特別編3「500種のCDを聴いたマーラー通がオススメする交響曲第8番《一千人の交響曲》!!」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



みなさんこんばんは🌇
今日までに500種類に及ぶマーラーの交響曲を聴いてきた私がオススメする特別編。
今日で3日目となります。6番「悲劇的」、1番「巨人」をこれまでご紹介してきましたがどうでしょうか。実際問題5つに絞るのは中々難しく、他にもご紹介したいCDはたくさんあります…
また別の機会に他のCDはご紹介できればと思っています。
さて3日目となる今日、ご紹介するマーラーは交響曲第8番「一千人の交響曲」です!
第九以上の人数を必要とする超大作。二部構成でこれまでの交響曲としての概念を打破した作品でもあります。
今回はマーラーの「一千人」を5種類見ていきましょう。


マーラー作曲:
交響曲第8番「一千人の交響曲」


一曲目:ゲオルグ・ショルティ指揮/シカゴ交響楽団


このCDが録音された当時、人手が必要なためあまり録音されることがなかったこの曲。
同時期にはアブラヴァネルやクーベリック、バーンスタイン、ハイティンクらが全集を作成していたが、おそらくそれらの演奏を軽々と超えてしまうものこそがショルティによる演奏だろう。
シャープな演奏が多いショルティだが、半世紀経っても今なお頂点に立ち続けるウィーンフィルとのワーグナー・オペラの最高峰である「ニーベルングの指環」。その時と同じ衝撃がこの演奏で味わうことができる。
オルガンの音が凄まじく、この演奏を聴いてしまうと正直他のオルガンがやたら小さく感じてしまい物足りなくなってしまう。
ただ、個々の主張が激しいわけではなくその点はバランス良く作り込まれている。第一部の冒頭オルガン音だけでも手応えは大きく掴めると思う。
合唱の歌声も非常に良い。




二曲目:小澤征爾指揮/ボストン交響楽団


日本を代表する指揮者として名高い小澤征爾がボストン響と共に完成させた交響曲全集の一部として発売されたこのCD。
この全集に関しては全体的にハイレベルな演奏が楽しめるので、期待を裏切れることはまずない。特に合唱に視点を置いてみると伸びやかに歌い上げており、まさに天上で聴いているかのような美しさすら感じられる。
荘厳的なトランペットの音色が歌手や合唱団との相性は抜群になっている。
サイトウキネンともマーラーは何番か演奏されたが、その時よりもエネルギーに関しては断然こちらの方が上。最初から最後まで楽しむことができることは間違いないだろう。



三曲目:ピエール・ブーレーズ指揮/シュターツカペレ・ベルリン


現代音楽作曲家であり、指揮者でもあったブーレーズの凄みとはスコアに記載のある音全てを自身の計算に基づき完璧に演奏する点だろうか。
つまるところ楽譜通りで固いイメージを植え付けられるかもしれないが、安定感に関してはどの演奏と比較しても比べ物にならない。
安心して聴くことができるというのが一番だろう。数ある交響曲の中でも難曲の部類に入るこの曲を乗りこなすのは中々難しい。
最大限にまで拡大されたオーケストラと合唱、歌手陣そしてバンダ隊。
全ての楽器を把握し、その空気感をモノにできるのはブーレーズ以外いないだろう。この演奏はその凄みを感じさせられる。



四曲目:ガリー・ベルティーニ指揮/東京都交響楽団


日本におけるマーラーのプロフェショナルである都響がベルティーニと演奏した「一千人」。残念ながら全曲CD化されなかったが、そのクオリティの高さは素晴らしいものとなっている。若杉弘、のちにインバルと完成させる交響曲全集のつなぎ役となった今回の演奏はすでにケルン放送響と全集を完成させたベルティーニによってオーケストラの力が最大限にまで引き上げられており、聴くものを至福の時へと誘うだろう。
テンシュテットのマーラーもそうだが、やはりマーラーの名演はライヴでこそ誕生するということをこの演奏を聴き思い知らされる。すでに廃盤ながら多くの人々から人気も得ているため、入手して聴いた時の達成感は大きいことは間違いない。



五曲目:小泉和裕指揮/九州交響楽団


近年録音された「一千人」の中でも特に素晴らしいこの演奏。今年に入って3番のCDも発売して大きな話題を呼んだ九響のマーラー第一弾である。
全体的にまろやかでどちらかと言えばブルックナーによっているような神々しさで伸びやかな演奏である。歌手陣や合唱の歌声も生き生きとしており、第一部の冒頭の歌い出しでさえこの演奏は別格であるというその存在を大きく見せつける。ショルティの演奏はオルガンが特に素晴らしかったが、九響の演奏は合唱の素晴らしさがよく目立つ。この演奏に迫力が加わっていたならば、ショルティの演奏を上回ったことだろう。
しかし、この曲に関しては30種類以上聴いてきたが上位にランクインすることは間違いない。個人的にはショルティの演奏が一番なので、九響の演奏は2番目である。


いかがでしたでしょうか!マーラーが得意とした歌曲と交響曲が融合した最高傑作。どれも素晴らしいものですが、その中でもこの5種類は特に印象強く頭の中に残っている演奏です。
バーンスタインやアバドの演奏もスタンダードですがよりかっこよく、より派手で美しいものは今回の演奏が該当するでしょう。
明日はどの交響曲をご紹介しましょうか…
とりあえず一番有名なあの番号で行きましょうかね。
気になったものがあればぜひ聴いてみてください!きっと気にいるものばかりだと思います!!


↓交響曲第6番「悲劇的」編

特別編「500種のCDを聴いたマーラー通がオススメする交響曲第6番!!」
↓交響曲第1番「巨人」編

特別編2「500種のCDを聴いたマーラー通がオススメする交響曲第1番《巨人》!!」