第365回「新規マスタリングを経て進化したケンペとミュンヘンフィルのベートーヴェン交響曲」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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みなさんこんにちは😃
今日まで様々なベートーヴェン交響曲全集を聴いてきました。
最近聴いたエソテリック盤のケンペとミュンヘンフィルによるベートーヴェン交響曲全集を取り上げたのが第355回のこと。

↓第355回のブログはこちら

今回取り上げるのも同じくケンペとミュンヘンフィルのベートーヴェン交響曲全集。
ただ前回のエソテリック盤と決定的に違うところがあり、今回は3曲の序曲も含めて戻ってきたタワーレコード限定SACDハイブリッド盤。
9年前のエソテリック盤とどう違うのか改めてその進化を見ていこう。


「ルドルフ・ケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団」


ベートーヴェン交響曲全集、序曲集



話題を呼んだエソテリック盤から9年。
エソテリック盤は現在ではプレミア価格となっていて値段も非常に高くなっている。
すでに廃盤となっているため新品はなく、中古がごく稀に手に入るのだ。
そして今回新規リマスタリングを行なって戻ってきたケンペのベートーヴェン。
交響曲だけではなく序曲も追加となっているのが嬉しいところ。

序曲としては
バレエ「プロメテウスの創造物」作品43より序曲
劇音楽「エグモント」作品84より序曲
「レオナーレ」序曲第3番作品72b

の3曲が追加となった。
いずれの序曲も今回世界初SACD化。
今回の企画としてはケンペ生誕110年、ベートーヴェン生誕250年記念企画によるものだそうで、エソテリック盤以来満を辞しての再登場。
おそらく多くのファンの方々は待ち焦がれたのではないでしょうか?
私は今回のタワーレコード盤が発売される際、エソテリック版とどのように違うのか好奇心が湧いてしまったため、タワーレコード盤が発売される前にまずエソテリック盤を購入。そしてその後に今回のタワーレコード盤を購入した。
その後はエソテリック盤を聴いた後にタワーレコード盤を聴いていく流れをとったのだった…

聴いてみて違いは歴然。
一番わかりやすい違いとして比較しやすいものとしては交響曲第3番「英雄」の1楽章冒頭がふさわしい。
冒頭の一発がエソテリック盤以上にタワーレコード版の方がより深みを増していたのだ。
心の奥底まで「パンッ」ときたのは紛れもないタワーレコード盤。
しけた音ではなく良い音で鳴っている印象を強く受ける。
同じ演奏でもマスタリングが違うだけでここまで変化するものだと改めて感じさせられた。
今回のタワーレコード盤はディフィニション・シリーズからの発売で、これまでクレンペラーのブルックナー交響曲第4〜9番&ワーグナー管弦楽曲集やバルビローリの歌劇「蝶々夫人」やカイルベルトの歌劇「魔弾の射手」などの名盤をSACDハイブリッド盤で蘇らせた。
故にこのシリーズ独特の「深み」があるのだが、
これは決して悪いものではなくより音楽を壮大に、かつまとまりある奥深い音にさせてくれる。
また、エソテリック盤では若干感じられたノイズも薄められていてノイズを嫌う人への配慮も伺える。
エソテリック盤でも充分ワクワクしたが、今回のタワーレコード盤ではそれ以上にワクワクした。

値段に関してもお手頃価格でプレミア価格となってしまったエソテリック盤が3万円なのに対し、タワーレコード盤はまだ発売したばかりなので15000円とエソテリック盤と比較しても半額に近い。ただ前回同様にセット数も少なく1500セット限定での販売のためいつなくなってもおかしくはない。
ただ新規マスタリングの力は非常に大きいので、期待は充分にして良いと思う。
現にタワーレコードのカスタマーズボイスは高評価で埋まっている。

さて今日までベートーヴェンの交響曲全集が続々とSACD化されて戻ってきている。
そのうちトスカニーニのベートーヴェンもSACD化るのだろうか…
とりあえずは今回のケンペの交響曲全集は成功以外の言葉はまずあり得ないので気になった方はお早めに!