第220回「プロコフィエフの祖国への愛が詰め込まれた作品、バーンスタインによる演奏で交響曲5番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



みなさんおはようございます☀
交響曲第5番。これを聴いてみなさんはどの作曲家が浮かびますか?
ベートーヴェン、ブルックナー、チャイコフスキー、マーラー、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、シベリウス。
交響曲の中に「第九のジンクス」があるように5番という数字はベートーヴェン以降の交響曲作曲家でヒット作が非常に多い番号です。
そんな今回取り上げるのはもちろん交響曲第5番。誰のかと言いますとプロコフィエフの5番になります。
演奏はバーンスタインとイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団です。


「レナード・バーンスタイン指揮/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団」



バーンスタインはニューヨーク・フィルハーモニック、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、そしてイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の3つと特に頻繁に演奏活動を行いました。
その中には名盤として語られる曲も多く存在しています。

今回ご紹介するプロコフィエフの交響曲第5番はプロコフィエフの交響曲の中でも特に人気のある作品で、歴史的にヒトラー率いるドイツがソ連に攻め込んだ同時期に作られておりその時これまでにないほどの祖国への愛が目覚めたといいます。
交響曲第5番はその思いが入っているのと同時に作品番号100という節目にもなっておりこれまでにくらべより一層プロコフィエフの作品に対する意識は大きかったものと考えられます。

演奏された時期は1979年でバーンスタインは過去に1966年にも同曲を録音しています。(この時はニューヨーク・フィルハーモニックとの演奏。)
今回のイスラエルフィルとの演奏はライヴ演奏になっています。また演奏スタイルとしてもこれまでのような若い頃のように活発なまでのテンポ設定と感情をどんどん音楽に対して表現を行うために注いだ時期とは違い徐々に重厚感ある晩年のスタイルに変化しつつある時期こそがこの5番が演奏された時期です。
同時期には一度きりとなったベルリンフィルとの共演も行われています。
その時の選曲はバーンスタインの十八番マーラーの交響曲第9番でした。

バーンスタインが愛したオーケストラの一つとされているイスラエルフィル。その演奏の中でも特に演奏クオリティも高くニューヨーク・フィルハーモニックやウィーンフィルとも負けていない迫真の演奏に心が奪われてしまいます。
歌うところにおいてはしっかりとどっぷり歌い。激しいところは疾走感のあるテンポで駆け抜けていく絶妙なバランス感を味わうことができます。
特に2楽章を終えた後の3楽章に関しては力の入れようも違いますしこれは泣かせに来ているなと思わず思ってしまいます。
しかしそれが良い。

CDとしては長いこと廃盤になっていましたが2010年に待望の再販となり今では多くの人々がこの演奏を聴くことができるようになっています。
また、映画音楽?とも思えてしまう曲の作りに普通の交響曲とはまた違い一味も二味も楽しめる演奏となっています。
1970年代はクラシック音楽的にほとんどの指揮者が自身の力を出し切っている人々が多い年代だったこともあり名盤も多く存在しています。
それらの演奏を聴きまた一つ自身の知に変えていければと思いました。