鎌倉散策 清明(せいめい) | 鎌倉歳時記

鎌倉歳時記

定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。


  

 二十四節気の晴明とは春が進み、若葉が萌え、花が先、鳥の鳴き、生命が輝く。すべての物が清らかに生き生きとする頃を言う。私は春の六節気の中でも立春と清明のころが好きだ。冬が終わる知らせと春になった知らせで希望に心が舞い踊る。

 初侯、玄鳥到(つばめきたる)で四月五日から四月九日で、海を渡り東南アジアから数千キロ離れた日本に燕がやって来る。昔、小学校の頃、校舎の屋根の軒下に燕の巣があり、毎年戻り、雛を作り育てていた。いつ戻ったのかは気が付かないうちに、可愛いひなが口を広げピーチク、パーチクと親の帰りを待ちだすと、みんなが、つばめだと気づく。そして南に戻った日もわからず、気が付き、また来年と思う。ツバメの巣が家の軒先に造られた家には幸せが訪れると言い伝えがある。燕を表す漢字として玄鳥(げんちょう)、乙鳥(津波倉)、天女(津波倉目)などがある。四月八日は、お釈迦様が生まれた日で灌仏会が行われ、花が多く咲く季節に生まれたお釈迦様の降誕会が花祭りになる。鎌倉では建長寺の花まつりが八日模様される。また極楽寺の七、八、九、特別公開があり八日の灌仏会には忍性菩薩御廟も特別拝観される。

 

次項は鴻雁北へ帰る(がんきたにかえる)で四月十日から四月十四日である。日が暖かくなり雁が北のシベリヤ方面に帰って行く頃。青森県に伝わる民話に「雁風呂(がんぶろ」がある。これは秋に雁が海を渡って来た時に海面に浮かべて休むための小枝を加えてくる。浜に来ると、その枝を捨てる。年を越し、春に同じ枝を広い北へ帰るが、浜に枝はのこる。この冬に亡くなった雁の物であり、浜の人達は供養のため、その枝で炊いた風呂を旅人に振る舞ったと言う。鴨は私の大阪のマンションの人工池に冬場に現われるが、実際野生の雁は見た事が無い。宮城県の伊豆沼には十万羽の雁が渡って来る。一度は見に行きたい先である。

 末候は虹始めて見る(虹始めて見る)で四月十五日から四月十九日である。春の雨上がり暖かくなった気候のため空に初めて虹がかかり、夏にかけ夕立の後など多く見られるようになる。

  

 この時期の旬の魚は初がつお、ホタルイカ、めばる。旬の野菜行者ニンニク、タラの芽、みつば。

 鎌倉に来てみつばを買う事が多くなった。行きつけのお店でだし巻きにシラスと三つ葉を入れ、非常に美味しい。だし巻きと言うと、御存じの通り玉子に出汁を混ぜ焼いたもので、関西風と言われる。鎌湯でしらすを買ってきて、必要分に分けて冷蔵保存する。みつばはキッチンペーパーに巻き、根元に水分を着け新聞紙に巻き、冷蔵庫に入れれば一週間は持。うどんに添えたり、刻んで鰹のたたきに添えれば葱とは違った風味になり、また、ホタルイカの沖漬けは酒の肴には最高である。

 

 毎日、コロナウイルスで憂鬱な日が続いていますが、私も鎌倉市中に出るのも、この三週間控えています。週一回の夜の行きつけのお店にも顔を出していません。外出は食料品を買いに行く程度です。不要不急の外出を控え自粛することが感染の終息に向かう唯一の手段と考えます。働かなくてはならない人が大半ですので感染しないように手洗い、うがいは、こまめに行いましょう。そして、みんなで協力し、早く終息させ、自身が自粛した二週間後を予想して、終息したら何をしようか考えて愉しみ、暇なときはブログを観たり、本を読んだりしましょう。今の私のいる鎌倉の山崎は台峯、鎌倉中央公園と自然豊かな地で人に会う事もほぼない状態です。また別の鎌倉を紹介させて頂きたいとも思います。『鎌倉殿と十三人』を掲載していますが、後、二回で終了のめどが立ちました。みなさんお元気で、頑張りましょう。今回の写真は鎌倉に関係ないですが、昨年春に下北半島を車で一周した時の写真です。気分転換に掲載しました。また旅行に出掛けたいです。