コイルとコンデンサーを直列に接続して電圧を加えたら(2) Excelで計算 | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 下の回路の電流の時間変化を計算してみようと思いました。

 

 コイルに生じる電圧とコンデンサーに生じる電圧の和は電源のEに等しいので下の式が立てられます。ここで微分と積分が混じり面倒そうです。

 

 そこでExcelを用いて,数値的に変化を求めてみました。時刻tでの電流i, コンデンサーにかかる電圧vの値はゼロとしました。微小時間Δt(ExcelではΔτとした)秒後の電流は「コイルの電流は,掛かる電圧と,時間に比例して増加する。その係数はL」という性質から計算しました(セルH15)。また,コンデンサーに生じる電圧は,「流れ込んだ電流と時間に比例して増加する。その係数は1/C」という性質から計算しました(セルI15)。これらの計算式を下の行にずっとコピーすることにより,電流,電圧の時間変化を求めました。

(エクセルのワークシート。セルには計算式を表示するように設定してスクリーンショットした)

 

 この様にして計算した電流の時間変化を下に示します。力学に置き換えて予想した通り,電流は行ったり来たり振動することがわかりました。

 

 下にコンデンサーに生じる電圧の時間変化を示します。力学に置き換えて予想したのと同様,加えた電圧に達しても,「コイルの電流は流し続けようとする性質がある(力学での慣性と同じ)」ということから,電圧が上がり続けます。力学での「釣り合いが取れたところまでの2倍」と同様電圧が掛けた電圧の2倍まで行っています。

 

 「数式計算でこうなるから,こうなんだ」と言われるより,「微小時間ごとに,こう変化する」とたどって行った方がより理解が増す感じがします。