昨年の七月二十日に母が九十歳で亡くなった。虚血性心不全と言う事で、あっという間の出来事であったようだ。ほとんど苦しまずに逝くことができたのは私たちにとって救われる。昨年は猛暑の中、慌てて新幹線に乗り大阪に帰ったのを思い出す。
今年、一周忌のため六月三十日大阪に帰る。いつものよう横浜駅東口のバスターミナルから大阪行きの八時五十分発のバスに乗り、大阪に着くのは夕方の五時三十九分である。八時間五十分ほどの行程であるが、行は時間がかかっても特に苦にもならない。音楽を聴くなり、本を読んだりして時間は過ぎていく。このコロナ過の中、三列シートでカーテンがあり、誰も話す乗客がいないため一番安心な移動手段かもしれない。そして、鎌倉に来てから大阪に戻る際、毎回使用するので、割引率がよく、三千二百円ほどで乗車する事が出来る。帰りは、何故か早く戻りたいため飛行機である。これも、家計の支払いがほとんどクレジットカードなのでマイルがたまり、年に二回は、無料である。
六月三十日の水曜日は、曇り空で大阪に帰ることができたが、大阪駅のバスターミナルに下りると蒸し暑さを感じ、大阪駅も非常に多くの人が動いていた。自宅に帰り、久しぶりの夕食で、夜は雨になる。一周忌の法要は日曜日の午前中に行う手はずになっており、翌日は友人たちに会い過ごす。木曜日は歯の検診に行く。金・土曜日に雨が降らなければ、京都の友人のお店にでも行こうと思っていた。しかし、ニュースなので東海・関東地方が大雨で、金曜から鎌倉で大雨、落雷、洪水、波浪警報と出たため何故か心配になり、また大阪でも梅雨空と雨で行く気がうせてしまった。結果的に土曜日は曇り時に晴であった。
土曜日に熱海で土石流が発生した災害を見ると、鎌倉はどうなっているか心配になり、ニュースを見ると平塚の一部が浸水したとの事であった。鎌倉は海が近いため滑川の水の流速は早くなるが、海が近いため結構水はけは良いようである。市内中地図に記載されていない道路の下に旧河川が存在する。しかし、鎌倉市中は津波、北鎌倉や市中の谷(やつ)の近くは、山に囲まれているため崖の崩落が大きな災害となる。
日曜日の鎌倉の天気予報と雨雲レーダーを見ていると徐々に雨が弱くなるようであった。日曜日に母の一周忌を午前中に済ませ、空港に向かう。一時半の飛行機が遅れ離陸したのが二時で満席、そして空調の不備でエンジンを動かさないと冷房が行えないという。搭乗中ずっと汗ばんだ状態で、不快きわまりない。こんな状況で換気はできているのか、飛行機を飛ばしていいものかを考える。羽田について飛行機を出た瞬間涼しさを感じた。一周忌に大阪に問題なく戻れたことと、鎌倉に無事帰れたことは母が見守っていてくれたのだろう。供養とは、思いだすことと感謝を伝える事であることをつくづく思った。
京急で羽田から横浜。横浜から大船までJR。そして大船で今晩の食材を買い、モノレールに乗り住居にたどり着いたのが四時半だった。すべての窓のシャッターを開け網戸にすると風鈴の音色が響き肌寒さを感じる。今年の梅雨はいつ開けるのだろうか、そして、この雨の被害が少ないことを祈るだけだ。今年の夏の長期予報では猛暑が続くようである。