特別編2「500種のCDを聴いたマーラー通がオススメする交響曲第1番《巨人》!!」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



みなさんこんばんは🌇
さて、昨日の夜に投稿した特別編と題されたマーラー通でもある私がオススメする交響曲第6番「悲劇的」の5種類のCD。
毎日このシリーズができることが一番の理想ですが、仕事もしているので投稿がどうしても夜になってしまうことはご了承下さい…
そして今回、特別編第二弾としてご紹介しますマーラーの交響曲は、交響曲第1番「巨人」です!
マーラーが最初に作曲した交響曲であり、人気もある名曲。
4楽章の終盤ホルンがスタンドアップで演奏する演出は今日の吹奏楽に近いものを感じさせられます。
それと同時に初めて録音されたのが1930年代。そして今日まで多くの指揮者が演奏してきました。
その中には吹奏楽編曲版なるものもあるのですが…
それでは今回も500種類のマーラーを聴いてきた私がオススメする「巨人」を5つご紹介していきたいと思います!!


マーラー作曲:
交響曲第1番「巨人」


一曲目:レナード・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック


皆さんご存知バーンスタインによる演奏。バーンスタインはマーラーの交響曲全集を映像含め3種類完成残しているが、このニューヨーク・フィルハーモニックとの演奏はその中でも1回目による演奏であり最もエネルギッシュな演奏であると私は思う。
この曲に関して私は大学1年の時に初めて挑戦した交響曲としてこの曲を演奏した。(パートはトランペット1st)吹奏楽上がりだったこともあってか、トランペットがよく目立つ立ち位置にあるこの曲に引かれて大学内の図書館でCDを探すことにした。その時に聴いてよく参考にしたのがこのCDである。
テンポは速いが、オーケストラ全体のバランスや各楽器のソロなども魅力的な面も非常に多い。
昨日も言ったが、マーラーを知るならばバーンスタインの演奏は必ず聴いたほうがいいだろう。
特にラストのテンポの追い上げは興奮しない方が難しい。



二曲目:ブルーノ・ワルター指揮/コロンビア交響楽団


マーラーを語る上でワルターの存在も忘れてはならない。マーラーの盟友でもあるワルターは二台ピアノ版を編曲、この曲の世界初録音を残すなど全交響曲演奏までにはいかなかったがマーラーとの繋がりは切ることができない。
今回の「巨人」でさえワルターが指揮を振り残した録音の数は5種類以上あるのだが、このコロンビア響との演奏のものが一番音質も良く演奏も素晴らしい「巨人」と私は考える。リピートはなしなのだが、現在におけるマーラーのスタイルを確立したのワルターとも言えるので必ず聴いておきたい。各楽器から奏でられる調和の音は心地良いもので、まさに「自然」を強く感じさせられる。
最近ワルターのステレオ録音がSACDハイブリッド盤となってさらに良い音質で聴けるようになった。このチャンスは逃したら後悔するはず…



三曲目:アンドレア・バッティストーニ指揮/東京フィルハーモニー交響楽団


東フィルと今日本のクラシック音楽界でその名を知らない人はいないであろうバッティストーニが演奏した熱演。
従来の表現とはまた違う点から魅せられるこの演奏はパリパリとした金管楽器群の音色が非常にカッコいいと思わせられる。
テンポ設定は自由なため通常よりやや速めに感じられるため、どこかバーンスタインの「巨人」が懐かしくなるのだが、年齢も若い指揮者であるバッティストーニと日本のオーケストラによるエネルギッシュな「巨人」が聴けるのはこの演奏しかないだろう。爆発力に関してはこの演奏がトップクラスなのは間違いない。最後はほとんど金管楽器の音しか聴こえないというのもある意味スコア通りという解釈にもとれるので面白い演奏といえる。



四曲目:エリアフ・インバル指揮/東京都交響楽団



過去にフランクフルト放送響とも交響曲全集を作ったインバル。彼が奏でるマーラーの音色は現代において理想的な形に一番近い。そして今回演奏するのは若杉弘と日本初のマーラー交響曲全集を完成させた東京都交響楽団。
今回のCDに関しては通常盤とダイレクト・カット盤、ワンポイント・レコーディング盤などものによって3種類に分かれており、全て集めようとすると金額は10万円を超えてしまう…
今回は通常盤をご紹介するが、音質や各楽器の音の鳴りが非常に美しい響きを持っておりとてもライヴ録音によるものとは思えない。長年SACDを販売しているエクストンだからこそなし得た技なのだろう。
インバルによるハミングが途中聴こえるため、そういうものが嫌いな方は嫌がるかもしれないが、演奏のレベルに関してはマーラーに適した音色、音形となっているので注目度は非常に高い。



五曲目:フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクル


近年フランス音楽を中心にピリオド楽器(古楽器)を用いたオーケストラを率いて数多くの名演を残しているこのコンビが挑んだマーラー。ピリオド楽器での演奏はこれが初。
今日に演奏される「巨人」は4楽章形式だが、今回の「巨人」は5楽章形式に則った作品となっている。元々は交響詩であったこの曲の本来の姿を聴くことができるということで発売当初話題になった。
ピリオド楽器のためパワーはないに等しいが「優しさ」や慈愛に満ちた演奏はこの他に見当たらない。本来2楽章の立ち位置にあった「花の章」の美しさと言ったら言葉を失ってしまう…特にトランペットを吹いている人に聴いていただきたいCD。


いかがでしたでしょうか。マーラーの交響曲は番号が違かったとしても関連性の強い交響曲はいくつもありますが、この「巨人」はその影響を受けていない純粋な作品。上記5種類以外にも素晴らしい演奏はたくさんあるのですが、この5種類に絞らせていただきました。
ちなみに私はワルターの「巨人」が一番のお気に入りです。
それではまた次回の特別編でお会いしましょう。次はどの番号をご紹介しましょうか…
悩みどころですね…

↓交響曲第6番「悲劇的」編

特別編「500種のCDを聴いたマーラー通がオススメする交響曲第6番!!」