鎌倉散策 令和三年 天園ハイキングコースから紅葉ヶ谷 獅子舞 | 鎌倉歳時記

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定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 

(写真:鎌倉建長寺)

 鎌倉に来て、三度目の冬が訪れ、毎年、二階堂の紅葉ヶ谷にある獅子舞の紅葉を見に出かける。

鎌倉は各寺院等で十一月中旬から紅葉が色着き始め、自然林で色着き始めるのは十一月下旬の銀杏の黄色の葉からである。そして、十二月に入り椛の葉が赤く色着く。

 若かりし時に多くの山を登った時、各地に紅葉の絶景は多くあった。ほとんどが九月末から十月上旬であり記憶に残るのは、白山の南陵が馬場、御岳山の開田高原、穂高の涸沢等である。しかし、その時期の山々は、天候の急激な変化がおこる事が多く、非常に危険を伴う。二階堂の紅葉ヶ谷にある獅子舞の紅葉は、自然林に包まれた中を歩き、下から上を眺め楽しむ。絶景というよりも風情を楽しむといった具合である。そして、簡単なハイキングコース上にあるので小学生低学年でも十分問題なく楽しむことが出来る道のりだ。しかし、一番きれいな時期は十二月初旬で、天候による日差しの有無によりその美しさに違いが生じ、また、その年の台風の有り無しにより塩害の影響により紅葉の色付きが違ってくる。

 

(写真:鎌倉建長寺 半増坊)

 今年も十二月五日の日曜日に天気が良さそうなので歩いた。鎌倉市中に住んでいる人は、鎌倉宮から永福寺へ歩き紅葉ヶ谷に入る。私の様に北鎌倉周辺に住むものは建長寺半増坊又は明月院裏の今泉から登る。大船駅から江ノ電バスの鎌倉駅行きに乗ると建長寺まで運んでくれるためお勧めであるが、土日祝日は一時間に三本であるため注意が必要だ。

  

(写真:鎌倉天園ハイキングコース 閻魔大王、地蔵菩薩、観音菩薩の三体像と勝上献展望台からみる鎌倉市中の由比ヶ浜から鶴岡八幡宮に一直線に伸びる若宮大路・段葛 )

 当日は、建長寺から登り、境内を半増坊に向かって歩き、急な階段を上ると半増坊に着く。半増坊は厄除け、火防、福寿増長等、様々なご利益があり、ひとまずは本堂で手を合わせる。天気の良い時は半増坊横の富士見台から美しい富士山を見ることが出来、富士山が霞んで見えない時は、次第に天気が崩れていく。今日は、霞んで見ることが出来ない。午後になると曇だすと思った。勝上山(147)頂上の勝上献展望台は、鎌倉市中の由比ヶ浜から鶴岡八幡宮に一直線に伸びる若宮大路・段葛を一望することが出来る。ハイキング道を進むと十王岩があり、冥界の判事である閻魔大王と地蔵菩薩、観音菩薩の三体が彫られた石像だが風化が進み、右側の閻魔様を窺い知ることはできるが地蔵菩薩、観音菩薩は判別できない。また少し進むと剛杵と念珠を持った石像で台座に座る弘法大師像が急な石段の上に置かれている。道程を進むと左すぐ下に講演が見え鷲峯山に少し上り下ると、ここから凝灰岩質の岩が現れ鎌倉の山道らしい風景になる。そこからしばらく進むと鎌倉一標高が高い大平山(159)にたどり着く。横浜港のランドマークタワーが見ることが出来る。建長寺総門からここまで約一時間の行程で中間地点である。

 

(写真:弘法大師像と大平山展望所から見る稲村ケ崎)

 ゴルフ場の横の展望台で休憩、上着を着て、おにぎりを二つ食べ再び進む。少し行くと天園峠の茶屋と瑞泉寺方面の道標があり、瑞泉寺方面は、平成三十一年の台風の被害以来、未だに通行禁止となっている。峠の茶屋に下っていくと獅子舞方面の道標が置かれ、そのまま下ると獅子舞岩に行き着く。周りは、紅葉に色着く樹々が多くなり、空に色着く紅葉だが、少し天気も曇だした為、鮮やかさには欠けていた。銀杏の葉は、落ち葉となっとり、条件があった時には黄色の絨毯のようになるが、銀杏の落ち葉は、十一月の三十日の低気圧により雨と強風のため少なかった。また、今年は銀杏と椛の色着く期間に差があったのだろう。永福寺から登ってきた人も多く山道は賑わっていた。 

 

 

(写真:鎌倉 二階堂 紅葉ヶ谷 獅子舞)

 紅葉の風情を少しでも楽しみながら、ぬかるんだ道を下り、永福寺跡にたどり着いた。来週の日曜日までは、紅葉が見られると思う。また来年の楽しみの一つだ。

 

(写真:鎌倉 永福寺跡)