第219回「まさに奇跡的!カラヤンとフィルハーモニア管による色あせることない名盤ばらの騎士!!」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



みなさんこんばんは🌇
今日のネタを考えながら練習をしたりしていたらすっかり夜になっていました…
本日ご紹介していくのはリヒャルト・シュトラウスの名作オペラ「ばらの騎士」。
指揮しているのはヘルベルト・フォン・カラヤンで後にウィーンフィルと録音したのは過去にブログでも取り上げましたがそちらも名盤とされています。
今回の演奏はフィルハーモニア管弦楽団との演奏です。
絶頂期を迎えたカラヤンとウィーンフィルとの演奏と、若さあふれるエネルギッシュなフィルハーモニア管との演奏2種類の「ばらの騎士」を比較しつつご紹介していきたいと思います。


「ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/フィルハーモニア管弦楽団」


リヒャルト・シュトラウス作曲:歌劇「ばらの騎士」



まず演奏を聴いたとき多くの方々はきっと驚かれるはず。
その音質の良さという点もそうなのですがまず演奏が大変素晴らしい。
ウィーンフィルとの「ばらの騎士」も十分素晴らしかったのですがベルリンフィルの音楽監督に就任や活発的に多くの名曲を録音し始めたのと同じ時期の1950年代に録音されたこの演奏。
1957年にはカラヤンがベルリンフィルと日本演奏旅行のために来日されています。

ウィーンフィルとの演奏もテンポは速めの設定でしたがこのフィルハーモニア管との演奏はそれよりも速く軽快かつ美しい。
オーケストラの技量的な厚みはやはりベルリンフィルやウィーンフィルの方が上ですが美しさあふれんばかりの音はフィルハーモニア管も負けていません。

歌手陣も豪華でオクタヴィアン役に20世紀の歌曲や歌劇における重要な歌手であるクリスタ・ルートヴィヒが、オックス男爵役にはオットー・エーデルマン、シュヴァルツコップによる元師夫人など歌手にも目がいってしまうほどの豪華っぷりにはまさにあっぱれです。
カラヤンが毎度オペラの歌手に対しての力の入れように関しては中々のもので多くの名曲を名演奏者とともに演奏しています。
その多くが今日まで聴かれている名盤のほとんどとなっています。

モーツァルト・オペラを目指し作られているこの曲。
常に明るくテンションも高めな曲であるためにテンポが速めに設定された状態で演奏されているのはまさに成功といえます。
と同時に美しさが全面的に出た弦楽器ときらびやかな木管楽器も魅力的な点ではありますが忘れてはならないのがもう一つ。
金管楽器の存在です。
リヒャルト・シュトラウスの作品ほとんどが金管楽器に対してまず優しくはない。
トランペットとホルンに対してがまさにそうですが高音域+難易度の高い旋律とアマチュア陣ではまず吹くのが難しいです。
しかしながらフィルハーモニア管の精鋭達はそれを余裕ある形でたっぷりと演奏します。
近年「ばらの騎士」の録音がそもそも存在しないため後のカラヤンとウィーンフィルの録音とカルロス・クライバーの演奏が特に名盤として今もなお語り継がれています。

「カラヤンの音楽時代がようやく来た」と言わんばかりの演奏に多くの人々が心を奪われてしまうに違いないこの演奏。
短い周期で何度もリマスターを繰り返しているため音質の向上は本当に素晴らしいです。
これまでバーンスタイン、カラヤンとウィーンフィルとの演奏を聴きましたがカラヤンの若さとエネルギーが大いに感じられるのはこのフィルハーモニア管との演奏であるのは間違いないかと思われます。
正直言って右に出るものはまずありません。

演奏時間もCD3枚あるため長いように思えますがテンポもどんどんと次に進んでいきますし、話の内容もすぐに頭の中に入ってくるため全てを楽しみながら聴き終えることのできる演奏が出来上がっています。
これが1950年代に演奏されていると考えると恐ろしさすら感じられてしまうのですが数少ない「ばらの騎士」全幕演奏の名盤トップは間違いないでしょう。
できることならSACDもあることですしSACDハイブリッドも出してほしい。
そんなことを考えてしまいます。