鶴岡八幡宮は六月と十二月に大祓が行われる。関西でも行われている神事で、主に六月に夏越しの行事として行われる。京都では大祓の、茅の輪くぐりでは作法もある。参拝者は作法通りに行う事でご利益を頂く。この茅の輪くぐりは「備後国風土記」の逸文にある「蘇民将来」の故事とされ(素戔嗚命を神とは知らずに持て成した蘇民将来が茅の輪をもらったことで、一家が疫病にならなかった)、また奈良時代の持統天皇により、大宝元年(701)に大宝令で宮中の年中行事に定められた。平城京の朱雀門で行われたと言われ、夏越の神事として無病息災を願い、罪や穢れを祓う行事が行われた。。
鶴岡八幡宮では六月には茅の輪くぐりを行い、無病息災と罪や穢れを祓う。十二月の年越しの大祓いも行われ、知らず知らずに犯してしまった罪や穢れを祓う。三十一日、舞殿の西庭に参列者が集まり、全員で日本神話の大祓の詞(ことば)を読む。読み終わると参列者は麻と神を細かく切った切麻(きりぬさ)を「祓えたまえ、清めたまえ」と言いながら、身体に撒いて祓い、清める。次に人形(ひとかた:関西では人代、ひとしろ)と言う、人の形に切り抜いた物を頭、体、指先まで撫でて、最後に息を吹きかける。自分がまとっていた罪や穢れを人形に移し、神官によって清められる。
大祓いには誰もが参加できるが、参列票に記載し初穂料(お気持ち程度)を供え大祓の詞、切麻、人形を頂く。午前十一時、午後一時、午後三時と三回行われる。私は十時半前に鶴岡八に着いたが、受付は人の混雑の誘導により午前十一時の大祓式が行われる寸前だった。午後四時には古神札焼納祭、午後五時から除夜祭が始まる。
今年は五日まで休みの人が多いみたいで、いつも以上に人にあふれた鎌倉市中だった。