虐待の証明  ミス・ペク <미스백> | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

<ヒューマン>

   監督:イ・ジウォン

   出演:ハン・ジミン、イ・ヒジュン

 


東京国際映画祭にて。

隣のお姉さま、かなり泣いてました。。。私はそうでも無かった。

けど。。。胸が痛すぎたわ。

 

虐待する親。その親も子供の頃に虐待されていたと訴え。虐待から守ろうとする女性もまた、虐待を受けた過去を持つ。

似たような経験をしていても、その後どう生きていくのかは、その人次第という事だけれど。

 

切なくて。痛くて。どうしようもない虚しさ。

どこの国でも実際にあるお話しなので。余計に辛い。

 

父親を演じていたのが、『犯罪の女王』で私のお気に入りの役、ドックちゃん。ペク・スジャンさん。。。も~、もうねぇ。とんでもなくダメなクソ親ですわ。

その上を行くクソ義母。これまた凄い。

本当にこやつ、頼むから消えてくれ!と。何度も何度も心から祈りました。。。って。本当はもっと本格的なヤバ目な言葉を唱えてましたけども。ここでは自粛(笑)。

いや、マジで。最後まで本気で憎らしくてしかたなかった。演じている女優、イ・ジュヨンさん(元AFTER SCHOOLの方では無いよ)が上手、って言うのもあるんでしょう。

 

ハン・ジミンさんにも驚いたわ。

最初は、あぁ、彼女って、こんな役もやってたのね。知らなかったわ。と思っていたけれど。最後のQ&Aで監督が言ってました。韓国で(彼女がこんな役をやった事に対して)ちょっとしたパニックになってるって。

そりゃそうだわ。可愛いらしい、清楚なイメージの女優さんですもの。このイメチェンは驚くよ。

 

美人女優もいつか脱皮しなくちゃいけない訳だけど。。。まさにこの作品が、彼女の選んだそれ、だったようです。

良いんじゃないでしょうか。確実に演技の幅が広がりましたね。

 

あぁ、だけど。。。だけども。。。ミーハーな私の今回の一番は、やっぱりヒジンさんでした。

元々、『海にかかる霧』とか、『戦場のメロディー』の彼が好きだった訳ですが。あちらはおおよそ、カッコいい、って感じじゃないもの。

けど。この作品の彼は、間違いなくカッコ良かった。

お姉さんが「セクシーな顔なんだから」って言うシーンがあるんだけど。大きく頷いたわ。ほんと、なんだか今回はイヤにセクシーに見えて。途中から妄想ワールド大突入!

私、お嫁に行って、お姉さんと食堂で働きながら一緒に暮らすわ。なんて。妄想にふけってしまって。。。シリアスドラマなのに。。。アホな私。。。だから泣けなかったんかな。。。反省(汗)。

 

まぁ、そんな事もありながら。

胸を掻きむしられるような痛みが最後まで続く、決して軽くはない作品でありますが。

演者さん達のちょうど良い力量プラス、女性監督の繊細さのお陰なのか。一部、このての社会問題系作品に見られる、重過ぎて具合悪くなりそうな空気感というようなものは無く。←そっち系も嫌いでは無いが。

取り敢えず。目を背けたくなるような汚れた世界を、最後までわりと冷静に、しっかりと見届けられた気がしますわ。