている。初めて聴いた際は東京佼成ウインドオーケストラのサウンドとは思わなかった。こんなにも美しくバランス良く演奏されているものはそうそうない。同吹奏楽団のフェネル盤も所有しているがメリハリがあり迫力があるのはフェネル盤で、リードによる自作自演はそれと対比的なサウンドだと私は考える。何より管楽器の音色がオーケストラのようであるため耳が疲れない。パート1最後の「行け、行け」もテンポが走りやすいが安定感のあるテンポで全体的に活気がある演奏となっている。

 

 「エル・カミーノ・レアル」。スペイン語で「王の道」と訳される本作は「アルメニアン・ダンス」と双璧とされ、今日において多くの吹奏楽団、吹奏楽部に演奏されている名曲。オーケストラ編曲版も存在している。三部形式になっており、作品としては非常にわかりやすい。難曲として扱われることが多い曲ではあるものの、今日における難易度が極端に高い吹奏楽曲と比べたらこの曲の方がまだ楽に思える。演奏として冒頭のファンファーレから始まる疾走感溢れる部分は誰が聴いてもカッコいいと答えることは間違いないだろう。中間部は非常に美しく、各楽器が生き生きと歌い上げている。特にホルンやユーフォニアムなど中音域楽器がメインとなっている。再びテンポが冒頭と同じ形に戻るとノンストップと言わんばかりに駆け抜けていく。思えばこの曲を卒業後にやったことで再び吹奏楽を演奏する扉を開くきっかけになったのだが、またこれは別の話。

 

 他にもリードの名作はたくさんあるのだが、正直載せきれないのが現状。この他に関してはぜひ聴いてみてほしい。良い意味で期待を裏切られることは間違いないと言っておこう。これまでの吹奏楽のイメージが大きく変わる作品集だった。今年は生憎全日本吹奏楽コンクールは実施されなかったが、来年度に期待したいところだ。ひとまずまずはコロナがいち早く終息へ向かってほしいと心から願っている。

 

https://tower.jp/item/2149833/アルフレッド・リード作品集-プラス