十二月十日、日曜日朝、何時ものように七時半に起きる。友人は七時ごろには起きていたようだ。布団は綺麗にたたんであった。今日も青空で気温の高い快晴の天気である。敷布団と敷き毛布をベランダに干す。昨日の鎌倉観光でほぼ一日歩いたため身体の脚部だけではなく全体が筋肉痛である。今年一年の運動不足がかなり身体に響いている。朝食には、何時ものようにハムトースト、ヨーグルト、昨日の鎌倉カスターとコーヒーを淹れた。今日の行き先を三か所ほど説明して、行く先を決めてもらう事にしていた。第一に台峰から葛原岡神社・源頼朝像・寿福寺におり北条政子・源実朝墓所にゆくコース。第二に光明寺から材木座海岸、第三は江の島である。友人も昨日の観光で疲れたのか、江の島に決まった。
午前九時半前に今日も再び湘南モノレールに乗り江の島駅に着く。昨日とは違う快晴の中の富士山が展望台より見えるが、少しかすんで見える。例年になく雪の少ない富士山であった。江ノ島大橋まで商店街をまっすぐ進む、鎌倉に居住して三度目の江の島だが、この通りの飲食店も目新しくなっていた。国道一三四に交わる地下道を過ぎると、また違った富士山が見える。友人が早速富士山を写真に取ろうとするが、場所的に橋の真ん中から江の島近くの方が良いと説明し、二人とコトコト橋を歩く。べんてん丸の乗り場に差し掛かると、帰りは江の島の裏の岩場からこれに乗って帰って来て、江ノ島の山頂にはエスカーに乗ってゆく事を説明する。エスカーを説明すっるが、何かわからないようである。少し長めのエスカレーを三度乗り換え山頂展望台に着くと言う事で、疲れている私たちにとっては重宝なものであった。
橋を渡り鳥居をくぐる。右側の古風な西洋建築が何なのか聞かれ、江の島アイランドスパという入浴施設とレストランを併設したものと説明する。土産物店の並ぶ通りを歩くと名物の蛸せんが売られているが、関西の淡路島では蛸一匹をプレス機にかけて造るために質感と濃厚さでは比べようがない。江ノ島神社辺津宮に着くと参拝して、横にある茅の輪をくぐり一年の疫を祓った。京都では、左からくぐり、右をくぐって再び左をくぐる。その間に和歌を一首詠むのだ。私が五年前に鎌倉に来た時には、鶴岡八幡宮にもこの仕方は記載されておらずただ茅の輪をくぐるのみであったが、コロナ後、京都のような廻り方が記載されている。しかし和歌を詠む風習は無く、京都人ならではの密やかな自己満足の楽しみ方なのかもしれない。
エスカーに乗り中津宮を参詣して、シーキャンドルのあるサムエル・コッキング苑に入っていく。丁度この時期には夜キャンドルがともされ、有料の場所となる。大晦日のカウントダウンの場所としてこのごろ有名になりつつある。人出が次第に増えているようであった。時計を見ると十一時半を回っていたので食事でもしようと、江ノ島の東側に向かう。以前有った海鮮料理屋さんが数件閉店している。途中に富士山の見える店に入り友人はマグロとシラスの海鮮丼を注文、私は海鮮ラーメンを注文した。心地の良い時間であり、遠くに富士山が霞んで見えていた。江の島奥津宮を参詣し、江の島の裏側の稚児ヶ淵の急階段を下りる。この階段を下りる友人は、船に乗ってくることの辛さがやっとわかったようであった。江ノ島岩屋に行くとかなりの人が並んでいたため、入る事を諦めて遊覧船発着場に引き返して船に乗り込んだ.二隻の交互の運転で十分程度の間隔で運転されている。短時間ではあるが、暖かく、快晴に近い、凪の相模湾の海も格別である。
江ノ電江ノ電江ノ島駅に着くと十二時半になっていた。江戸電に乗り鎌倉駅に戻って東京に向かうか、湘南モノレールで大船まで戻り東海道線で東京に向かうかと尋ねると。大船に戻るという。二人とも疲れたていたが、友人はこのまま東京に向かいホテルにチェックインして六時から開演の松任谷由実のコンサートに行くという。友人は会社の後輩で九歳年下になるが、今や先輩後輩という仲ではなく、友人として接している。やはりこの年の差は疲れの上限の差を感じられずにはおれない。昨日とは違う片瀬山・西鎌倉の景色はおしゃれに感じた。大船に着き、JRの大船駅の改札まで行き、また二月に帰阪した際に、京都でも行こうと約束をして、そこで別れた。
私は夕飯の食材を買って住居に戻ったのは一時判を過ぎていた。コーヒーを淹れ疲れた体を横にしてビデオを見ていると三十分ほどで眠ってしまった。気づくと陽が翳り四時を過ぎていた。慌ててベランダに干していた布団を取り出す。明日から二日ほど天気が悪いようだ。その後、シーツ類の洗濯と上布団を干したりと、一週間大変な気がする。しかし、大変充実した二日間で年に二回くらいはこのような事があっても楽しいと思いう。また、そうした友人がいることに感謝したい。そして明日はコロナワクチン七回目の接種と月一の受診日である。接種後は、毎回発熱と倦怠感そして寝返りが出来ないほどの疼痛にうんざりする。今回もしっかりと子の副作用が出た。
先日帰阪した際に奈良で勝った何時ものお酒「神仏習合の酒」を毎週木曜日に行く、行きつけの店にお歳暮として配り終えて、後は年末の円覚寺塔頭の龍隠庵での二日間の餅つきのお手伝いで今年も終わる。今日二十二日は、冬至で今年一番の冷え込みになった。何時も散歩がてらに行く神社への参詣は、真冬のいでたちで向かった。その道でよく多くのワンちゃんに出会う。犬好きの私はいつも声をかけ、安心したワンちゃんは、撫でるさせてくれる。こんな毎日が楽しいのである。
― 了