ドラマ・ミステリーゾーン(原題:The Twilight Zone)の機械嫌い(原題:A THING ABOUT MACHINES)で真空管式テレビの背面が出てきました。懐かしかったです。前面を見ると豪華な装飾のテレビでした。修理屋さんが後ろを開けて修理している場面でした。ドラマですから適当にでっち上げている可能性があります。こんな豪華な装飾のものが市販されていたかも疑問です。ドラマ内ではたたき壊したりもします。そのため,小道具屋さんが適当に作り上げたものと考えるのが当たっていると思います。ちなみに,画像の映っているシーンは合成だと思います。
日本では,「シャープが一番さき(国産として)にアメリカと技術提携して製品とした」と電気屋の父から聞いています。ですから,テレビの形は日本と同じとは限りません。でも,シャーシーが合板の台の上に載っています。小道具屋さんが,どこかのテレビから外したシャーシーを,合板の台を使って固定したように見えます。シャーシー後ろには75ΩのM型コネクタが出ています。日本では300Ωのフィーダー線でした。日本ではコストカットを狙ったのでしょう。ブラウン管下の金属で囲まれた部分は高圧回路ではないかと思います。ブラウン管の首の辺にある電子銃から前面の蛍光面まで電子を飛ばすのに高圧が必要なのです。左の方には小さなシャーシーがメインシャーシーの上に載っています。チューナーではないかと思います。日本と異なり,チャンネル切り替えではなく,つまみを回して選局していたのではないでしょうか。日本でもUHFが導入されたころ,UHFの選局は切り替えではなかったです。
日本ではチューナーはチャンネル切り替えつまみの後ろに一つのユニットとなっていました。チューナー内ではチャンネルごとに細長いプラスチックの片側にコイルが用意されていて,反対側に接点が付いているのが円筒形になるように取り付けられていました。チャンネル切り替えするとこのコイルユニットが切り替わるのです。チャンネル切り替えで接触不良するトラブルが頻発しました。あるメーカーからは“白金チューナー”とか言って売り出されたこともあります。
このテレビ全体は偽物であっても,使っているシャシーは本物と考えると,日米の違いを見ることができて面白いです。アメリカではコストのかかる部品を使っています。日本ではコストダウンを図るとともに使いやすさも追求していたと思います。