今年の小暑は七月七日からである。小暑とは梅雨が明けて本格的に夏なるころのことで、この小暑から立秋までが暑中見舞いの時期です。初候、温風いたる。夏の風が熱気を運んでくるころで、梅雨明けごろに吹く風を白南風(城は江)と呼ぶ。今年は、梅雨に入ってからほぼ一ヶ月、雨が多く、梅雨寒が目立ち、七夕も雨で夜は寒いくらいである。次候の蓮初めて開くころであり、鎌倉の各神社では祭りが開かれる。
大町の八雲神社の例祭は有名だが、私の住居の近くにも山ノ内の八雲神社がある。少し調べてみた。八雲神社は鎌倉市に大町・永保年間(1081~1084)。西御門・縁起は詳らかでない。常盤・治承年間(1177~1181)。山ノ内・元仁元年(1224)。の四社が存在する。祭神は主に素戔嗚命を祀っている。
八雲神社(山ノ内)は山ノ内の鎮守社で、鎌倉時代に創建されたらしい。「模風土記」によると元仁元年(1224)に鎌倉で疫病が流行し、疫病を収める為、各地で祈願祭が行われた。この山之内でも、村人が祇園八坂の神霊を勧請し、村の安寧を祈ったのが始まりと言われている。古くは牛頭天王社とも称し、素戔嗚命を祭神とする。牛頭天王は素戔嗚命を指す。また、社伝では、室町期は関東管領の上杉憲房がこの地に居を構え、篤く信仰し、武運長久を祈願するため文明年間(1469~87)に京都の祇園大神(現在の八坂神社)の牛頭天王を勧請したとも言われる。
境内には寛文五年(1665)の銘のある鎌倉最大最古の石造庚申塔(こうしんとう:市文)がある。
また、「晴明石(びっこ石)」と言われる石が祀られている。平安時代の陰陽師安倍晴明が残した石と言い伝えがあり、厄除け石として信仰を集めている。もともと近隣の道路に埋まっていたものであり、工事で掘り起こされ、八雲神社に移された。石を汚したり、壊したりすると大難の祟りがあると言われて、祀られている。びっこ石は知らずに踏めば足が丈夫になり、知って踏むとびっこになると言われていた。火災・災難除けの神の石と呼ばれている。「晴明石」はもともと十王堂橋付近(円覚寺の門前当たり)にあって、多門院の所有であった。この鎌倉にも、安倍晴明の伝承はほかにもあるが、またの機会に紹介したいと思います。
二十一日の日曜日に合体神事と言うものが行われ、八雲神社の神輿が男の神様の神輿で、北野神社の神輿が女の神様の神輿との事である。私の住む山崎でも14日の日から神輿が出された。山崎の鎮守社は北野神社であり、次回紹介させていただきます。
祭神:戔嗚命
例祭:七月十五日
境内社:稲荷社
神事芸能:神輿渡御は現在、例祭の最終日。最終日は海の日(月曜)のその週後の日曜日に行われるようである。山崎北野神社神輿との「行合祭(行合祭)」で二基の神輿が行列をなして山ノ内界隈をねり歩く。
宝物:面と衣装(市文)、石造庚申塔(市文)、神輿、獅子頭。
神徳:厄除け招福、病気平癒、農業(産業)の守護神、良縁成就