今年は、鎌倉でも寒い日が続き一月が過ぎようとしている。一月六日の雪の積もった朝は、青く晴天の中での雪景色が、北鎌倉に新鮮な空気と景観を与えてくれた。しかし、住居の側の坂道で滑り、肋骨にひびが入った。痛みは、当初厳しかったが、ようやく三週間が過ぎたあたりで起床時の痛み以外に日常生活に苦にはならなくなってきて、喜ぶ次第である。オミクロン株の感染者数も爆発的に増加し、小町通りも人出はそう多くない。地元のお店は、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿と13人」が放送され、大きな期待を持っていたが、感染爆発によりそうは言っていられない。
令和四年二月の鎌倉の行事に移らせていただく。今年の二十四節気の立春は二月四日金曜日である。本来なら少しずつ暖かくなり、樹々の花の蕾が見られ、春の気配を感じるようになる。日の出の時間が六時四十一分、日没が十七時八分と次第に日が長くなってきた。しかし、来月の二月も例年よりも気温が低い日が続くらしい。鎌倉の二月の行事は、そんなに多くないが記載させていただく。
・二月二日火曜日、節分祭・節分会が各寺社で立春の前日に行われる。本来、旧暦にあたる正月の行事として行われていた。本来、邪気の訪れを防ぎ、旧年中の穢れを祓う行事である。しかし今年度は鶴岡八幡宮、長谷寺、建長寺等中止との事。
・二月三日水曜日、初午祭が丸山稲荷・佐助稲荷等で行われる。この日が令和三年の初午の日となり、春の農作業開始を前に農業神である稲荷神に豊作を祈願する。農業儀式であった。また、お稲荷さんの誕生日が二月七日の初午の日であった事から祀られた。和銅四年(711)京都伏見稲荷山大神では祭神の宇迦御霊神(うかのみたまのかみ)が稲荷山に降り立ったと言われている日であると伝わり、全国に広がったとされる。古来は立春以降の最初の馬の日とされていたが、新暦によりその年の最初の牛の日となり、農業開始にはまだ寒さが残る行事になった。十四時から開催されるようだが氏子・関係者のみと思われる。
・二月八日月曜日、針供養が荏柄天神で行われる。使い古した針をねぎらいと感謝を込め豆腐に針を刺して供養し、そして、針仕事の上達も祈願される。日本特有の精霊信仰であり、感謝の気持ちが込められている。欧米での霊的(霊力的)存在が肉体や物体を支配する精神感への精霊信仰(アニミズム)とは少し違う様に思う。十時半から十六時開催されるとの事。
・二月十一日木曜日、鶴岡八幡宮で紀元祭が行われる。神武天皇が橿原の宮にて即位された第一日目を建国の起源とされ、新暦換算により二月十一日が紀元節と定められた。昭和四十一年に建国記念日と改称され制定されている。各地の神社において建国の祝い、神武天皇の偉業を讃えたのが紀元祭である。開催不明。
・二月十一日木曜日、建国記念日に大國禱会(だいこくとうえ)が長勝寺で行われ、千葉法華経寺で百日粥をすすり、水行の荒行を終えた修行僧が長勝寺で最期の冷水を浴びて寒中荒行を奉じる。国家安泰と世界平和を祈願する。今年度は修行僧の水行は行われず、長勝寺の僧一人ずつ十五分間隔ほどで十名の水行がされるとの事。午前十時半から行われる。
・二月十五日月曜日、涅槃会を各寺で行う。涅槃会は釈迦の入滅日の遺徳をしのぶ法会である。円覚寺では見学可否未定で本来なら十時から行われる。宝戒寺は不明。
・二月十七日水曜日、鶴岡八幡宮で祈念祭が行われ、五穀豊穣を祈念する祭りである。開催不明。各行事は、オミクロン株感染症が蔓延しており、開催が中止になる場合がある。行事拝観の際は寺社等に確認していただきたい。また、鎌倉においでの際は、感染対策を十分に取り、春の訪れを味わっていただきたく思いますが、気をつけてください。