第522回「クルト・ザンデルリンクを代表する名盤、ベルリン響とのブラームス1番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日9月18日はクルト・ザンデルリンクが亡くなった日。そして明日はそんなザンデルリンクの誕生日でもあります。今日明日にかけて2日間はそんなザンデルリンクの名盤を2種類ご紹介したいと思います。まず本日はブラームスの交響曲第1番を取り上げます。オーケストラはザンデルリンクが長らく演奏を共にしたベルリン交響楽団が演奏しています。ザンデルリンクを代表とする録音をみていきましょう。

 

 

「クルト・ザンデルリンク指揮/ベルリン交響楽団」

 

 

ブラームス作曲:

交響曲第1番

 

 

 

 今回の演奏は「クルト・ザンデルリンク・エディション」に収録されているもの。ブラームスの他にブルックナー、ベートーヴェン、ラフマニノフが収録されている。また、ベルリン響とのブラームス交響曲全集はちょうど最近タワーレコード限定でSACDシングルレイヤーが発売されたばかりだ。これに関しては私自身SACD対応プレイヤーを持ち合わせていないため、今回は通常CDである「クルト・ザンデルリンク・エディション」を購入している。なんといってもこのボックスを購入するだけでブラームス交響曲全集が手に入る上に、ザンデルリンクが早い段階で取り上げた貴重なラフマニノフの交響曲も収録されている。こんなにも得するボックスを私は知らない。

 

 ザンデルリンクはブラームスの交響曲をベルリン響の他にシュターツカペレ・ドレスデンとも録音を残し、全集を完成させている。こちらに関してもタワーレコード限定でSACDハイブリッド盤が発売されているため比較用として購入している。さて、ザンデルリンクの演奏するブラームス1番、旧盤とされるシュターツカペレ・ドレスデンとの演奏と比較しても演奏時間は伸びており、より円熟したブラームスを聴くことができる。1楽章冒頭からその空気感に引きずり込まれ、誰もが求めていたであろう理想のブラームスを堪能することができる。過去に話したことがあるが、私個人として最初はブラームスはあまり好きではなかった。理由としては渋く、ベートーヴェンの交響曲の延長線上に存在する重厚的なサウンドがあまりヒットしなかった。しかし、自粛期間中にもブラームス作品に触れる機会はいくつもあり様々な演奏を聴くにつれその魅力に惹かれていった。今回の演奏はテンポもゆったりと歩み寄り、落ち着きながらもイエス・キリスト教会での美しい響きを味方にしている。弦楽器にはそれほど厚みもないが、まとまりのある安定感ある演奏だと言えるだろう。長年ザンデルリンクが演奏してきた重要なレパートリーなだけある。特に2楽章はクリアな美しさとなっている。3楽章は素朴な感じではあるものの、牧歌的であり何より風情がある。ため息が出てしまうくらいに美しい。4楽章に入ると集大成と言わんばかりにオーケストラ全体が一致団結し、天国にでもいるかのような美しいサウンドを作り出している。通常CD盤を聴いているわけだが、すでにクリアな音質なのに対して、SACDシングルレイヤーはどれほどの代物なのか非常に気になる結果だった。

 

 ザンデルリンクのCDは私自身まだそれほど収集できていない。今後としてはマーラーの交響曲を中心に収集していきたいところである。また、同ボックスに収録されている他のブラームスの交響曲やラフマニノフの交響曲も聴いておきたい。今回のブラ1(交響曲第1番)が非常に素晴らしかったのだから他の演奏が気になるのは当然のこと。明日も同じボックスの中から一曲ご紹介する予定ですので、何が出てくるか考えてみてください。

 

https://tower.jp/item/4100713/クルト・ザンデルリンク・エディション