コイルとコンデンサーを直列に接続して電圧を加えたら(1) 力学に置き換えて | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 前回の記事で,コンデンサーにコイルを介して電圧を加える話をしました。電流,電圧は振動することになるわけですが,これを力学に置き換えて考えてみました。

 

 コンデンサーは電圧に比例して電荷をためます。これは力学ではバネに置き換えることができます。力は電圧に,電荷は変位に対応させられます。電流は速度です。上の回路は,バネ(コンデンサー)の一端を固定し,重り(コイル)をつなげ,一定の力(電圧)を加えた場合に相当します。下図左の状態です(重量は考えていないので無重力状態での実験と考えます)。左の状態では釣り合っていないので,下方向に動きます。重りは瞬間には動かず,力に比例し,質量に反比例した加速度で動き始めます。釣り合いが取れた状態が右です。しかし,「重りはゆっくり動き始め,釣り合いが取れたところで安定状態になる」と言うのは誤りです。

 考えてみました。左の状態では,下向きの力が働いているので重りは上述の加速度で動き始めます。そして,右の状態になった時を考えます。バネの力と,加える力が同じになったところです。この状態では重りに力は加わりません。しかし,重りはここまで加速度が加わってきたため,ある速度を持っています。惰性でその先まで変位が進みます。進むにつれ,バネの力が勝り,重りには上側の力が加わります。すなわち重りには負の加速度が加わります。そのため,速度がだんだん減少し,ついには止まります。またまた,そこでは終わりません。今度は惰性はありませんが,バネが伸びているため上向きの力が加わったままです。重りは上方へと移動します。釣り合った状態より上ではバネは縮められ,押し広げる力が発生します。下向きの加速度が加わり,重りの速度はだんだん遅くなり,止まり,下向きに動き始めます。以下,同様にして,釣り合っている状態を通り越し,同じことが起こります。すなわち振動が継続するということです。