春の木漏れ日の中、台峯を一周する。台峯の谷脇から中央公園側の峰を通り、梶原に出て、そこから山ノ内排水池から再び北尾根に入り、山崎小学校横の青少年広場に出る。南北の二つの尾根とその谷あいの谷戸の池の三つのルートがある。谷脇の入り口は分かり辛いが「湘南こども村 やまぶき」の建物横の坂と急な石の階段をを登れば尾根の道に行き着く。昨年五月に大阪から単身独りでこちらに来てから、良い天気には散歩がてらに歩いている。
いつ買ったのかわからないが、関戸勇さんと言う写真家の「鎌倉の森 台峯」と言う写真集があり、本棚に並んでいた。鎌倉に移ってから三ヶ月ほど経ったある日、この写真集を見つけ、実際に自分が、このすぐ近くに住むとは考えていなかった。鎌倉散策でも二回ほど紹介させて頂いたが、本当に自然豊かである。本来ならこの春の季節から初夏にかけて谷戸の池は素晴らしいと思うが、工事のため今は入れない。今回は中央公園側の南の尾根に入った。少し歩くと、中央公園へ下る道と、新しく標識もできていて、木陰から中央公園が少し見えていた。昨年の台風の被害から少しずつ整備されている模様で道も歩きやすくなっている。
のんびりと春のやわらぎを感じながら歩いていると、あっという間に梶原に着く。そしてあの有名なレストランのプランデルブの近くに出る。再び山ノ内排水池東側を左折し、北の尾根に入る。少し歩くと眺望台があり、そこからの円覚寺の本堂の緑青の屋根が見え、600㎜ほどの望遠レンズだと綺麗に取れると思う。その日、展望台に七十前後の御婦人が犬を連れ日向ぼっこをされていた。ソーシャルディスタンスを取り、お話しすると、眺望から見えるすぐ先の家にお住まいで、散歩によく来られると言う。男の子のチワワが人懐っこく、なでてやると、おとなしく気持ちよさそうにしていた。
鎌倉女子学園のグランドにやって来ると、ここが夕焼けの富士山を取るには最高の場所で、何時かよい日を選んで取りたいと思うが、空気の澄んでいる冬場でないと富士山が見えない。グランドの道を道沿いに行くと北鎌倉の方に出るのでグランドに沿って左の道を進む。しばらくすると台稲荷に下る道があり、綺麗なピンクに咲く、桐だと思うが、また白い花はウツギだろうか。
これからの季節、この北尾根の方がよく花が咲きだす。私も見た事が無いが、キンランも咲くと言われ、山崎小学校の児童がキンランの保存活動を行っている。本来、谷戸の池を回り、北を根を回るコースがおすすめである。そして一時間半ほどで青少年広場に戻ってきた。