第362回「美の結晶!セルが追い求めた理想のモーツァルト交響曲選集」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



みなさんこんにちは😃
最近ようやくモーツァルト、ハイドン、バッハに手を出し始めました。
とは言ってもマーラーやベートーヴェン、ブルックナーなど頻繁に聴くレパートリーの中にはまだ入り得ない現状。
しかしこの自粛の中自宅にいる機会が増えるのでこれを機にどんどんモーツァルト、ハイドン、バッハの作品を聴いていこうという目標を掲げています。
そんな今回はモーツァルトの交響曲、管弦楽曲作品集をご紹介。
演奏しているのは20世紀を代表する指揮者であるジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団。
1960年代の録音ながら素晴らしいサウンドを聴けます。


「ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団」


モーツァルト交響曲第28,33,35,39〜41番他



セルと同時期に活躍したモーツァルトを演奏した指揮者といえばワルター、フルトヴェングラー、ベーム、カラヤンらが該当するだろう。
彼らの演奏したモーツァルトも今日において重要な立ち位置の名盤、名演であることに関しては間違いない。
セルが奏でてきた作品たちは今日においてどれも理想的な演奏であり、クラシックファンは必ず通る道。
今回のモーツァルト交響曲6曲、セレナード2曲、ディベルティメント1曲、序曲2曲がソニー・クラシカルの手によって新たにSACDハイブリッド盤となって帰ってきた。
今日において古典作品は大オーケストラで演奏するよりも小オーケストラで演奏する機会が非常に多いわけだが、セルはある意味それの先駆けと言っても良いだろう。

セルが追い求めた理想のモーツァルト像。
それを演奏で実現するために小編成オーケストラで演奏した。また演奏者に関しても固定とし、オーディションを勝ち抜いた精鋭たちによって構成したと記載がある。
そして演奏に関して小編成での演奏ということもあってか非常に引き締まった演奏でなおかつ強靭的、近年のベートーヴェン作品の演奏の体型により近い形となっている。
同時の主要なモーツァルトの演奏と照らし合わせて考えてみたとしてもセルのような演奏をしていた指揮者は他にいないだろう。
引き締まった演奏で強靭的な作りではあるのだが、派手な演出をしていない点がシンプルさをより掻き立てている。
とはいえ常に強靭的というわけでもなく、小編成であるが故緩やかな楽章の時ほど色彩豊かなアンサンブルを頼めるというものは他にない。
まだ私自身モーツァルトの演奏についてガッツリと聴き入っているわけではないが、ある意味セルの追い求めたモーツァルトは理想的な演奏なのかもしれない。
聴きどころとしては各交響曲のフィナーレ楽章(4楽章)の疾走感あふれる演奏に関しては他の同曲の演奏にはないものを聴かせてくれる。
それはきっと小編成である点でなおかつより演奏が引き締まり、強靭さが増すからなのかもしれない。

今回の選集は最初に話した通りSACDハイブリッド盤として蘇ったもの。
それにより音質に関しては申し分ない。
さすがはソニー・クラシカルというところで、これまでセルのSACDハイブリッドシリーズとしてはベートーヴェン、リヒャルト・シュトラウス&マーラー、シューマン&メンデルスゾーン、ブラームスなどがあったがどれも高くもなく安くもない値段で販売されていて非常にちょうど良い。
カラヤンと同時期に活躍をした指揮者セルが表現してきた演奏の数々がこうしてより良いものとして戻ってくるのは素晴らしいことだと私は考える。
今現在はワルターの名作を初のSACDハイブリッド盤で発売している熱い時期。
最後のマーラーが楽しみなところだ。